( 152578 ) 2024/03/24 23:20:27 0 00 日本維新の会の令和6年定期党大会でガンバローコールをする馬場伸幸代表(右から2人目)ら=24日午後、京都市下京区(渡辺恭晃撮影)
日本維新の会が24日の党大会で決定した活動方針には、次期衆院選で野党第一党の座に就くという目標が明記された。世論調査での維新の支持率が野党第一党・立憲民主党を上回るケースもあることから、現実味を帯びたプランと受け止める向きもある。ただし、立民の「地力」は決してあなどれない。維新にとって目標の実現には高いハードルが待ち受けている。
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維新の馬場伸幸代表は党大会でこう力説した。野党第一党となった維新と与党・自民党が競り合う政治状況を思い描いた発言にほかならない。
維新は近年、選挙のたびに堅調に党勢を拡大している。令和3年の前回衆院選では公示前の11議席から4倍近い41議席へと躍進し、昨年春の統一地方選では地方議員を600人以上に増やすという計画をクリアした。
ただ、3年衆院選の戦果をみると、立民と維新には大きな開きもある。
まず、維新には選挙区で勝ち上がることができた候補が極めて少ない。当選者41人のうち選挙区を制したのはわずか16人にとどまり、残る25人は比例復活当選に甘んじている。立民は選挙区当選57人、比例復活39人で、党としての力の差は歴然としている。
当選者の得票に対する他候補の得票の比率「惜敗率」に目を向けると、比例復活当選者の質の違いも浮き彫りになる。
立民は惜敗率90%台が31人、80%台が8人で、70%台以下はいなかった。これに対し、維新は90%台1人、80%台2人、70%台4人で、残る18人は60%台以下だ。40%台以下に限っても8人に上り、大半の復活当選者が選挙区当選者に詰め寄ることができなかったことが分かる。
低い惜敗率で復活当選を果たせたのは、候補者数に対して比例代表の獲得議席数が多かったことなどに起因する。党の看板に頼ってバッジをつけることができたというのが実相で、「自分の票」を積み上げて勝利した候補とは選挙戦での足腰の強さが全く異なる。
次期衆院選では、派閥パーティー収入不記載事件の影響で自民党への厳しい逆風が予想される。
立民を支援する産業別労働組合(産別)の選挙担当者は「惜敗率が90%台や80%台の復活当選者は、追い風さえ吹けば選挙区での勝利も見えてくる。立民が大幅に議席を増やすことは可能だ」と皮算用を巡らせる。自民に対する批判票を立民と奪い合う展開になった場合、地力が劣る維新が苦戦する可能性は高い。
一方で、維新内には「敵」は立民ではないという声も根強い。党関係者は「自民支持層を切り崩して票を積み増していく。立民支持層を引きはがすわけではない」と語った。(松本学)
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