( 159824 )  2024/04/14 23:56:56  
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定番の「牛焼肉定食(プレーン)」は690円から790円に値上げ。写真は「鬼おろし」(100円)をつけたもので、890円に 

 

 松屋フーズは4月2日から一部商品について、一律100円の値上げを実施した。対象商品は「牛焼肉定食(プレーン)」690円から790円、「カルビ焼肉定食(プレーン)」730円から830円、「キムカル丼(並盛)」590円から690円など6品目。値上げ理由は、「原材料価格の高騰や光熱費、人件費、配送費、包材費などの上昇」「為替変動の影響」だという。このご時世、値上げは仕方ないというムードもあるが、定番商品のいきなりの100円幅の値上げに、松屋ファンたちからは残念がる声も上がっている。 

 

【表】2024年4月2日に価格改定された主なメニュー 

 

 IT企業勤務の30代男性・Aさんは、学生時代から牛丼チェーン店なら「松屋推し」で、社会に出てからもよく利用していたが、ここ最近は「あまり行かなくなった」という。 

 

「松屋といえば定食という印象が強く、うまトマハンバーグ定食や牛焼肉定食が好きです。これまで『値上がりしてもまだ安い』と思って通っていましたが、1年前(2023年2月)に牛焼肉定食に大根おろしが付かなくなり、100円(以下、価格はすべて税込み)で別売りになったのはショックでしたね。大根おろしが必要な人には実質値上げです」 

 

 Aさんは今回の値上げを知り、「個人的に“松屋離れ”が加速しそう」だと話す。 

 

「うまトマハンバーグ定食は830円。10年ちょっと前は580円くらいだった記憶があるのに、ほぼ1.5倍です。牛焼肉定食も同じくらいの値段だったと思うんですが、今回の値上げで790円。大根おろし込みで今や890円です。価格帯がファミレスに近いレベルになってきました。もちろん松屋には松屋しかない魅力があるけれど、徐々に足が遠のきそうです」(Aさん) 

 

 ファンならではの複雑な気持ちを抱える人もいる。メーカー勤務の40代男性・Bさんは、今回のカルビ焼肉定食やキムカル丼の値上げに、ショックを隠せない。 

 

「カルビ焼肉定食は頼むことが多いメニューなので、今回の値上げはショック。昔はよく頼んでいた『カレギュウ』のように、手が出にくいメニューが増えました。昔は並盛で500円台だったのに、今では並盛で830円、80円の半熟卵を追加すると910円ですからね。まあ、今のご時世、まだまだ外食のなかでは安い方なのかもしれませんが」(Bさん) 

 

 とはいえ、「松屋から離れるつもりもない」というBさん。「シュクメルリ鍋定食」をはじめ、期間限定の定食メニューの存在が大きいという。 

 

「松屋でシュクメルリなど、世界各国の名物を食べるのは結構楽しいんですよね。とはいえ、行く頻度は減るだろうなと思います。もはや松屋は、そうした限定メニューの時だけ行くお店になるかもしれません」(Bさん) 

 

 

 商社勤務の40代男性・Cさんは、「もう牛丼チェー店は安くない。昔が安すぎたのかもしれないけど」と言いつつ、なかなか変化についていけないでいるようだ。 

 

「牛丼チェーン店の売りの『安い』が失われつつありますよね。なんとなく、私のなかで牛丼チェーン店の“壁”となる価格は700円なんですが、それ以上のものが多くなりました。 

 

 牛めしが400円で死守されたことは評価できるとはいえ、定食メニューを見ると800円台が多く、1000円を超えるものまであり、まだまだ頭がついていきません……。それでも、ランチセットは牛めし、生野菜、みそ汁で500円のワンコインで提供時間も延長、モーニング定食も290円からとまだまだ魅力的です。かしこく利用したいと思います」 

 

 安くておいしい料理を提供してくれている牛丼チェーン店だが、断続的に続く値上げにファンも複雑な思いを抱いているようだ。(了) 

 

 

 
 

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