( 153453 )  2024/03/27 12:59:10  
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自民党二階派の解散を記者会見で発表する同派会長の二階俊博元幹事長(中央)、武田良太元総務相(右)、林幹雄元経済産業相(左)=東京都千代田区の砂防会館で1月19日、竹内望撮影 

 

 自民党は4派閥が解散を決定したことで、党内の景色は様変わりし、議員たちは浮足立っている。 

 

【写真まとめ】「お前もその年が来る」「ばかやろう」 二階氏の会見 

 

 解散する二階派(志帥会)では、強い磁力を発して派を束ねてきた、会長の二階俊博元幹事長が25日、次期衆院選不出馬を表明したことで、一気に不安定な状況に陥りそうだ。 

 

 二階氏、林幹雄元経済産業相、武田良太元総務相、中曽根弘文元外相の4人は、1月の解散決定後も、派閥メンバーと当選回数別に会合を開いてきた。 

 

 東京・赤坂のホテルにある中華料理店で2月28日にあった会食には、この4人と閣僚経験者ら数人が参加した。二階派事務総長の武田氏が、派閥の裏金事件の経緯を説明するため、衆院政治倫理審査会に出席する前日だった。武田氏は「政倫審に明日出ます。これまで話してきたことを話すので、大丈夫です」と断言した。 

 

 雑談が多く、派閥メンバーの今後については話題にのぼらなかったという。出席したベテラン議員は「二階派をどうするかという話をすると思ったが、何もない。参加しなければよかった」と苦々しげに語った。 

 

 二階派は岸田文雄首相と距離を置き、非主流派の立場を続けている。二階氏は85歳。バッジを外すのならば、別の誰かが結集軸になり得るのか。同派解散後を想定して、武田氏を中心にメンバーを再結集しようとする動きがある。武田氏が主導権を握ることを嫌う議員たちは対抗し、二階氏と「反武田」の枠組みを作れないかと画策する。武田氏を警戒する同派幹部は「二階派に総裁候補はいない。武田氏について行くのは若手だけだろう」とけん制する。 

 

 武田氏は、萩生田光一前政調会長、加藤勝信元官房長官とも連携しており、3人は頭文字を取って「HKT」と呼ばれる。いずれも菅政権で閣僚を務め、菅義偉元首相に近い。菅氏は3月1日、HKTの3人と小泉進次郎元環境相と会食した。 

 

 無派閥ながら首相となった菅氏には、自身を支える議員グループがある。二階氏と同じく非主流派に位置し、首相の政権運営に不満を持つ。「ポスト岸田」の候補では、河野太郎デジタル相、小泉氏、石破茂元幹事長らが念頭にあるようだ。ただ、菅氏はかねて麻生太郎副総裁と距離がある。河野氏は存続が決まっている麻生派に所属する。菅氏は脱派閥を主張してきたこともあり、次期総裁選で河野氏を支援するかは定まっていない。小泉、石破両氏も、議員の支持が広がるかは未知数だ。 

 

 菅氏周辺は「麻生氏や茂木敏充幹事長とケンカできるのは菅氏しかいない。菅氏が決めた人物が総裁になる、という形にしようと環境整備をしている」と明かし、菅氏がキングメーカーとして積極的に関与することに期待を寄せる。 

 

 

 
 

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