( 165098 )  2024/04/29 16:22:58  
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Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 29日の外国為替市場で円相場が急反発している。対ドルで160円台を付けて34年ぶりの安値圏を更新した後、一時155円台まで上昇。市場では日本の通貨当局による円買い介入への警戒感が高まっている。 

 

円は午前に対ドルで一時約1%以上下落し160円17銭をつけた後、2%以上上昇して一時155円台まで反発した。日本銀行が先週末の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定し、日米金利差に着目した円売り・ドル買いが続く中、日本が休場で流動性が低く値動きの幅が大きくなりやすい環境だ。 

 

政府・日銀の円買い介入への警戒が根強い中、神田真人財務官は29日、足元の為替の急変動に関して「今はノーコメント」と省内で記者団に語った。 

 

みずほ証券金融市場部の大森翔央輝チーフデスクストラテジストは、円相場の変動について、「実際の介入というよりは、ゴールデンウィークで取引が減少した市場環境によってボラタイルになっていることが背景だろう」との見方を示し、「ここ数日の動きが速すぎた。160円と159円50銭近辺で投資家が利益を確定した可能性がある」と語った。同氏は、アルゴリズム系のアカウントなどによるポジションが市場の動きに影響しているとみる。 

 

三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、実際に介入に入ったかどうかはわからないとしつつも、市場の介入警戒感は強いため、「今後も円高に触れるたびに介入への思惑が出て、ボラタイルな相場が続くことが想定される」と話した。 

 

インフレ低下に大きな進展がない米国では米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退。ドル買いに拍車がかかる中、5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に加え、政府・日銀による円買い介入の有無に市場の注目が集まっている。 

 

クレディ・アグリコルCIBシニア外為ストラテジスト、デービッド・フォレスター氏(シンガポール在勤)は、円相場が大きく下落していた際に、市場は引き続き財務省の介入の本気度を試しているが、「財務省も今週のFOMCを前に、準備金を無駄遣いしたくないだろう」との見方を示していた。 

 

 

--取材協力:Michael G Wilson. 

 

(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Yumi Teso, Issei Hazama 

 

 

 
 

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