( 150925 ) 2024/03/20 00:27:01 0 00 岸田首相と面会後、記者団の質問に答える日銀の植田総裁(19日午後、首相官邸で)=川口正峰撮影
19日の東京金融市場では、円安・株高が進んだ。日本銀行が大規模な金融緩和策を転換すれば、金利が上昇して円高・株安になるとの見方もあったが、市場は真逆の反応を見せた。日銀が市場に向けて、政策変更に前向きな姿勢や、変更後も緩和的な金融環境を続けることを事前に示唆していたのが大きい。
19日午後0時半過ぎ、日銀がマイナス金利政策の解除を発表すると、マーケットは即座に反応した。東京外国為替市場で1ドル=149円台前半だった円相場は、数分で約50銭も円安・ドル高に振れ、夕方には150円台半ばをつけた。
東京株式市場でも、午前は値下がりしていた日経平均株価(225種)が、円安に釣られる形で上昇に転じ、終値は約2週間ぶりに4万円台を回復した。
市場が着目したのは、日銀が発表した声明文のうち、「当面、緩和的な金融環境が継続する」と明記された部分だ。
日銀は2月以降、植田和男総裁や内田真一副総裁らがマイナス金利政策の解除を示唆してきた。内田氏は2月の講演で、「マイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げしていくようなパス(道筋)は考えにくい」と踏み込んだ。
日銀が事前のメッセージ通りに動いたことで、市場には安心感が広がった。SMBC日興証券の太田千尋・投資情報部部長は、「日銀の事前のコミュニケーションによる市場への『地ならし』が功を奏した」と評した。
|
![]() |