( 152066 )  2024/03/23 13:27:16  
00

日本では大谷翔平選手の結婚が大きな話題となっているが、アメリカでは彼の奥さんについてあまり報道されていない。

一方、国民的歌姫のテイラー・スウィフトの熱愛報道が盛り上がっており、彼女の人気やプライベートに注目が集まっている。

大谷翔平の奥さんである元バスケットボール選手の田中真美子さんが結婚前に引退していたことも話題となっており、彼女の将来について憂慮する声もある。

アメリカと日本では、有名人の奥さんの扱いや女性のライフスタイルに違いがあり、アメリカでは女性の成功や活躍が憧れの対象とされている。

岩瀬昌美氏は、真美子さんに女子バスケットのコーチやアンバサダーとしての活動を勧め、彼女が女性の権利や女子スポーツの支援をすることで、世界中の女性から尊敬される存在になれる可能性を指摘している。

(要約)

( 152068 )  2024/03/23 13:27:16  
00

AdobeStock 

 

 大谷翔平選手を巡るニュースで連日盛り上がっている日本だが、在米34年・在ロサンゼルス28年で、現地で広告代理店を経営している岩瀬昌美氏は「アメリカでは全く奥さんのことを報じられていない」と話す。 

 

 その根底には、日本的に「正しい」とされる奥さん像と、アメリカ的に「正しい」とされる奥さん像に大きな乖離がありそうだ。米国・ロサンゼルスで経営者としてしぶとく生き抜いてきた日本人女性として、田中真美子さんに送るメッセージとはーー。 

 

 ちょっと前までは、日本ではロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手の奥さんのニュースでいっぱいでしたね。テレビのワイドショーも、スポーツ新聞も、ネットも……。一方、こちらアメリカでまともに報じられているのは「大谷が結婚した」というところまでです。 

 

 LA TIMESやCNNでも報じられてはいますが、あくまでも単発的でサラっと触れるだけで、日本のように号外までは出ていません。私はあまり見ないですがゴシップ誌とかでは今後取り扱うのかもしれませんが……。 

 

 大谷結婚の話題よりもアメリカでは国民的歌姫テイラー・スウィフトの熱愛報道の方が盛り上がっています。テイラーはグラミー賞を12回受賞しており、レコード業界団体の国際レコード産業連盟が発表した、「2023年に世界で最も楽曲が売れたアーティストランキング」で、2年連続4回目の首位に輝きました。 

 

 その絶大な人気から一挙手一投足が注目されているわけですが、彼女のボーイフレンドは今年のアメフトNFL優勝決定戦「スーパーボール」で勝利したカンサスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー選手。2人の熱愛が発覚したのは昨年秋ですが、いまだにありとあらゆるメディアで取り上げられています。 

 

 2月には日本でもテイラーのコンサートが開かれましたが、終了後すぐに自分のプライベートジェットに乗って米国に戻り、彼氏のスーパーボウルの試合を観戦しました。NFLによるとテイラー・スウィフトによる経済効果は3億3100万ドル(500億円)だそうです……。 

 

 

 さて、大谷選手の結婚を見てふと疑問に思うのが、奥さんの正体として報じられた元バスケットボール選手の田中真美子さんが結婚する前に引退していたことです。大学生時代にユニバーシアード日本代表に選ばれた実力者であるのに……。本人は引退時、その理由について「本当にいろいろあるんですけど……これ以上難しいかなって」と語っていましたが、やっぱり大谷選手と結婚することも引退の理由の一つだったのだろうかと気になってしまいます。 

 

 テイラーはケルシー選手と結婚したとしても、エンターテーナーであり続けるだろうとは思います。絶対歌手を辞めないだろうな、と。今のアメリカ人女性にとっては、テイラーのような「何もかも手に入れる女性」というのは憧れの対象なんです。因みにテイラー・スウィフトのコンサートでは観客は男性より女性の方が多く、会場の男性トイレがこの時だけは女性トイレになることもあります。それくらい、女性を惹きつける存在なのですね。 

 

 アメリカにも有名人の奥さんになって専業主婦で幸せにくらすという人はいます。が、Z世代の女性は、そういったライフスタイルには興味を示していません。どんなパートナーがいても自分は自分らしく、自分の人生は自分でつくるーー。日本でも人気のジェニファー・ロペスも、MLBニューヨーク・ヤンキースの元スター、アレックス・ロドリゲス選手と婚約していましたし(その後破棄)、マライヤ・キャリーも同じく元ヤンキースのデレク・ジーターと交際していました。が、誰も自分のキャリアを捨てようとはしませんでした。そして男性も成功した女性をパートナーにしています。 

 

 一方日本では、大谷選手の奥さんの真美子さんが、5000円のバッグを持っていることですら、話題になっていました。 

 

 勿論、こんな些細なことはアメリカでは「ニュース」として取り上げられるほどのことではありません。しかし日本では、その事実からわかる真美子さんの質素さ、立派な旦那さまの3歩後ろを歩くような生き方について称賛するコメントをしている人が多数おり、私は少し日本が心配になってきました。 

 

 彼女がとても素敵な女性ということは日本のTVを見ていてもわかります。でも若干27歳で結婚の1年前に自分のキャリアもインスタも捨てて、大谷選手の奥さんというアイデンティティだけで、日本人女性の平均寿命89歳までの残り60年を生きていくのは、同じ女性としてあまりおすすめできません。 

 

 

 さて、今のところ米国のニュースに真美子さんはあまり登場していませんが、今後もないかと聞かれると、(彼女がニュースに取り上げられたいかどうかは別にして)チャンスはあります。 

 

 アメリカでは、お金持ちになった人の「暗黙ルール」として、寄付やボランティアで社会貢献することが求められます。同じくロサンゼルスに20年以上住む私が真美子さんにおすすめしたいのは、プロバスケットボール選手だった経歴を活かし、地元ロスで女子バスケットのコーチあるいはアンバサダーになることです(もしこの記事を真美子さんが読んでいたら、適切な人につなぎますので私までコンタクトください)。 

 

 NBAロサンゼルス・レイカーズのスーパースターであった、故コービー・ブライアントも、リタイア後は男性スポーツでなく、女性の権利のために女子スポーツの強力なアンバサダーになりました。娘が四人いたことも影響したのでしょう。 

 

 日本の方からは「アメリカは男女平等で羨ましい」と言われますが、実際のアメリカも本当の男女平等は実現できていません。例えばNBA選手と女性のWNMBA選手のサラリーは40倍も違います。ここで真美子さんが、例えば貧困層が多く住んでいるカーソン地区などで女子バスケチームを設立してコーチもしたら、きっと米国中の女性から憧れを持たれるような女性になれるだろうと思います(本人が望んでいるかは別にして)。テイラーのように、世界中の女の子の憧れになることは間違いありません。 

 

 ポルシェに乗る大谷選手に対して、5000円バッグを身に着けていることにより「日本的美しさ」を称賛されるのではなく、自分で稼いだお金で、エルメスやシャネルなどのブランドバッグを持ち歩くことで、日本だけではなく世界中の憧れの女性になってもらいたいな、と私は勝手に思っています。 

 

岩瀬昌美 

 

 

 
 

IMAGE