( 155173 )  2024/04/01 14:22:27  
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惨めでした…月収42万円・中小勤務の46歳サラリーマン「同窓会でポツン」会社自慢が止まらないエリート同級生、その隣で覚えた虚無感 

 

厚生労働省から令和5年の『賃金構造基本統計調査』の結果が発表され、最新の会社員の給与事情が明らかになりました。そこでは企業規模による給与格差が明らかに。みていきましょう。 

 

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初々しい新入社員の姿が目につく季節。一方でさらに来春に向けた就職活動も本番といったところ。 

 

――社会なんて何も分からないなか、必死になっていたよなあ 

 

そんな風に、当時のことを思い出して、しんみりしているサラリーマンも多いのではないでしょうか。株式会社SynergyCareer/「就活の教科書」が24年卒の学生に行った『就活生の嘘に関する実態調査』によると、「就活中に嘘をついたことがある」と回答した学生は59.3%。「話のどれくらいが嘘だったのか」と尋ねると、「10%」が13.9%、「30%」が13.0%、「20%」が12.0%。平均して話した内容の「22.7%」が嘘でした。 

 

嘘で固めるというよりも、ちょっと嘘をついた、ちょっと話を盛った、といったところでしょうか。 

 

 

 

・志望度は低かったが、面接時に「御社が第一志望です」と答えた(官公庁・公・団体入職予定、男性) 

 

・「弊社が内定を出せば、うちに決めますか?」という問いに対し、「もちろんです」と選考を受けたすべての会社に答えた(大手メーカー業入社予定、女性) 

 

・本当は他の会社から内定をもらっているが、内定は持っていないと偽った(大手メーカー業入社予定、男性) 

 

・模試の結果を盛った(大手サービス業入社予定、女性) 

 

・数年やっていないことを趣味や特技にした(官公庁・公・団体入職予定、女性) 

 

※エピソードより一部抜粋 

 

46歳、都内の中小企業に勤務するサラリーマンも、当時の就職活動を振り返り「嘘に嘘を塗り固めた」と話すひとり。 

 

――就職が特に厳しいときだったから、とにかく必死だった 

 

――面接のときはもちろん、まわりの同級生にも本音を見せなかった 

 

誰もが認める、いわゆる一流大学に進学したにも関わらず、就職活動では苦戦。大手企業の選考は進まず、手詰まり状態だったと男性。周囲には「あえて、中小企業志望」と嘘をいっていたといいます。 

 

――中小企業のほうが幅広い仕事ができて成長できる 

 

――会社の成長に直接関われてやりがいがありそう 

 

――大企業だと自分の実績が見えづらい 

 

――大企業は色々な人がいて人間関係が面倒くさそう 

 

 

こうして選んだ都内の中小企業に内定が決まり、それから20年ほどの時が経ったころ、高校の同窓会の便りが来たといいます。当時、学年主任だった教師が定年を迎えるにあたり、地元に残る有志が企画したもの。地元を離れて20年。すっかり距離ができた同級生に、それほど会いたいとは思わなかったとはいいますが、お世話になった恩師が定年を迎えるのだから、と参加を決めたといいます。 

 

同窓会に参加した後日、「参加しなければよかった」とポツリ。 

 

――すごく惨めな気持ちになった 

 

と振り返ります。 

 

・100人近く集まった同窓会だった 

 

・自分と同じく東京の大学に進学→大企業に就職した同級生がいた 

 

・誰もが知る超一流企業。とにかく会社と給与の自慢話が止まらない 

 

・自分は広い同窓会会場でポツンとひとりで。彼の自慢話に耳を傾けただけだった 

 

・何で自分は「中小企業がいい」とうそぶき、大企業にこだわらなかったのか…… 

 

まわりが「お前、本当にエリートだな」と囃し立てられる大企業勤務の同級生を横目に、20年以上も前の就職活動を思い出し後悔する……そんな1日だったと振り返ります。 

 

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマンの平均給与は、月収で35.0万円、年収で569.8万円。また大卒・中小企業勤務のサラリーマン(平均年齢45.1歳)の平均給与は月収が36.1万円、年収が544.5万円。それに対し、大卒・大企業勤務のサラリーマン(平均年齢43.2歳)の平均給与は月収43.4万円、年収が749.0万円。 

 

平均給与で考えると、46歳・中小企業勤務の男性は、月収42.0万円、年収648.4万円。一方で同窓会で主役だった同級生は、月収49.2万円、年収で848.8万円。月収では7万円ほどの差も、年収では200万円近い格差に。 

 

さらに大学卒業以来、ずっと中小企業で勤務した場合と、ずっと大企業で勤務した場合の生涯年収を比べると、およそ3,000万円弱の差が生じます。地方であれば家が買えてしまう差が付くわけです。 

 

 

 

【年齢・企業規模別「サラリーマンの給与」の推移】 

 

20~24歳:24.7万円(368.5万円)/23.3万円(324.8万円) 

 

25~29歳:29.2万円(515.5万円)/27.0万円(405.6万円) 

 

30~34歳:34.9万円(615.9万円)/29.9万円(462.3万円) 

 

35~39歳:40.7万円(735.4万円)/33.9万円(525.5万円) 

 

40~44歳:46.0万円(795.3万円)/37.5万円(578.5万円) 

 

45~49歳:49.2万円(848.8万円)/42.0万円(648.4万円) 

 

50~54歳:55.5万円(958.8万円)/43.1万円(650.2万円) 

 

55~59歳:56.8万円(976.9万円)/44.4万円(661.5万円) 

 

60~64歳:39.1万円(644.5万円)/37.2万円(540.9万円) 

 

※数値左より、大企業勤務の男性の月収(年収)/中小企業勤務の男性の月収(年収) 

 

大企業と中小企業、埋まることのない給与差。仕事はお金じゃないと言い聞かせても、「なぜ、自分は中小企業を選んだのか……」と、男性はいまさらながら虚無感に襲われているといいます。 

 

[参考資料] 

 

株式会社SynergyCareer/「就活の教科書」『就活生の嘘に関する実態調査』  

 

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』 

 

 

 
 

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