( 145093 )  2024/03/02 23:59:46  
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「就職するのに大学の学位は必要ない」という企業は増えているが、必ずしもそうとは言えない。 

 

Indeedの最新レポートによると、同社のプラットフォームに掲載されている求人情報の52%はいかなる学歴も要求しておらず、その割合は2019年の48%から増えている。一方、大卒以上を求める求人情報は17.8%で、2019年の20.4%から減っている。 

 

これは志望者が"どこで学んだか"よりも"何ができるか"を重視する「スキルに基づく採用」に向けた動きの1つだ。採用責任者が志望者の"学位"ではなく"資質"に注目しているというのは、大学を出ていないアメリカ人の3分の2にとっては基本的に朗報だ ── そして企業側もその"進歩"を宣伝したがる。 

 

近年、多くの企業が「紙の天井(paper ceiling)」を打ち壊す ── または高等教育を受けることなく働いている人々により多くの機会を与える ── 取り組みに乗り出している。2020年には警官による黒人ジョージ・フロイドさんの暴行死をきっかけに、複数の大企業が大学を出ていない100万人の黒人を「家族を養える仕事」に就かせる取り組みに署名した。2023年にはニューヨーク・タイムズの編集委員会が、学歴を求める採用を止めた官民のさまざまな取り組みを称賛した。 

 

「大卒でなくてもできるのに、それでも大卒であることを求める仕事がたくさんあります」とIndeedのソーシャル・インパクト部門のバイスプレジデント、アビー・カールトン(Abbey Carlton)氏は同社の最新レポートにコメントを添えた。 

 

「そのせいで何千、何万という適任の求職者… 中でも大学へ平等に進学できなかった求職者がこうした求人に応募できずにいます。求める学歴をつり上げることは、労働力における不平等の連鎖を固定化させます」 

 

ただ、企業が「学歴に注目しない」と言ったからといって、学歴を完全に無視するわけではない。ハーバード・ビジネス・スクールと非営利の研究機関Burning Glass Instituteの調査では、約束通り実行している企業は少ないことが分かった。 

 

アップルやウォルマート、エクソンモービルなど、採用する人材を明らかに変えた企業もあったが、学歴要件をなくしたと大騒ぎした企業のほとんどは採用慣行を実際には変えなかったという。 

 

Emily Stewart 

 

 

 
 

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