( 153575 ) 2024/03/27 15:17:33 2 00 高まる「半導体」の世界的需要…日本の〈再参入〉に世界から熱視線が向けられる「特殊な事情」【専門家が解説】THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) 3/27(水) 9:02 配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/321e78132a392daaa414653ea097cb5e557bbb36 |
( 153578 ) 2024/03/27 15:17:33 0 00 (※写真はイメージです/PIXTA)
絶望の淵に立たされていた日本の半導体産業が、ここにきて大復活を遂げつつあります。その要因として、「天の時」「地の利」「人の和」が味方をしていることが挙げられると、株式会社武者リサーチ代表の武者陵司氏は言います。いま、日本の半導体産業を取り巻く状況について詳しく見ていきましょう。
【画像】「30年間、毎月1ドルずつ」積み立て投資をすると…
[図表1]企業国籍別半導体シェア
[図表2]国・地域別半導体生産シェア
[図表3]半導体メーカー国籍別シェア、生産シェア(2021年)
数年前まで日本の半導体産業は世界のマイナープレーヤーに過ぎないと、誰もが考えていた。「技術者はいない、先端技術ははるか前に失われた、半導体を支える需要もない、半導体企業のチャレンジ精神もない」、無いないづくしであった。
しかし今、誰もが夢にも思っていなかった大投資ブームが起きている。その牽引車は半導体の受託生産で世界最大手の台湾企業「TSMC」による熊本工場の始動である。2月に第1工場が完成したのに続いて、6ナノメートルの先端半導体を生産する第2工場の建設も決まり、第3工場も視野に入っている。
これまでに決まった投資総額は3兆4,000億円、日本政府は1兆2,000億円の補助を約束している。熊本県ではこの投資ラッシュにより土地は値上がりし、人不足から賃金は上昇、交通渋滞が起きるなどブーム状態である。
更に北海道千歳では先端半導体の国産化を目指すラビダスの工場建設が始まり、キオクシア・ウェスタンデジタル(北上・四日市)、マイクロンテクノロジー(広島)、サムスン(横浜)等、すでに4兆円の政府補助が決められている。
この投資規模と迅速さは、米国、中国、韓国、ドイツなど各国政府が進めている半導体産業支援の中でも先頭を走っている。国の支援を追い風に、半導体メーカーだけでなく、装置メーカー、材料メーカーなど関連各社が投資を拡大し産業連鎖の好循環が起きつつある。
米中対立を原因とする政府主導プロジェクトを世論が歓迎
この半導体ブームは周知のように、米中冷戦という地政学環境の変化が起点となっている。世界サプライチェーンからの中国排除という米国の筋書きに従い、日本産業復活が進行していると言うことである。東アジアにおけるハイテク製造業のハブは、30年前に日本から中国、韓国、台湾に移った。これが日本に戻ってくるというイメージがほぼ確かになっている。
この日本政府主導による力ずくの半導体育成が功を奏するのだろうか。余りにも時期尚早ではあるが、3つの要因により勝機は大きいと判断される。
第一は日本の決意と懐具合である。日本政府には巨額の含み益、言わば埋蔵金がある。日銀のETF投資収益が株価の値上がりにより30兆円を超えている。また米国財務省証券保有による膨大な為替益がある。保有残高1.1兆ドル、1ドル110円での取得だとすると、150円で44兆円の巨額の為替換算益があると計算される。これらは政治の判断一つで起死回生の国家プロジェクト資金としてすぐにでも投入できるものである。
米国やドイツなどでは国による半導体産業支援に対する批判があり建設はスムーズではないが、失地回復を切望する日本の世論は政府のイニシャティブを熱く支援している。この政府とそれを支援する世論を「人の和」とすれば、「天の時」、「地の利」も日本の半導体産業復活に味方しそうな形勢である。
