( 148612 )  2024/03/13 00:16:57  
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実名・顔出しで性的暴行被害を訴えた福山里帆さんが記者会見を開き、父親が自宅で性的暴行を加えた疑いで逮捕されたことを報告しました。

里帆さんは中学2年生から高校2年生までの3年間、父親から性的虐待を受け続けたと語り、精神的、肉体的な影響についても明かしました。

家庭内での性犯罪について社会に訴える勇気を持ち、被害者支援の必要性も訴えました。

(要約)

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チューリップテレビ 

 

8年前、富山県黒部市で当時10代だった実の娘に性的暴行を加えたとして父親が逮捕された事件で、実名・顔出しで被害を訴えていた24歳の女性・福山里帆さんが12日、記者会見を開きました。 

 

【写真を見る】「苦しみを知ってもらいたい」実名・顔出しで父親からの性被害訴えた24歳女性【会見詳報】当時10代の娘に性的暴行の疑いで逮捕された父親は黙秘 

 

里帆さんは去年3月、中学2年生の夏ごろから母親が外出中の自宅で少なくとも8回被害にあったとして警察に告訴状を提出。3月6日、準強姦の疑いで父親で会社役員の大門広治容疑者(52)が逮捕されました。大門容疑者は黙秘しているということです。  

 

里帆さんはきょう(12日)午前11時、富山市内で記者会見を開き、父親が逮捕されたことを受けたいまの心境を語りました。 

 

被害を訴え記者会見を開いた 福山里帆さん:「本日はたくさんの方にお集まりいただき誠にありがとうございます。社会の方にこうやって注目していただいて、自分自身も緊張していて、うまくお伝えできないところもあるかもしれないですけど、なかなか家庭内の性犯罪というのは社会に出てきにくいと思うので、このように実名、顔出しでできるだけたくさんの方に私があった被害、特に私が過去にどう思っていたのか、どんなところに苦しんでいるのかを皆さんにお伝えして、社会の皆さんに知っていただければと思います」 

 

父親の大門容疑者は2016年、当時高校2年生だった里帆さんに対して、抵抗できない状態だと知りながら性的暴行を加えた疑いが持たれています。 

 

里帆さんは、中学2年から高校2年までの約3年間、母親が外出中の自宅で少なくとも8回、被害にあったといいます。 

 

弁護士:「親族からは、本件はなかったことにできないのか、訴えることそのものをするなと言っている。バカなことを考えるなと。あたかも里帆さんが理不尽なことをしていると…、やむなく告訴となりました。現に被害を受けている、過去に同様の被害を受けた方の助けになりたいと、匿名ではなく自分の声、自分の顔でお話ししたいと考えています。家庭内の性犯罪を未然に防止する社会になってほしい。そのための手助けになってほしいとの思いです」 

 

 

■里帆さん自身が当時の状況を語る 

 

記者:「改めて里帆さんの口からご自身に何があったのか、お話してしていただけますか?」 

 

里帆さん:「私は中学2年の時から高校2年生まで保健室の先生に通告して、児童相談所に一時保護されるまで、実の父から性的虐待を受けていました。それまでは中学1年生のころから胸を触られたりですとか、太ももを触られるなど、そういったことはありましたが、そのあと実際に性交を強要されるということで、私としては拒否できない状況で、父から性交を受けていたような状態になります。 

 

記者:「どういった思いできょう会見に?」 

 

里帆さん:「私としては過去にあった父からされたことというのは変えられないことなので、自分の中で納得するしかないと思います。苦しいんですけど。ただ、父から性行為を受けた時、一時保護されて大学に行っていたときにやはり何度か自分の、親にも事情があったのかもしれない、そういったいろいろ納得しようと思ったんですけれども、やっぱり自分の中では納得できず、同じように性被害に遭った方、特に家庭内の性暴力は実質的に支配されているというか、親がいないと子どもは生きていけないので。そして、18歳を超えてしまうと児童相談所は保護してくれる対象ではないので、そんな中で自分で生きていかなくてはいけない。そういった自分を絶望しながらもなんとか生きる道を見つけて、その難しさを感じたので。いま家庭の中で性暴力に実際、遭っている方、過去に遭っていま苦しんでいる方、そういった方の何か力になれば、そういうふうに思って、いまこの場に立っています」 

 

■同じ家の中にいて、ゆっくり眠ることができない… 

 

記者:「2つお伺いしたい。1つは精神科に通院、どんな症状で?もう1つは会見を開くことで被害に遭った方の力になりたいということですがお顔を出すことへのためらいや決意は?」 

 

里帆さん:「1点目は、被害に遭っていた当時というのは自分の感情がないような、無気力感がありました。生きていたくない。自分を外から俯瞰したような。被害に遭った後に自分の中から感情がなくなってしまった。中学生だったので、勉強しなくてはいけなかったんですけど、思考することや暗記することが全くできない状況でした。ですから目に見える形では成績が以前より目に見える形でがたんと落ちてしまったり、思春期という時期だったが自分の感情がコントロールできないような感情の起伏が、普段は無気力ということもありますが、突然感情が表出してしまって暴れてしまったりとか、なんでそういうふうになっているのかというのは、まわりが実際は知らないので、ひどい思春期なのかなとか。精神的に理由があるかなとかわからないまま、家族としてはうまくサポートできなかったりとか。あとは肉体的な部分で言うとやはり朝起きられなくなったりですとか。どうしても夜、自分に対して加害をしてくる人が同じ家の中にいて、ゆっくり安心して眠ることができないので。眠ることはできるんですけど、安心して眠れずに日中、眠たいような状態だったりとか、そういうのが当時の状態です。 

