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日本の40代以上は、円安やインフレに備えるために、お金の勉強を始めるべきだとアドバイスされています。

食料品など必要なものにお金を使い、投資にも取り組むことが重要とされています。

初心者は少額から投資を始めて経験を積み、新NISAなどの制度を活用することも提案されています。

ただし、投資でお金を稼ぐことは簡単ではないため、リスク管理が必要です。

ジム・ロジャーズ氏は健康を維持するために運動や好きなことをすることの重要性を説いており、幸せを感じることが成功につながると述べています。

投資に関しては市場の動向を注意深く見守り、暴落が近づく兆候を見逃さず対応することが重要だとしています。

(要約)

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写真・図版:プレジデントオンライン 

 

 ──歴史的な円安や30年ぶりのインフレの中、これまであまりお金の勉強をしてこなかった日本の40代以上は今、どう行動すべきでしょうか? 

 

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 できるなら日本以外の場所に引っ越すことですね。日本での残りの人生は良いものにはなりませんから。 

 

 なぜなら40年後、日本は幸せな場所ではなくなっているはずで、それに備える必要があります。もしあなたが日本に留まるとしたら、困難な時代への備えが必要です。できるだけお金を貯め、お金について学ぶ必要があります。お金の知識は、本来誰もが学ぶべき人生の基本的な教養なのです。 

 

 ──日本人がお金についてもっと学ぶには、何からスタートすべきですか? 

 

 ほとんどの人は、お金を使い、お金を貯め、お金を投資し、経験することで学んでいきます。少額からでもやってみるといいでしょう。 

 

 例えば、私たちは皆、食料品店への行き方を知っていますし、何をどう買うか知っているでしょう。でも、そこで必要のないものを買う人はお金を貯められない。だから、本当に必要なものにだけお金を使い、あとは貯める。私は今も昔もずっとそうです。 

 

 日本は昔から貯蓄率が高く、今もその点は評価できます。でも貯蓄のみならず、投資についてももっと学んでください。そうしないと、日本は良くなることはありません。 

 

 投資を学ぶためには経験してみることが大事ですが、事前によく調べて、自分がわかるものに投資することが大切です。よくわからないうちに、投資しすぎるのはよくないですよ。テレビで誰かが、「株をたくさん買え」と言ったからといって、むやみに投資するようなことはやめるべきです。 

 

 特に初心者は、もし100円持っていたら、50円とか30円分だけ買ってみればいい。まずは少額から投資して勉強し、余剰資金があれば状況が悪くなったとしても、投資を継続することができます。 

 

 ──これまであまり投資をしてこなかった人が今年から始まった新NISAにトライする場合、どんなことに気を付けるべきでしょうか? ジムさんならどんな商品を選びますか? 

 

 まず新NISA口座を持っていないならすぐ開設しておくべきです。私ならすぐに使わなくても口座だけは開き、タイミングを見て投資を開始する準備はしたいと思います。政府が実施した新NISA政策は、日本国民にとって良い政策であり、実行すべきものですから。自分が良いと思うタイミングで、しかるべき株式のインデックスを見つけて、投資をすればいいでしょう。 

 

 ただ、断言できるのは、投資でお金を稼ぐということは思ったほど簡単なことではないということです。 

 

 歴史上、さまざまな国が税金控除で株式市場に投資を促すという政策を試してきました。それによって人々は投資にお金を回すようになるでしょう。ですから、新NISAのような政府の対策が発表されたら、少なくともしばらくの間は市場を上昇させます。 

 

 しかし注意しなければならないのは、こういう政策は高揚感や高すぎる相場につながることが多いということです。だから、もし昔は一切興味がなかった人たちが株の話をしているのを見かけたら、バブルはもう始まっている。 

 

 日本市場が今すぐに崩壊するとは思っていません。しかしどこかで市場は買われすぎて、過剰になり、必要以上に株価が上昇し、やがて崩壊します。 

 

 

 ──2024年2月に日経平均がバブルの最高値を超え、3月にはついに4万円を突破しました。ご著書『大暴落』の中で近い将来、金融危機が来ると予言されていますが、それまで投資のスタートを待つべきでしょうか? 

 

 暴落がいつ来るかわかっているなら、待つべきでしょうが、私はそれが正確にわかるほど賢くありません。 

 

 たとえわかっていたとしても、人々の気分が高揚して市場に関するゴシップや話題が多くなるときは、たいていまだ株は上昇する可能性があります。 

 

 しかし相場の上昇圧力が弱まってきたら、慎重になるべきです。どのタイミングかとは言えませんが、みんなの会話が不況やショックで持ちきりになったら、株式を持っているなら素早く売り、銀行預金か何か、安全なものにお金を預けることを考え始めるべきだと思います。 

 

 繰り返しますが、相場は永遠に上昇し続けるものではありません。歴史上、世界中のどの市場でも、最終的には大暴落が起きています。 

 

 皆が興奮し、高揚しているときは、大暴落の前触れかもしれませんが、大暴落の瞬間ではありません。しかし、確実に暴落が近づいている兆しですね。 

 

■日本人がやるべき2つのこと 

 

 ──今の現役世代が、60代以降も、ジムさんのように仕事を続けて稼ぐために留意すべきことはありますか? 

 

 私は40年以上、ほぼ毎日運動しているので、それが今の健康につながっていると思いますね。医学的には健康でいたほうが長生きできるし、長生きできなくても、健康でいたほうが良い人生を送れるはずです。 

 

 あとは、好きなことをやること。好きなことを仕事にしている人はたいてい一番幸せで、長く働けます。だって、そういう人は、毎朝目を覚まして義務的に仕事に行っているとは思わないでしょう。彼らは「今日も好きなことをやっている」としか感じないのです。そういう人はいつも楽しんでいるから、より成功するんです。 

 

 たとえお金持ちになれなくても、成功しなくても、幸せでさえあればいいじゃないですか。「自分はそうではない」と思うなら、好きなことを探す努力をしてほしい。 

 

 日本では、多くの人が運動不足になっており、かつ満足できる仕事に就いていないために、バイタリティーが失われていると思います。 

 

 残念ながら世界の多くの国でも同じです。多くの人は、親が言ったこと、友達が言ったこと、先生が言ったことをやって、幸せでない人生を歩んでいる。人の言うことなど聞かず、自分の好きなことを見つけて、それをやってください。何歳からでも遅くはないと私は思います。 

 

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ジム・ロジャーズ(じむ・ろじゃーず) 

投資家 

ロジャーズホールディングス会長。1942年、米国生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。73年にクォンタム・ファンドを設立し、ヘッジファンドという手法にて莫大な資金を運用して財を成した。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。『大転換の時代』(プレジデント社)、『世界大異変』(東洋経済新報社)など著書多数。 

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投資家 ジム・ロジャーズ インタビュー、構成=花輪陽子、アレックス・南レッドヘッド 撮影=Luxpho(Takao Hara) 

 

 

 
 

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