「天の時」とは、世界の半導体需要が加速期に入っているということである。調査会社オムディアの南川明氏は、世界半導体需要成長トレンドが過去の7%から10%へと上昇シフトシフトへしていくと予想している。DX/GX関連投資に対して2030年までに世界全体で750兆円(DX250兆円、GX500兆円)と言う巨額の政府支援が予想されており、世界的に半導体需要が加速することが背景にある。
これにチャットGPT等AI革命による需要ひっ迫が加わる。エヌビディアが一手に供給するGPUは品不足に陥り価格が急騰している。オープンAIのサム・アルトマンCEOはこの需要に対応するために、5~7兆ドル(過去累計半導体投資額の5~7倍)と言う天文学的半導体投資が必要だとして、政府と投資家に協力を呼び掛けている。今後3年間でデーターセンターのコンピューティング能力を3倍に高める必要があるとされている。それは電力需給をひっ迫させるので、省電力化のために更なる半導体需要が出てくる。
PC、スマホも需要回復へ
短期循環的にも、2023年の半導体ミニ不況からの立ち上がりがはっきりしてきた。SIA(米国半導体工業会)は世界販売額が2023年526.8億ドル(前年比8.2%減)から2024年には600億ドル(13%)に回復する、と予測している。車載用半導体の伸びに加えて、長らく低迷していたパソコン、スマホの買い替え需要が、AI化による機能向上により大きく高まりそうな気配である。
[図表4]半導体関連世界市場規模と世界シェア(2021年)
日本が世界の半導体投資の要になりそうな「地の利」も重要である。半導体技術のブレークスルーがこれまでの前工程でのウェハーの平面微細化から、日本が得意な後工程の3D化、組み立て技術にシフトしていくからである。
過去40年間続いてきた1.5年で2倍と言う集積度の高まりをムーアの法則と言うが、平面の微細化は物理的限界に達しつつある。これからは異なる複数のチップを一つのパッケージとして組み込み複合化することで高機能化がすすめられる。これをチップレットと言うが、そのカギは後工程にある。
日本はプロービング、ダイシング、ボンディング、モールディング等後工程の製造装置に強い上に、素材では世界シェアの5割を占めており、チップレット化に求められる技術要素を世界で一番蓄積している国と言える。
TSMCは海外で唯一日本(筑波)に開発拠点を設けているが、それは日本の後工程技術に着目しているからである。またサムスンは横浜に研究所を建設中だが、その狙いも日本に集積している後工程技術の確立にある。日本が世界の後工程技術のハブになる可能性が高まり、それが日本におけるハイテク投資ラッシュを引き起こしつつある。
需要構造変化は主役交代を引き起こすことが多い
過去半導体産業は製品の深化とともにリーディングカンパニーが変わってきた。半導体需要が民生用エレクトロニクスと大型メインフレームコンピュータ主体であった時の覇者日本は、パソコン、スマホ主体の時代に完全に流れから取り残された。しかし今後、AIとIOT、DX/GXが半導体の主力需要先になり、大量の汎用品が求められる時代からASICs(用途別半導体)が必要とされる時代となった。
パソコン、スマホ時代の勝者インテル、サムスンが安泰ではいられなくなる時代である。この新時代は、先端半導体に再参入を目指す日本にとっては、願ってもない有利な条件と言える。
苦節30年の賜物
このように米中対立のみならず、「天の時」、「地の利」があるからこそ日本の半導体産業復活が展望できる。関係者の皆様の苦節30年の努力に敬意を表したい。
武者 陵司
株式会社武者リサーチ
代表
武者 陵司
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( 153577 ) 2024/03/27 15:17:33 1 00 - パンデミックやロシアのウクライナ侵攻により、日本を含む西側諸国は自国の生産力不足を痛感した。
