( 156368 ) 2024/04/05 00:38:14 0 00 財務省の正門=東京・霞が関で、赤間清広撮影
財務省は4日、国債の想定金利が2025年度以降に更に1%上昇した場合、国の借金である国債の利払い費が33年度に従来見込みよりも8・7兆円増えるなどとする試算を公表した。3月の日銀による金融政策の変更を受けた対応。「金利のある世界」が現実味を増す中で、持続可能な財政運営が課題となる。
同日開いた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会で示した。
同省は2月、3%の経済成長を見込むケースで、国債の想定金利が27年度に2・4%に上昇し、国債の償還と利払いを合わせた国債費が34・2兆円に達するとの試算を公表。24年度に9・7兆円を見込む利払い費は、27年度に15・3兆円に膨らむとしてきた。更なる金利上昇を見込んだ今回の試算では、現行水準と同じ約30兆円の新規国債の発行が続く想定で、27年度の利払い費は従来見通しよりも3・2兆円増えるとした。
33年度については従来見通しでは利払い費などは24・8兆円としてきた。今回の試算を踏まえると、利払い費は30兆円台になる計算だ。
金利上昇による利払い費の増加は、徐々に進むのが特徴だ。低金利下で発行した国債の償還にあわせて、高い金利の国債に借り換えるためで、金利上昇による財政への影響は長期化する。
分科会終了後に記者会見した増田寛也会長代理(日本郵政社長)は「金利上昇による利払い費の増加が、財政悪化につながるということは共有されている。今後の日銀の政策も注視しつつ、財政運営の目指すべき方向性を提言したい」と述べた。財政審は提言を5月にも取りまとめ、政府の経済財政運営の指針「骨太の方針」への反映を目指す。【加藤美穂子】
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