( 160124 )  2024/04/15 23:30:23  
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円安再加速“防衛ライン突破”悲鳴も 外国人客「買い物天国」 為替介入の可能性は? 

 

 ドルに対する円安が歴史的な水準となっています。「防衛ライン」とみられていた152円を突破し、153円台前半にまで下落しました。再び加速し始めた円安で、多くの人や店に影響が出ています。 

 

【画像】ピンチ!ステーキ店「もうつぶれそう」1750円→4180円 想定外の円安に悲鳴も 

 

 鉄板の上でおいしそうな音を立てる牛肉のハラミステーキ。今、このステーキがピンチを迎えています。 

 

ヌーベルバーグ 清水恒章オーナー 

「もうつぶれそう」 

 

 東京・墨田区にあるヌーベルバーグは、ステーキとハンバーグがメインの店です。創業18年のこの店では、ステーキにアメリカ産の牛肉を使っていますが、記録的な円安の影響で、12年前と比べて仕入れ値が3倍になっているというのです。 

 

清水オーナー 

「クオリティーがある程度あって、安く手に入っていたのが、もうどこもアメリカ産なんて安くは買えない」 

 

 12年前と現在のメニュー表を比べてみると、300グラムのステーキは1750円だったものが、4180円と倍以上の値段になっています。 

 

清水オーナー 

「単純にお客さんが離れちゃいますよ。値上げが原因で離れる人もいたり。あとは昔を知っていて、こんなに高かったかなと、メニュー見て驚いて帰る人もいる。仕入れもこんな状況なんだと伝えようにも伝えられない。ジレンマですね」   

 

 300グラムのステーキが1750円だった2012年5月の円相場は、1ドル=79円台。しかし、先週は1ドル=153円台と、34年ぶりの円安水準になりました。 

 

 影響はまもなくやってくるゴールデンウィークにも及んでいます。「今月下旬から夫婦でハワイ旅行に行く」という30代女性は、想定外の円安に悲鳴を上げています。 

 

女性 

「円高になることはないだろうとは思ってはいたんですけど、さすがに150円以上になるというのはあまり想像してなかった」 

 

 女性は海外旅行が趣味で、年に1回はアメリカなどに旅行するといいます。今回の旅行を決めた1ドル=140円半ばだった1月から、10円も安くなってしまいました。 

 

女性 

「節約は必要になると思っています。昔はシーフードの店に行って、お酒飲んでみたいなふうにしてはいたんですけど、今ちょっとさすがにそこまでぜいたくできないと思う」 

 

 今回は、楽しみにしていたレストランの予約も諦めることに。節約を余儀なくされたそうです。 

 

 

 一方で、日本を訪れる外国人観光客にとって、日本は「買い物天国」となっています。 

 

アリゾナ州在住・ミズーリ州在住の人 

「(Q.日本での買い物はお得?)はい、円安なので。アメリカからの観光客にとって、良いことです。ご覧の通り、たくさん買いました」 

 

カリフォルニア州在住の人 

「腕時計を買いました。500ドル分お得でした。日本で1400ドルだったとしたら、アメリカで1900ドルになります」 

 

 さらに、国内でもドルを持っている人にとっては、円安の恩恵があります。   

 

 都内にある外貨両替所に話を聞いたところ、月平均150人ほどがドルから円の両替に訪れますが、今月は15日までに130人を超える人が両替に訪れているといいます。     

 

 香港企業の日本支社で働く20代の男性は、ドルで支払われた給料をこのタイミングで円に両替したそうです。 

 

会社員 

「僕は日本円を購入しました。買い物したり、色んなことしたり。すぐ換えました」 

 

 男性は「今後為替介入によって、円高になる可能性がある」と聞いて、急いでドルを円に換えたそうです。 

 

 果たして、本当に為替介入はあるのでしょうか?   

 

 鈴木俊一財務大臣は11日、「行き過ぎた動きに対しては、あらゆるオプションを排除することなく、適切に対応していきたい」と語っていました。   

 

 政府が介入する防衛ラインは「1ドル=152円」とみられていましたが、すでに超えています。 

 

野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 

木内登英氏 

「先週は152円を超えて、153円台に入った時は、岸田総理がアメリカ訪問していて、日米首脳会談の日でもあったので、為替介入はアメリカは基本的に嫌う。この日はやっぱりできなかったのでは。ただ、そういう制約は今はない。(為替介入は)いつ行われてもおかしくない」 

 

 (「グッド!モーニング」2024年4月15日放送分より) 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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