- 半導体生産は分業が主流であり、日本は受託製造工場に重点を置いているが、知的生産部分やアーキテクチャの開発など、知的権利を持つ部分も重要な要素である。
- 日本は再び外からの刺激を取り入れて再スタートを目指すべきだという声もある。
- 安価で汎用性の高い半導体の生産力は世界との競争力の源泉であるとの意見もある。
- 日本政府には埋蔵金があるが、その活用には慎重さが求められる。
- 日本の半導体産業における課題や国際競争力などについての懸念も示唆されており、今後の展望について様々な見解がある。
(まとめ) | ( 153579 ) 2024/03/27 15:17:33 0 00 ・パンデミックやロシアのウクライナ侵攻で日本を含めて西側諸国が痛感したのは、自国での生産力のなさ。 日本企業じゃないのが面白くないという人もいるかもしれないが、日本国内で生産することには一定の意味がある。 キヤノンも半導体製造装置の新工場を国内に作ったことだし(昔はカメラなど違うものを作ってた場所)、日本国内で滞っていたダイナミクスが、半導体をきっかけに少し動き出したということだけでも、うれしい限り。
・半導体生産は分業が主流である。特にロジックICと呼ばれる頭脳中枢の先端コントローラICは、自動車のように企画から販売まで同じ企業がするものではない。その中で、日本が金を注いでいるのは工賃で動く受託製造工場である。今後後工程にも拡大していく。しかし、話題がでないのは、半導体企画、開発のいわゆる知的生産部分である。知的権利を持ち付加価値もそこからでる。 コントローラは、ソフトに連携するアーキテクチャの開発など頭脳駆使の世界。米欧が世界を牛耳るが、技術者はインド、中国、東欧出身者が多い。 しかし欧州の動きは製造より、知的な戦略に向いているようだ。英国アーム社はRISK方式で世界に君臨する半導体ライセンス企業だが、ソフトバングの資本が入っているため、RISK-Vという新しいアーキテクチャをバルセロナ大学に投資して発展させようとしている。日本が受託製造に投資しているのとは対照的な動きである。
・いやはや時代の流れを感じる記事。
熊本や北海道に雇用が創出されることは嬉しいし、色々相乗効果が生まれるのも嬉しい。
ただ昔はその関係が逆だったんだよなぁ・・台湾にしても韓国にしても、ほとんどの製品は日本製品の劣化版という時代があったんだよな。そんで各国は日本企業が誘致されるのを喜んでた。
一方で昔は、日本は低賃金を求めて海外に展開したんだけど、今回は地政学的なリスク分散がメインなので、状況は少し違うけど。
いずれにしても、日本は再び外から良いものをどんどん取り入れて再スタートを目指す時期になったということは間違いない。
「日本の企業じゃないじゃないか!」っていう発言は日本は未だに世界のトップであるべきだというプライドからくる発言だと思うけど、いったんプライドは捨てて、海外から得られるものはとことん取り入れて、そんで再スタートの準備をすればいい。
・最先端じゃない、廉価版と揶揄されても 安価で汎用性の高い半導体でも 大量に生産出来る工業力は世界と戦うのに 頼もしい稼ぎ頭にはなる、と思う。
安価で汎用は最強。
・量子メモリが実用化されれば、省電力化が推進され、 究極の量子ビットを量子スピンとして保存する。 量子コンピューターも実用間近であり、これらを組み合わせることで消費電力は大幅に減少させることが可能になる。
・挫折した事業を半導体産業の時間軸で考えてありえないほど長い間をおいての再スタートである。TSMCはファブレスの世界最強最先端企業を君臨してきた企業であるから、ともかくとして他は何をもくろんでやっているのか、理解ができないところである。コスト競争開発スピード競争をしながら、巨額の開発費や生産設備への投資が重い負担になり、多くの会社がいろいろな生き残りの仕方を選択した。ここに来て、世界的需要だといって再スタートを切ってもすぐには効果も出ず、いつまでたっても実績が上がらなく、しびれを切らしてさじを投げるという悪夢が繰り返されるのではないか?半導体は日本人には向かいない産業である。世界は一歩引きながら日本の様子を見ているのではないか?これにも血税が使われており、万博と同じ安易な責任のない体制で進んでいるように思える。これはあくまでもTSMCを除いての話だが。
