( 161883 )  2024/04/21 01:10:58  
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ロシア文化フェスティバルの概要 

 

 ロシアのウクライナ侵攻が続く中、日ロの文化交流を巡り賛否の声が出ている。22日に東京で開幕する「ロシア文化フェスティバル」について、在日ウクライナ大使館はロシア政府の情報戦の一環だと批判。日本政府は同フェスを問題視せず、中断していた日ロ間の文化交流も一部再開する方針だが、ロシアへの反発が根強いことに神経をとがらせる。ロシア、ウクライナ両国と交流する関係者からは戸惑いの声が漏れる。 

 

 「行かないでください」。ウクライナのコルスンスキー駐日大使は15日、駐日ロシア大使が出席して同フェスが開かれるとして、X(旧ツイッター)にこう投稿。18日には同フェスはロシアと敵対する西側諸国を弱体化させるための「計画の一部だ」と批判した。 

 

 同フェスは、日ロ交流の拡大に向け2006年に始まり、道内を含む各地で音楽や演劇など多数のイベントを開催。ロシア国営タス通信は20日、22年2月の侵攻後も同フェスに計70万人以上の観客が訪れたとの関係者のコメントを伝えた。 

 

 今年の主催はロシア外務省などで、両国の文化関係者が各地でコンサートなどを予定。かつては日本政府も同フェスを後援し、元首相らが日本側の組織委員長を務めた。 

 

 日ロ両国が関わってきたイベントだけに、ロシアの侵攻を受けるウクライナ側には、プーチン政権が文化交流を対ロ批判を弱めるプロパガンダ(政治宣伝)に利用しているとの不信感が強い。コルスンスキー氏は16日のXへの投稿で「ロシアはまず音楽家を送り、次に軍隊を送る」と皮肉った。 

 

 関係者によると、ウクライナ側は今回、日本政府に同フェスへの関与を確認。日本側から「政府は無関係で財政支援もしていない」と回答があったという。 

 

 日本政府は対ロ制裁やウクライナ支援を続けており、外務省幹部は同フェスについて「ただのイベント。政治と文化は別だ」と強調する。政府は日ロの人的・文化交流などを今年から「適切な範囲で実施」する方針。隣国として一定の交流を維持し、ロシア側で過度な反日感情の高まりなどを避ける狙いだ。 

 

 

 
 

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