( 152993 ) 2024/03/25 23:42:56 0 00 ロシアの首都モスクワ郊外のコンサートホールで発生したテロを巡り「ウクライナや米国が背後にいる」との主張をプーチン政権が拡散させている。国民の怒りや不満の矛先を政権からそらし、ウクライナ侵略を正当化する思惑があるとみられる。米国はテロ直後にウクライナの関与を否定しており、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は猛反発している。
【図表】ロシアと、ウクライナ・欧米の報道の違い
「捜査が終わるまでは、キーウを正当化(擁護)するワシントンの言葉は全て証拠と考えるべきだ」
24日、モスクワの裁判所に移送された容疑者(中央)=ロイター
露外務省のマリア・ザハロワ報道官は24日、SNSにこう書き込んだ。首都名でウクライナと米国を名指しし、イスラム過激派組織「イスラム国」がテロを実行したとする米国の見方にくってかかった。プーチン露大統領は23日の演説で「(実行犯が)ウクライナに逃亡しようとした」とウクライナが関与した可能性があったかのような発言をしている。
露国内では、極端な主張が飛び交う。露政府系テレビ「RT」のサイトは24日、「背後にはウクライナ国防省情報総局がいる。これを隠すため、米国は『イスラム国』犯行説を流している」との識者の解説を報道した。
派手な宣伝は政府の意向を反映しているようだ。独立系メディア「メドゥーザ」は23日、露大統領府が国営メディアなどに対し、テロとウクライナをつなぐ「痕跡」を探すよう指示したと報じた。
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