・PCはOS切り替え需要はありそうだがスマホのAI特需は無いだろうなあ。 そもそも端末本体にAI機能を付加する必要性は低い。 半導体特需は端末需要が増えなくても減ることないので暫くは安泰だろう。
・>日本政府の埋蔵金 日銀のは規模が大きいので簡単に処理できません。例えば以前日銀が、銀行株4兆円余りを処分した時も10年とかのスパンでした。政治判断で、とかそんな素人考えの短期間でできるものではないです。そんなことしようものなら市場の混乱を招きます。 政府保有の米国債は、迂闊に売れば為替操作国に認定されます。かつて処分したのは、東日本大震災の復興費用だけだったかと。
>日本が得意な後工程 嘘です。 日本は利益が薄いとして次々に後工程を手放しました。 後工程は、人件費が安いところに工場を建てる流れがあり、東南アジアが代表的なエリアです。 日本国内企業だと、少し古い情報ですがアオイ電子くらいでしょつか、名前があがるのは。
・半導体産業及び先端技術の経済防衛への重要性を認識してイニシアチブをとってきたのは、甘利さん等ではなかっただろうか。キックバック等で騒がしている自民党ではあるが、悪いところばかり見て批判するだけでは無く、良いところは評価すべきだと思うな。
・しかし、半導体生産工場を作りかけた段階で35年ぶりの日経平均が更に41000円タッチとは恐ろしいほどのレバレッジだ。 それも外人さんが買い主体。 昔とは内容が大きく異なる。
・カネを使って工場を建てればよいというものではない。理系教育も必要だろう。特に大学、研究機関への投資が鍵だと思う。教育の荒廃は国を亡ぼすからだ。
・「サムスンは横浜に研究所を建設中だが、その狙いも日本に集積している後工程技術の確立にある」 ⇒岸田さん、大丈夫か?サムスンが作った後工程の技術確立の研究施設に政府支援。おかしくないか? レーザー照射不問、徴用工言うがまま、徴用工日立問題不問、ホワイト国復活、安倍さんが嫌いで韓国大好きでは日本は成り立たない、あなたの支持率が低い原因は、ここですよ。
・日本独自の半導体じゃないね、台湾の半導体の工場が熊本に来たからだけの話、人の手柄を自分自身の手柄の様に言うのはどうなんでしょうか?例の日の丸半導体はどうなったのか?ちんやりしてるんじゃないの?
・今や日本の半導体なんて下請けだの前時代のものばかりですよ…。 台湾企業の最先端ではない工場を誘致したくらいで歓喜している今の日本…本来ならば日本が世界にやってこそでしょうが…
・全く期待してなかったラピダスだけどジム・ケラーを引っ張ってきたので少し期待してる。あとは上手く活かせればいいのだけど…
・日本は能力はある。製造能力はJSMCで得られるだろう。 さらに設計能力が必要だ。
・兎と亀。日本は30年間も居眠りしたので亀達にあらゆる分野で抜かれている。 目が覚めたと思ったら老化著しい浦島太郎。 果たしてどうなります事やら
・まだ始まったばかりなのに、予想をたてすぎ。静観できないものかな。賢い人が出てくることを祈る。
・投資益を一切、国民に還元しないところがすごいな。バイトの時給が上がって喜んでるくらいの国民性だから仕方ないか。
・もう5年くらいしたらEUVを必要としない5nmクラスの品物は作れて当たり前になってそう
・何れにして日本は超長期下落トレンドは素人でもわかる。 例外が有るとすれば大軍備拡張
・自分が捨ててきた産業が大きく花開いたのをこういうタイトルで目眩しするのウケる
・> 日本政府には巨額の含み益、言わば埋蔵金がある。 国民には一円も使われません
・トランプが返り咲いてちゃぶ台返しにならん事を祈る。
・チャンスはものにして欲しいね
・円安が後押ししてるのかな。
・ものづくりの国から世界の下請け工場へ。
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