( 155103 ) 2024/04/01 13:08:27 0 00 突然、自身の派閥を解散すると宣言した岸田総理。その裏には意外な計算があったのだという
自民党派閥の政治資金パーティーの裏金問題を巡って、衆参両院で政治倫理審査会が開催された。しかし、弁明に立った安倍派幹部は「知らなかった」「慣行に則った」を繰り返し、真相解明には至らず、批判は収まらなかった。各社の世論調査でも岸田政権の支持率は2割台と低迷したままだ。
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業を煮やした岸田文雄総理(66)は3月26日、裏金問題に関与した安倍派幹部の聞き取り調査を自ら行い、
「党の執行部として聞き取り調査を行っている。今の段階で内容について申し上げることはできない」
と官邸で述べた。ついに重い腰を上げた岸田総理だが、その裏にはしたたかな狙いがあるという。全国紙政治部記者は「安倍派幹部を処分することで4月の訪米と併せて支持率回復につなげるつもりではないか」と指摘し、こう続ける。
「パーティー券のキックバックを止められる立場にいながら何もしなかった、と安倍派幹部の4人には『選挙における非公認』以上の厳重処分が下される予定です。不記載額が少なかった中堅・若手議員には役員停止や戒告の軽めの処分となる見込み。4月中旬に行われるアメリカ訪問では、バイデン大統領との日米首脳会談や議会で演説が予定されています。そこで再び存在感を示したいというのが岸田総理の狙いでしょう」
訪米に先立ち、4月1日には安倍派幹部への処分が発表される見通しだ。「選挙での非公認」の処分となるのは、座長の塩谷立元文科相(74)、事務総長だった下村博文元文科相(69)、西村康稔前経産相(61)、世耕弘成参院幹事長(61)の4名とみられている。
自民党には党規律規約があり、党の規律や品位を汚す行為を犯した議員は党紀委員にかけられ、処分が下される。処分の種類は、
①除名、②離党勧告、③党員資格の停止、④選挙における非公認、⑤国会及び政府の役職の辞任勧告、⑥党の役職停止、⑦戒告、⑧党則順守の勧告
の計8種類の処分となっている。
4氏には「選挙における非公認」の処分が下され、残りの松野博一前官房長官(61)、萩生田光一前政調会長(60)、高木毅前国対委員長(68)の幹部3人は、当時会長だった安倍晋三元総理がキックバックをやめるよう指示した幹部会合などに出席していなかったこともあり、配慮が必要として「役職停止」で調整中だ。
塩谷氏ら4人に「非公認」の処分が下れば、次の選挙で無所属での出馬となる。自民党の看板が使えず、公認料もない。比例への重複立候補ができないために選挙区で敗れれば復活当選もなく、そのまま落選となる。
政治家にとって最も大切な選挙について、党からはなんの支援もしないという厳しい処分を科したかに見える。しかし、安倍派の中堅議員は「実情はそうではなく4月の衆院3補選の前の見せかけだけのケジメだ」と語り、こう説く。
「小泉総理が行った郵政解散のように同じ選挙区で自民党の別の公認候補と血みどろの争いをするわけではない。自民党の候補は『空白』で、野党の候補を打ち破って選挙区で勝ち上がれば追加公認される運びだ。
萩生田氏ら残りの3人の幹部はすでに党の役職などから退いており、『役職停止』だけならば、形式的な処分となる。岸田総理が自ら聞き取りを行い、厳しい処分を断行した、という政治的なパフォーマンスを演じたいのだろう」
実際に、幹部たちが選挙を勝ち上がる可能性は極めて高い。安倍派ベテラン議員が語る。
「自民党が政権与党でいられるのは、選挙に強い候補者を公認するから。西村氏は『清和会一の選挙の鬼』と目され、普段から秘書に地図のコピーを手渡し、『この地域をまわって』と戸別訪問させる。他党のポスターが門扉に貼ってあっても、チャイムは鳴らさせ、家族全員がその政党の支持者か否かなど詳細な報告を課すほど選挙区固めに余念がなく、自民党の看板がない無所属候補でも問題なく勝ち上がるだろう。高齢で選挙が弱い塩谷座長が危ない、と目されているが、他の幹部は戻ってくるだろう」
自民党の議員はスキャンダルが発覚しても、選挙で生き残れば「禊は晴れた」とし、居座ってきた。今回も一見すると厳しい処分も内実では恩情ある沙汰であった。次の選挙後もいつか見た光景が繰り返されるのだろうか。
取材・文:岩崎 大輔
FRIDAYデジタル
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