( 154178 )  2024/03/29 14:01:55  
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人生初の車は「レクサス」に決めています。年収360万円なのですが「残クレ」で購入するのは危険ですか? もう少し貯金を頑張るべきでしょうか? 

 

人気車種の「レクサス」を手に入れたいけれど、高級車のため手が出せずにいる、という人は一定数いるでしょう。しかし、通常のローン支払いは厳しくても「残クレ」なら手が届く、という場合もあります。 

 

本記事では年収がまだ高くない状況でローン支払いを残クレにしてしまって大丈夫なのか、解説していきます。 

 

▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた! 

 

残クレとは「残価設定型」のクレジット払いのことです。 

 

車両本体価格の一部を「残価」として据え置き、残りの金額を毎月支払っていくタイプのクレジットになります。 

 

例えば3年間のクレジットで300万円の車を買い、残価を100万円にした場合、差し引き200万円を3年間毎月クレジット払いして、3年経った時点で残価の100万円を支払う、といったものが残価設定型クレジットになります。 

 

残価を支払うほかに、買った車を下取りに出して新しい車に乗り換えて残クレを継続する、買った車を返却して残価と査定額の差額を払うという方法もあります。査定額と残価が同じであれば追加の支払いはありません。 

 

残クレには通常のクレジットと比べたメリットとデメリットがあるため、それぞれを解説します。 

 

■メリット 

残クレのメリットは、月々の支払額が安くなることです。 

 

レクサスを一括払いや一般のクレジットでは買えないという場合でも、残クレであれば手が届くこともあります。また、残価が決まっているため、下取り価格が下がらないという点もメリットです。通常の下取りの場合、新しいモデルが登場するなどがあると、下取り価格が下がってしまうことがあります。 

 

残クレであれば、最終の支払い時までに大きな事故や損傷がなければ、あらかじめ決まっていた残価で下取りしてくれます。そのため数年で車を乗り換えたいという場合には便利です。3年~5年の契約期間が終了した時点で車に問題がなければ、そのまま下取りに出して新たに残クレを組んで新車に乗り換えることもできます。 

 

■デメリット 

残クレの一番のデメリットは、利息の影響で総支払額が通常のローンよりも高くなってしまうことです。残クレは通常のローンよりも金利が高いことが一般的であり、利息は残価部分にも発生するため、利息の支払い総額が高くなる傾向にあります。 

 

加えて、車のメンテナンスを怠ったり、車に傷やへこみがあったりすると、下取り価格が残価を下回ることがあり、その場合は下取り価格と残価との差額を請求されてしまいます。 

 

また、残クレの契約期間終了時に、残価を払わない場合は車を返却します。再販の際の価値を下げないために月間または年間の走行距離に制限がかけられ、車のカスタマイズは禁止されているのが一般的です。 

 

さらに、事故により車両が破損した場合、残価から実際の下取り額を差し引いた差額分を支払う必要があります。 

 

もう1つ注意が必要な点として、残クレの契約期間が終了しても、残価分を払えなければ車が自分は自分のものにはならず、返却しないといけない点です。これらデメリットを考慮したうえで、残クレを利用するかどうかを考えましょう。 

 

 

レクサスの価格帯は、新車でおよそ450万円~2000万円。中古車販売サイトで公開されている中古車だと40万円台からとなっています(2024年3月23日時点)。 

 

現在、新車の生産が停滞しているため、品薄の人気車種だとメーカーの希望小売価格よりも中古車の価格のほうが高いという場合もあります。 

 

残価設定にした場合、レクサス購入時の支払いはどうなるのかをシミュレーションしていきます(2024年3月23日時点)。 

 

新車で「UX UX300h “version C” 2WD」を買う場合、本体価格は税込480万3000円です。 

 

仮に60回払いで頭金0円、ボーナス払い20万円とすると、初回支払額3万6065円、月々の支払額は3万4500円、最終回の支払額が182万5140円になります。 

 

残クレは、数年で新しい車に乗り換えたいと考えている人には向いています。最終回の支払額は大きいですが、車を返してしまえば残価分の支払をする必要がないからです。 

 

しかし、万が一事故にあった場合は、残価と実際の下取り額の差額を支払う必要があります。そのため、残クレで買う場合は自賠責保険とは別に、必ず車両保険に入るようにしましょう。 

 

ただし、残クレは月間または年間の走行距離に制限がかかり、車のカスタマイズは禁止されているのが一般的なので、長距離運転や車を自分仕様にしたいという人には向いていません。 

 

また、毎月のローン支払いは安くなりますが、利息の支払い総額が通常のローンより高くなる点に注意してください。車を返却せずに自分のものにしたい場合は、最終回の支払いまでに残価部分の金額を準備する必要があります。 

 

しかし、3年後~5年後までに必要金額を用意すればいいので、必要な額が貯まるまで車の購入を我慢する、という必要はないのはメリットといえそうです。 

 

出典 

トヨタ 残価設定型プラン 

LEXUS レクサスオーナーズローン ローン支払い額シミュレーション 

資源エネルギー庁 石油製品価格調査 

 

執筆者:沢渡こーじ 

公認会計士 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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