( 167836 )  2024/05/07 17:10:30  
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 中学受験の志望校選びにおいて重要なのは進学実績だけではない。欲を言えば、「進学実績がよく、そのうえで伝統校であってほしい」と思う保護者も多いだろう。 

 

 学歴研究家のじゅそうけん氏は「24年度の入試で昨年の29人から36人へと東大合格者数を躍進させた筑波大附属中高は、実績と伝統が両立する名門校です」というーー。聖光学院編、市川学園編とあわせた短期連載の第3回。 

 

 高等師範学校の流れを汲んだ、120年の歴史を持つ伝統校である筑波大附属中高。OBOGに各界の著名人が多いことや、秋篠宮悠仁さまが通われていることで話題に上ることも多い本校だが、全国屈指の進学校であることでも知られている。 

 

 実は1970年代には東大合格者を100名輩出した年もあり、近年渋幕や西大和が台頭してくるまでは、本校が「共学で日本一」とも言われていた。 

 

 黄金期と比べると、進学実績でやや物足りなさを感じる昨今だが、とはいえかなりのポテンシャルを秘めていることは間違いない。本記事ではその強さの秘訣に迫っていきたい。 

 

「大学のような感じでしたね。受験のサポートは最低限という感じで、受験指導は予備校に頼るのが基本でした」 

 

 卒業生はこのように語る。特に高校以降はかなり自由であり、学習管理や受験対策は生徒個人に任せられるようになるという。 

 

 授業は予備校のような一方通行型ではなく、参加型のアクティブラーニング的なスタイルが取られる。源氏物語をひたすら掘り下げていく授業や、大学レベルの物理学を高校生相手に展開する授業もあるという。確かに、まるで大学の講義のようだ。 

 

 ただ、明確な目標や興味分野がある生徒にとっては理想的な環境とも言えるが、何をやりたいか定まっていない人にとっては漫然と時間が流れていってしまう可能性もある。そういった方はもう少し面倒見の良い「管理型」の学校に進学した方が良いかもしれない。 

 

 実際、学校の授業だけでは受験対策として十分とはいえず、東大クラスの大学を狙う人はこぞって鉄緑会などの塾に通うのが定番のようだ。典型的な「受験勉強は外で」のスタイルである。 

 

じゅそうけん 

 

 

 
 

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