( 149869 )  2024/03/16 23:21:13  
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自民党の全国幹事長会議であいさつする岸田文雄首相=16日午後、東京・永田町の党本部(安元雄太撮影) 

 

自民党は17日に党大会を開き、岸田文雄首相(自民総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件で失った信頼の回復に向けた取り組みを強調する。ただ、不記載が発覚した議員に対する処分は進んでいない。党大会までに「けじめ」(首相)をつけることはかなわず、16日の党会合では地方議員から不満が噴出した。4月28日投開票の衆院3補欠選挙などの難題が待ち構えているが、反転攻勢は容易ではない。 

 

16日の全国幹事長会議には、47都道府県連の幹部を務める地方議員が参集した。首相はあいさつの冒頭で「皆さまには各地域で国民の厳しい声を受け止めていただいている。心からおわびを申しあげる」と陳謝。今後の処分や、政治資金の透明性を高める法整備に言及した上で「党本部も命がけで党再生に努力したい」と強調した。 

 

しかし、訴えは響かなかったようだ。出席者によると、発言の大半が処分を求める内容だった。 

 

「『生まれ変わる』などきれいな言葉を並べても、誰もけじめをつけていない」 

 

「党則改正もよいが、処分がまず先だ」 

 

島根県連の絲原徳康幹事長(県議)は記者団に「早急にけじめをつけてほしいという意見が大勢だった」と説明し、4月の島根1区補選は「党全体の逆風もあり、かなり厳しい」と語った。 

 

6月に県議選を控える沖縄県連の島袋大幹事長(県議)は「本店が道筋を作らないと支店は持たない」と主張した。 

 

処分を済ませた上で党大会で「党再生」のスタートを切るというのが当初の自民執行部の考えだった。2月15日には処分の前提となる関係議員への聞き取り調査の結果がまとまった。 

 

だが首相が同日、処分について記者団に「今回の調査や今後の説明責任の果たし方を踏まえて判断する」と語ったことで、安倍派幹部らが弁明する衆参の政治倫理審査会が終わるまで処分の手続きを進められない。 

 

処分決定は4月との見通しが強まっている。告発された安倍派幹部らは東京地検が捜査の末「嫌疑なし」で不起訴とした。政権内では最も重い除名や離党勧告は「筋が通らない」(党幹部)との見方が大勢だ。地方議員や党員が「甘い」と不満を抱える懸念がある。(田中一世) 

 

 

 
 

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