( 151992 ) 2024/03/23 01:06:31 0 00 吉幾三さん(C)日刊ゲンダイ
裏金にハレンチ懇親会とスキャンダル続出の自民党から、また醜聞が飛び出した。今回は、顧客が企業に対し理不尽なクレームをする「カスタマーハラスメント」だ。問題の言動をとったのは、安倍派の長谷川岳参院議員(北海道選挙区=当選3回)である。
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発覚のきっかけは、歌手の吉幾三さんが19日に投稿したユーチューブ動画だった。吉さんは「(飛行機内での)態度が非常に横柄な国会議員がいる」と発言。昨年5月の動画でも、実名を伏せたうえで飛行機内で客室乗務員(CA)への言葉遣いが乱暴な議員がいることを明かしていた。今回は当時の動画を見た匿名の現役CAからの手紙を紹介。手紙に長谷川氏の名前が記されていることから、問題が明るみに出たのだった。
手紙によると、長谷川氏が搭乗時の対応の注意点として〈枕は2つ用意する〉のだという。さらに、発着の遅延については〈鬼の首を取ったような言い方でクレームされます〉と書かれているから、典型的なカスハラとしか思えない。
これに、21日午前時点でSNSは大炎上。すると、長谷川氏は正午過ぎに長文ブログを投稿した。詳細は割愛するが、長谷川氏は機内で発言する際に「3つの原則」に従うそうだ。その1つは「(機内アナウンスで)正確な情報を伝えているか」。要は“発着が遅れた原因をゴマカさずにアナウンスしろ”と言いたいようだ。機内でCAに発言したことがあるとも明かしている。全体を読むといかにも言い訳がましく、さらなる炎上を招いたのだった。
確かに、大幅な遅延は問題ではある。だからといって、CAに横柄な態度をとっていいわけではない。一体、どういうつもりなのか。日刊ゲンダイ記者は21日、本人を直撃した。
長谷川氏は参院の「地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会」の委員長を務めている。委員会終了後、委員会室から出てきた長谷川氏に名刺を渡すと「あーっ、こんにちは。質問? どうぞどうぞ」と気味が悪いほどの愛想の良さ。直撃を予見し、横柄さを隠しているようにも見えた。
大げさな身ぶり手ぶりで説明する自民党の長谷川岳参院議員(C)日刊ゲンダイ
吉さんの動画について聞くと、手紙の信憑性にこう疑問を呈した。
「手紙に〈枕は2つ〉と書いてますが、私はこの3年間、枕なんて頼んだことはないんですよ。基本的に飛行機の中で寝ませんので。(匿名のCAが)現職なのか、本当に本人なのか確認が必要じゃないですかね……」
高圧的な発言については「してないです」と否定。ところが「発着の遅延の理由についてCAに何か言ったのでは」と聞くと、「遅延の理由が真実と違う場合、それは堂々とご指摘させていただかないといけない」と言い、こう続けた。
「実際に過去、機内で『管制の出発許可が下りていません』とアナウンスがあったのですが、外を見るとまだ荷物を積んでいる。それだと、出発許可を待つ前の段階で全く事実と違う。で、『何でこんなこと言ってんの? 違うじゃん』とは突っ込みますよね、当然。『あなたのアナウンスは違うよ』『こういうことはやっちゃダメだよ』ということは念を押しながら言いました」
こうした突っ込みや念押しを過去に何度も繰り返したとも明かした。その言動がCAにとって高圧的に映った可能性がある。その点を問うと「僕は名古屋弁なんで。突っ込みが(CAに)どう聞こえるか分かりませんが、一般的な声量だったと認識しています」。「CAの受け止め方の問題か」と聞くと、「それはあると思う」と言い放った。最後まで、発言が不適切だとは認めなかった。
議員バッジをつけた男に「あれはダメ」「これはダメ」と突っ込まれたCAが、どう感じるか想像もつかないのだろうか。日刊ゲンダイ記者の直撃に笑みを浮かべ、不自然なほど大げさな身ぶり手ぶりで説明した長谷川氏は、携帯電話を握りしめた左手が小刻みに震えていた。本当にカスハラの認識はなかったのか。まだ説明が尽くされたとは言い難い。
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