( 166378 ) 2024/05/03 01:46:52 0 00 東京都中央区の日本銀行本店(川口良介撮影)
日本時間2日早朝の外国為替市場で円が急伸する場面があり、政府と日本銀行が円買いドル売りの為替介入に動いたとの観測が再浮上した。3兆円台規模とみられる。直前には米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、主要政策金利の据え置きを決定。低金利政策をとる日本との金利差が開いたままとなる中、当局と投機筋の攻防は長期戦にもつれ込む可能性もある。
【写真】一時1ドル=153円台を付けた円相場を示すモニター
■4円超も駆け上がる
円が急騰したのは、同日午前5時過ぎ。短時間で1ドル=157円台半ばから153円近辺へと、4円超も駆け上がった。
日銀が同日夕に公表したデータから、東短リサーチでは「2日に3兆円台の介入があった」と推計する。政府・日銀は1ドル=160円台に突入した4月29日にも、5兆円規模の介入をしたとされる。5月3日から大型連休の後半に入る前の早朝、ニューヨーク市場が閉じる前の取引量が減るところを捉え、電撃的に介入に踏み切った可能性がある。
FRBはこの直前、主要政策金利の誘導目標を2001年以来の高水準である5・25~5・5%で維持することを決めた。金利の据え置きは6会合連続。
■FRB「タカ派化回避」に追い打ち
パウエル議長は記者会見で「今年に入ってからインフレのデータは予想を上回っている」としたが、インフレの鈍化は進むとの見方を示し、次の政策変更で景気をさらに抑制する利上げに踏み切る「可能性は低い」と明言した。
パウエル氏の発言について、ある市場関係者は「想定していたような(利上げに積極的な)タカ派化が回避された」と指摘。やや円高ドル安に傾いたタイミングで、追い打ちをかけるように円買い介入が再発動された可能性があるという。
2日午後5時時点の円相場は1ドル=155円台半ばと、前日夕から2円超の円高方向で推移。日本の当局は介入の有無を公表せず「覆面介入」を繰り返している可能性があり、市場は疑心暗鬼に陥っている。(米沢文、ワシントン 坂本一之)
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