( 150485 )  2024/03/18 23:01:07  
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大久保愉一被告(45) 

 

 難病のALSを患う女性に依頼され殺害した罪などに問われ、5日に京都地裁で懲役18年の実刑判決を受けた大久保愉一被告(45)について、被告の弁護人が18日、判決を不服として大阪高裁に控訴しました。 

 

 医師の大久保愉一被告(45)は、知人の元医師・山本直樹被告(46)とともに、2019年、全身の筋肉が衰える難病・ALSを患う林優里さん(当時51)から依頼を受け、薬物を投与して殺害した嘱託殺人の罪のほか、2011年には山本被告の父親を殺害した罪にも問われています。 

 

 裁判で大久保被告は、林さんの嘱託殺人について起訴内容を認める一方、「林さんの願いを叶えるために行ったこと。目の前で困っている林さんを放っておくことができなかった」などと述べ、弁護側は「林さんの選択・決定を否定し、個人の尊厳と自己決定を保障する憲法13条に違反する」などとして無罪を主張。山本被告の父親の殺人についても「やっていない」と主張し、全面的に争っていました。 

 

林優理さん(遺族提供) 

 

 これに対し、一審の京都地裁は5日、林さんへの嘱託殺人について、「社会的相当性は到底認められず、真に被害者のためを思って犯行を及んだとは考え難く、利益を求めた犯行」と指摘。山本被告の父親の殺害についても、診断書を偽造していることや山本被告とのメールのやり取りなどから、山本被告らと共謀の上で殺害したと認定した上で、「生命軽視の姿勢は顕著で強い非難に値する」として、大久保被告に対し懲役18年の実刑判決を言い渡していました。 

 

 共犯の山本被告も裁判で無罪を主張していますが、林さんの嘱託殺人について、去年12月、京都地裁に懲役2年6か月の実刑判決を言い渡され、その後、判決を不服として控訴しています。父親の殺害についても、大阪高裁は今月6日、大久保被告らとの共謀を認定した上で、一審に続き懲役13年を言い渡しています。 

 

 

 
 

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