( 148914 ) 2024/03/14 00:12:10 0 00 “逃げ道”を作っているところが国民の怒りを買う(世耕弘成前参院幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
“志ある議員”はたった3人だった。
自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、14日に行われる参院政治倫理審査会(政倫審)。立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の野党4党の申し立てを受け、参院政倫審は8日、全会一致で32人の審査を議決したものの、弁明を申し出たのは世耕弘成前参院幹事長(61)、橋本聖子元五輪相(59)、西田昌司元政調会長代理(65)だけ。
【写真】安倍新内閣はまるで“カルト内閣”…旧統一教会がらみ12人も(2009年)
自民党の梶山弘志幹事長代行(68)は、「政倫審は党の幹部が強制的に、党の意向として出てくれという話ではない」と言い、出席についてはあくまでも「議員個人の判断」だと強調。党内からは「衆院政倫審とのバランス」といった声も出ているというが、32人全員が出席すれば衆院政倫審と同様、弁明者の発言内容が食い違う可能性が出てくるため、自民党としては少人数で乗り切りたいのだろう。
とりわけ安倍派の参院議員は改選期にキックバックされた裏金が使われていた疑いも浮上。公職選挙法に触れる問題でもあり、神経をとがらせているようだ。
野党側は引き続き「全員出席」を求める方針で、自民党側が応じるかどうかが注目されているが、それでも14日の参院政倫審での発言が注目されているのが世耕氏だ。
■「不明」の収支報告書の「宣誓書」には“言い訳”?
世耕氏は他の裏金議員と同様、問題発覚を受けて政治資金収支報告書を「訂正」したのだが、これもまた本来の意味である「訂正」とは程遠い内容だ。
例えば、世耕氏の政治団体「紀成会」の2022年分の報告書を見ると、例によって収入、支出総額は「不明」。それでいて、「宣誓書」には「令和4年分の収入及び支出の一部においては、金額・日付不明等があり、現在調査中のため収支報告書の記載の一部を不明であると記載します。不明の部分については判明した場合に収支報告書の訂正を行います」などと“言い訳”のように記入している。
政倫審で使途を質問されても「現時点では分からない」と繰り返せばいいと考えているのかどうかは分からないが、こういう“逃げ道”を作っているところが国民の怒りを買うわけだ。
だが、世耕氏と言えば「政治とカネ」問題に対しては誰よりも厳格に対応するべき、と訴えてきた人物だ。2010年の立憲民主党の小沢一郎衆院議員(81)の秘書らを巡る政治資金規正法違反事件の際には自身のSNSにこう投稿。
《小沢幹事長不起訴?会計システムまで構築し、収支報告時には、貴重な限られた時間を犠牲にして、担当秘書にひとつひとつ質問しながらじっくりと確認した上で書類を提出していることが、空しくなってきます。》
世耕氏は2009年12月にも、《党から各議員の政党支部に振り込まれ、きちんと政治資金収支報告に載せるようにし、透明化しました》と投稿していたから、今回、「秘書にひとつひとつ質問しながら記載」し、「透明化した」はずの自身の収支報告書はなぜ、収支が「不明」となってしまったのか。洗いざらい明かすのは当然だろう。
仮に世耕氏がはぐらかすような弁明を続けたら、野党側は世耕氏が2010年2月に投稿した言葉を返せばいい。内容はこうだ。
《証人喚問は当然。このような疑惑に関して自民党は過去ある程度証人喚問に応じてきましたよ。ゼロ回答はあり得ない。》
世耕氏の政治家としての姿勢がまさに問われている。
|
![]() |