( 147073 ) 2024/03/08 14:53:07 0 00 (ブルームバーグ): バイデン米大統領はワシントン時間7日夜(日本時間8日午前)、上下両院合同会議で今年の施政方針を示す一般教書演説を行い、国内外で民主主義が脅かされていると語った。11月の大統領選での再対決がほぼ確実なトランプ前大統領がホワイトハウスに返り咲く可能性を念頭に置いた形だ。
大統領は「今が平時でないことについて、議会に目を覚まさせて米国民に警告を発するのが今夜の私の目的だ」と述べ、「リンカーン大統領や南北戦争の時代以来、今日ほど自由と民主主義が国内で攻撃されている状況はない」と語った。
このほか、「米国が立ち去れば、ウクライナや欧州、自由世界を危険な状態に置くことになる」と語り、ウクライナ向け追加支援のための法案可決を議会に呼びかけた。
バイデン大統領は、対ウクライナ支援を妨害してロシアのプーチン大統領に同調しているとしてトランプ氏と共和党を批判した。
1980年代、旧ソ連の最後の最高指導者だったミハイル・ゴルバチョフ氏にレーガン大統領がベルリンの壁を開くよう促したことと、国防費のコミットメントを満たさない北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対しては、ロシアが好きなように侵攻するのに任せると、在任中に欧州の首脳に語ったとするエピソードをトランプ氏が明らかにした点を対比させた。
バイデン大統領はトランプ氏を名指しすることはなかったものの、「前米大統領は実際にそのように語り、ロシアの指導者に屈服した。これは言語道断で危険であり容認できない」と話した。さらに、2020年大統領選の結果をトランプ氏が覆そうと試みたとして非難した。
現在81歳のバイデン大統領について、2期目の4年間を務めることができるか米国民は疑念を抱いており、大統領はこうした懸念を払拭(ふっしょく)するとともに、有権者にアピールする2期目の政策課題を打ち出す必要がある。
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大統領は自身の年齢について、2期目も指導者として米国を導くのに役立つ経験の源になるとあらためて指摘。中国の「不公正な貿易慣行」に言及するとともに、台湾への米国の支持をあらためて表明したほか、イスラエルとパレスチナとの「将来的」な2国家解決への支持を再確認した。
イスラム組織ハマスとイスラエルとの戦争を巡っては、同国への支持を繰り返し表明した上で、パレスチナ自治区ガザで多数の民間人が命を落とし、人道面の苦境に見舞われている点に懸念を強めていることを示唆。ガザの沿岸に臨時の港を設置し、支援物資の輸送を強化する計画を明らかにした。
バイデン大統領はまた、政権1期目の成果を列挙する一方、ウクライナ向け支援に加え移民問題への対応、女性の人工妊娠中絶の権利保護、富裕層や法人への増税、処方薬価格の引き下げなどで新たな取り組みの必要性を訴えた。
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原題:Biden Says Freedom Under Threat as Speech Takes Aim at Trump (3)
Biden Urges Congress to Pass Security Bill to Help Ukraine(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Justin Sink, Josh Wingrove, Jordan Fabian
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