( 150030 )  2024/03/17 13:13:55  
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「反転攻勢」始まる(立花孝志氏) 

 

 3月14日、「みんなでつくる党」(旧NHK党)が東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。同じ日には「常習的脅迫」など5つの罪に問われた元参院議員の“ガーシー”こと東谷義和被告に懲役3年・執行猶予5年の判決が下り、前党首の立花孝志氏は「これでガーシーは選挙に出れます」と発信。奇しくもホワイトデーに起きた2つの“ハプニング”によって「内ゲバ戦線」にも異変が――。 

 

【写真を見る】「ホリエモン新党」結成時や「まだ痩せていた頃」の立花氏の貴重なスナップ写真 

 

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「みんなでつくる党(みんつく党)」の負債額は約11億円で、債権者は約300人。発端は今年1月、立花氏に近い債権者から破産の申し立てを受けたことだが、同党は即座に「決定を不服として、速やかに抗告致します」との声明を発表。19日には会見も開く予定で、“徹底抗戦”の構えを崩していない。 

 

「昨年、党人事をめぐるゴタゴタから対立が先鋭化した立花氏と現代表・大津綾香氏とのバトルですが、一時は立花氏が“大津氏との闘争資金”として支援者に『お金を貸してください』と呼びかけるほど劣勢に立たされた局面もあった。しかし今回の破産決定で、潮目は大きく変わることになりました。偶然にも同じタイミングで自ら担ぎ上げて当選させたガーシー被告に予想外の執行猶予判決が出て、立花氏も『よかった』と安堵。懸念材料が消えたことで、これから立花氏による本格的な“逆襲”が始まると伝えられます」(民放キー局記者) 

 

 みんつく党は2013年、立花氏が設立した「NHK受信料不払い党」を起源とするが、その後、たび重なる党名変更を経て、昨年11月に現党名に改名。大津氏は前身の「政治家女子48党」時代に加入したが、ほどなく立花氏と対立した経緯がある。 

 

「“みんつく党”が抗告しても破産手続きが止まることはなく、抗告が認められる可能性も低いと見られています。同党は昨年に政党交付金約3億円を受け取っていますが、今年は申請をしておらず未交付の状態。党の台所事情は厳しく、今回の破産決定は大津氏側にとって“大ダメージ”です」(同) 

 

 実は「破産」の危機に瀕しているのは、党だけではないという。 

 

 

 大津氏は破産決定を受け、自身のXに〈みんなでつくる党はさまざまな妨害、脅迫行為を受けながらも、前代表者の不正を追及し、闘ってきました。(中略)不正追及から逃れようとしている旧執行部の姿勢は断じて許せません〉とポスト。 

 

 この投稿に対し、立花氏は「立花孝志の名誉を毀損しているので、大津綾香を被告として、東京地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起します」と表明。さらに〈大津綾香を支援した人達にも責任をとってもらうので(中略)覚悟しておいてください〉や〈次は大津綾香被告個人が破産するでしょう!〉と自身のXにポストするなど、大津陣営を徹底的に追い詰める姿勢だ。 

 

「党の主導権を大津氏から奪い返すことで、“過激”な言動で知られる立花氏が政治の表舞台に戻ってくることを警戒する声も上がっている。実際、執行猶予が付いたガーシーに対し、立花氏は自身のYouTubeで『検察が控訴しなければ、これでガーシーは選挙に出れます。彼にはぜひ政治をやってほしい』と懲りずに“ラブコール”を送るなど、政治的な発言が増えています」(永田町関係者) 

 

 今後の展開についても、すでにこんなシナリオが囁かれているという。 

 

「破産となっても、国政政党が潰れることはなく、大津氏が代表の座を去れば、立花氏が腹心の人物を代表に据えるなどして、党運営の実権を握ることが可能になります。立花氏によれば、みんつく党には現在3億円程度の資産があるといい、新たに要件を満たした上で政党交付金を申請すれば3億円超が入る見込みで、負債の返済にもメドがつく。破産決定と執行猶予判決という2つの“朗報”が同時に舞い込み、立花氏が意気軒高になるのも不思議ではありません」(前出・記者) 

 

 一方で、この間のドタバタ劇に関して「国民不在の内ゲバ」と苦言を呈するのは政治アナリストの伊藤惇夫氏だ。 

 

「党の代表権をめぐり、裁判所まで巻き込んで1年近くもゴタゴタを続けていること自体、有権者をないがしろにしていると批判されても仕方がありません。政党交付金が党の負債の返済原資に充てられるといった報道もありますが、そもそも同交付金は『政治活動の健全な発達を促進』するために支出される公金です。その“奪い合い”のようにも見える姿はとても『健全』とは映らない。ガーシー被告の事件についても、常習的脅迫行為などが認定された人物を公認・出馬させた立花氏にも責任の一端はあるはず。多くの有権者がみんつく党の騒動を冷めた目で見ているのは、そういった背景を見透かしている部分もあるのではないか」 

 

“ドロ沼”抗争の終焉がそのまま「信頼回復」へと繋がるかは未知数だ。 

 

デイリー新潮編集部 

 

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