ですので、中学生、高校生の間も保健室の先生に助けていただいて、熱とかが出ているわけではないのですが、ベッドで休ませていただいて。学校では父がいないので安心して眠れる環境で、心と体を休息しながら過ごしていました。その当時は、張り詰めていたので、どちらかというと何とかやっていたんですけど、離れて、特に大学に進学した後の方が精神的な被害は大きかったかなと自分の中では思います。例えば、保育の勉強をしていたんですけど、虐待の実際のエピソードを聞いているうちにフラッシュバックしてしまって、授業に出られなくなってしまったりですとか、その場を退出してしまって、しばらく学校に行けなくなることもありました。あとは、ニュースなどで同じような被害に遭った人を電車で見ていると、電車に乗っていられなくなって吐きそうになったりということもありました。そのあと肉体的な部分で出たのは、いまも薬を飲んでいるんですけど、吐き気でご飯を食べられなくなる日もあります」 

 

 

■自分の信念に基づいているから、隠れることはない… 

 

記者:顔も名前も出して被害を訴えるのは勇気が必要と思うが、その思いは? 

 

里帆さん:「もちろんこういった顔出し、実名を出すことは社会的影響、日常生活に難しくなることに対して葛藤はありました。ですが、主人とも何度も話して私がなにか悪いことをしたわけではありませんので。性加害に遭っている人全員だと思いますけど。ですので、自分は悪いことをしていない、自分の信念に基づいてから、隠れることはないかな。自分が恥ずかしいわけではない。主人から何度も言ってもらって自信をもって、この場にいます。あとはこれまでの経緯としては、最初はこういった形ですと、父だけでなくどうしても親族に影響が行くことはわかっていたので、家族で円満に解決できることを私は一番望んでいました。ですので、何度か話し合いを重ねていたんですけども、私の望むこととしては父の反省を望んでいて、それを私が見られたなら、その場で許そうと、自分の中で納得できると思っていたんですけど、私にはそうは見えなくて、残念だけれどだったら、父と私ではなく別の形で反省できる形、話し合いをしていく中でなかなかどうしても親族としても、私をかわいい気持ちもあると思うんですけど、実際に被害のことを思うと恐怖だったと思うので…私の納得のいく形にはできないのと、実際に話し合ってみて思ったので。いま私がここで主人がサポートしてくれて、周りの方がサポートしてくれる環境というのはないと思うので、私のやりたいことができる環境がある私だからこそ、実名顔出しで皆さんの前にお伝えして少し社会が変われば、もうできればこういった被害はなくせるかな、私でできたら最後にしてほしい、そういう思いで実名顔出しに決意できたかな、そういう風に思います」 

 

記者:「警察や検察に求めること、処分について。行政機関に家族間の性加害がなくなるような仕組みづくりを要望されるのか?」 

 

 

里帆さん:「具体的な処罰というのは、私は法律に明るくないのでわからないですけど、ただ今は逮捕されている状況なので、ここまで来たからには起訴してほしい。そこがまず一つの思いです。あとの具体的なことというのは自分の中でわからないですけど、実際に自分が被害に遭ったことに見合う罰というのはないとは思うんですけど、少しでも自分が過去遭ったことに納得できるような、それくらいの罰を与えていただけたらいいかなと思います。 

2点目の行政に関していえば特に、家庭内のことなので本当に証拠というのは出すのはまず難しかったかと思います。指紋があったり、毛髪があったりしても、特に不思議なことはないですし、そこの証拠のハードルを何か考えてほしい。難しいとは思うんですけど、そこは感じたのと。そのあとの精神的なサポート、児童相談所に行った後に、被害が終わったとしても心が癒やされるわけではないので、思い出して苦しみますし、かといってカウンセリングとか精神科というのも通うのもお金がかかりますから、そういったところのサポートがあればいいのかなと思いました。あとは生活のサポート、たぶん被害に遭って自立したとしても若いと思うので、なかなか金銭的な余裕だったりとか少しでも体調を崩して働けなくなると、先が不安だと思いますから、もう少し、家庭内で性加害に遭うと一般的な家庭の仲がいい方だと親に頼ったりですとか、そういったこともできると思いますが、なかなか難しいので不安に思うと思うのでサポートしていただきたいと思います」 

 

記者:「ご職業や肩書は?」 

里帆さん:「いまは家庭内で主婦をしております」 

 

■自分が壊れてしまって無になったような… 

 

記者:「被害に最初に遭った中学2年生の時の思いは?」 

 

里帆さん:「実際に被害に遭った時というのは今振り返ると何も感じられなかった。というのは感情が悲しいとか、苦しいとか、未来に対して不安だとか、これからどうしていいかわからない、そういったいろんな一定の感情がたまってしまって、自分が壊れてしまうような感じで無になったような、自分から魂というのがあるかわかりませんけど、感覚としてはそういったものが抜けた感じ。しばらくは不安よりも絶望、いまはあまりそうは思わないですけど、当時はそれこそ中学生だったので、結婚とかそういったことができるのかなとか、自分は汚れてしまったのかなとか、そういったこともそのあとは考えましたし、誰かに、特に親族に知られてしまったら悲しむだろうと、だから自分が一生懸命隠さないといけないとか、でも助けてほしいとか、でも親族に助けてもらえなかったらどうしようとか、そういったいろんな、未来に対してこれからどうなっていくんだろうという不安もあったと思います」 

 

 

 
 

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