( 162569 )  2024/04/23 02:14:29  
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「頂き女子りりちゃん」と名乗っていた渡辺被告(YouTubeより) 

 

「頂き女子りりちゃん」に判決です。被害額は1億5000万円以上。詐欺の罪などに問われている女に判決が言い渡されました。 

 

 

 黒のTシャツ姿で法廷に現れた女。男性3人から現金1億5000万円以上をだまし取った罪などに問われている、25歳の渡辺真衣被告です。 

 

 午後2時。傍聴人で満席となった法廷。証言台に立った渡辺被告に言い渡されたのは―― 

 

 「主文 被告人を懲役9年 罰金800万円に処する」(裁判長) 

  

 主文が言い渡されたあと、渡辺被告は”過呼吸”とみられる症状となり、一時裁判が中断する異例の状況となりました。 

 

渡辺被告との実際のやり取り 

 

 「大嫌いというか、憎しみしか残っていない。ただ、だまし取った金を全額返せというだけですね」(被害にあった50代の男性) 

 

 強い口調で憤るのは、茨城県内に住む50代の男性です。 

 

 去年、男性がマッチングアプリを通じて知り合った相手が渡辺真衣被告でした。 

 

 自身のYoutubeチャンネルで「頂き女子りりちゃん」と名乗っていた渡辺被告。 

 

 起訴状などによりますと、渡辺被告は、自身が勤務していた風俗店やマッチングアプリで知り合った複数の男性たちに好意を抱かせ、「知人に借金がある」「アパレル会社を設立した借金がある」などとうそを言い、あわせて1億5000万円以上をだまし取った、詐欺などの罪に問われています。 

 

被害にあった50代の男性 

 

 去年4月、男性(50代)が渡辺被告と初めてのデートで訪れた茨城県内のカフェ。 

  

 「マッチングアプリの写真よりはかわいい。ギャルっぽいと思いました。わりと気さくにしゃべる子だな」(被害にあった男性) 

 

 1つのかき氷を2人でわけあって食べました。別の日には、ドライブデートで遠出もしたといいます。花や木に囲まれる公園で手をつないでデートを楽しみました。 

 

 「当時は本当に付き合っているという印象だったから楽しかったです」(被害にあった男性) 

 

 男性は食事などデートを重ね、次第に渡辺被告に惹かれていました。そして、お互いに「好き」と言い合う仲になったといいます。 

 

 「からだを気遣うというのかな。そういうところが重なって好きになっていきましたね」(被害にあった男性) 

  

 やりとりを重ねる中で、渡辺被告が男性にこう漏らします。 

 

 「親と不仲なんだ。これまでの養育費として親との手切れ金が必要」(渡辺被告) 

 

 被告からの”悩み”を聞いた男性は2回にわたって、合わせて800万円を渡辺被告に指定された口座に振り込みました。 

  

 「高いけれども『出してもいいよ』と」(被害にあった男性) 

 

 

渡辺被告との実際のやり取り 

 

 さらには―― 

 

 「にまんはむりだよね」「けいたいとまる」「いちまん」「たすけて」 

 

 経済的に困窮している様子をほのめかしてきたといいます。 

 

 「被告の『いただきマニュアル』じゃありませんけど、“あめとむち”の使いわけみたいなところで、やっぱりこう気持ちが付かず離れずみたいな感じで、同せいとかそういう話も一応したら、向こうも一応了承をしたので、それでまたあめを与えて、むちを与えてみたいな感じですかね」(被害にあった男性) 

 

 求めに応じ、定期預金や生命保険の解約金で渡辺被告に現金を渡し続けた男性。 

 

 男性は、あわせて約3800万円を渡していました。 

 

 渡辺被告と知り合ってから、わずか4カ月あまりでの出来事でした。 

 

 「利息なんてけち臭いことは言いませんけど、きっちり耳をそろえて返してもらいたいだけですね」(被害にあった男性) 

 

渡辺真衣被告(廷内スケッチ) 

 

 去年8月、詐欺ほう助の疑いで逮捕された渡辺被告。 

 

 詐欺の罪などでの起訴後、メ~テレの取材に対し、「だまし取ったお金は、生活費を除いて、すべてホストクラブに使い込んだ」と話しています。 

 

 その後、開かれた裁判で、起訴内容を認めた渡辺被告。 

 

 検察側は「遊ぶ金欲しさの極めて短絡的で身勝手なものなどとして懲役13年、罰金1200万円を求刑しました。 

 

 そして22日の判決公判。 

 

 名古屋地裁は「被害者らの男性心理を手玉に取り、その好意につけ込む誠に狡猾な犯行である」などとして、渡辺被告に懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡しました。 

 

 主文が言い渡されたあと、渡辺被告は”過呼吸”とみられる症状となり、約4分間裁判は中断。 

 

 「判決言い渡し」は異例の状況をたどりました。 

 

 

 
 

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