( 172230 )  2024/05/20 01:27:37  
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男女共用トイレについて、男性陣と女性陣それぞれの考え方(写真:イメージマート) 

 

 昨今の多様性を尊重する流れの中で、性別に関係なく利用できるジェンダーレストイレが登場し、注目を集めたことは記憶に新しい。最近では、男女共用トイレと女性用トイレの2つしか設置されていない飲食店や商業施設などもあるが、そこに密かに不満を抱いている男性は少なからずいるようだ。背景には、女性が男女共用トイレを利用すると、男性は選択肢がなくなるという不便さがある。この“女性が使えるトイレの方が多い問題”について、男女それぞれに意見を聞いた。 

 

 フリーランスデザイナーの40代男性・Aさんは、カフェで仕事をすることが多いが、トイレについてしばしば理不尽さを感じているという。 

 

「最近のカフェのトイレって、男女共用トイレと女性用トイレという2つのお店が多いんです。男女別のトイレだと、女性用トイレの方が混みがちだから、バランスを考えてということかもしれません。 

 

 ただ、この場合、女性に男女共用トイレを使われると、男性は女性用が空いていたとしても入れないですよね。まだ、どっちも共用ならいいのに、なぜ女性だけ専用トイレがあるのでしょうか……。どの店も列は一列で待つルールになっているため、僕が男女共用トイレに入るため、ずらりと並ぶ女性の後ろに並んで待ったことは一度や二度ではありません」 

 

 ある時、Aさんがカフェのトイレに向かうと、女性用のトイレが空いているにも関わらず、Aさんより先に女性が男女共用トイレに入ってしまったため、Aさんは待つ羽目になった。 

 

「女性はどちらを使ってもいい、というのはわかりますが、もし男女共用トイレと女性用トイレの両方が空いてたら、女性は女性用トイレに入ってもらえると助かります。余裕がある時はいいんですけど、一刻も早くトイレに入りたいこともあるわけで……」(Aさん) 

 

 コンビニでも同様の問題が指摘されている。メーカー勤務の20代男性・Bさんは、「人生最大のピンチだった」エピソードを明かす。 

 

「お腹が痛くてトイレを借りられるコンビニに飛び込んで、『助かった』と思ったら、男女共用トイレと女性用の2つとも空いてなくて。先に空いたのは女性用トイレでした。一瞬入るかどうか迷うほどお腹はピンチでしたが、『貼り紙で女性専用』と強調されていたこともあって、さすがにそれはしませんでした。 

 

 女性用だとしても、空いているトイレがあるのに、男性だと待たされるのは理不尽ですよね……」 

 

 この一件から、Bさんは「全部共用にしてほしい」と主張する。 

 

「中の設備はおそらく同じなのになぜ、男女共用トイレと女性用トイレという区分なのでしょうか。男性は回転が早いにもかかわらず、女性が加わることで待たされることになる。男性用と女性用にしないのなら、どっちも男女共用にしてほしい」(Bさん) 

 

 

 不動産会社勤務の30代女性・Cさんは、先日男女共用トイレと女性用トイレがあるカフェでトイレ待ちをしていた時、悩ましい問題にぶつかったという。 

 

「3人女性が並んでいて、その次が私。待っている間、私の後ろにも5人ぐらい行列ができて、そのうち後ろのほうに男性が2人並びました。次は私、という番になって、男女共用トイレが空いたんですが、なんだか男性がかわいそうになって、思わず先にどうぞと言おうか迷ったんです。 

 

 でも、私が1人の男性を先に行かせてしまうと、横入り状態にしてしまうわけで……。変なトラブルを生むのも面倒だなと思って、心のなかですみませんと言いながら男女共用トイレに入り、可能な限りサッサと済ませました」 

 

 そんなCさんは、男女共用トイレとは別に女性専用トイレだけがある理由について、「男女共用トイレを使いたくない女性がいるのかも」と話す。 

 

「知らない男性が使ったトイレを使いたくない女性がいるのは、なんとなく想像できます。ただ定期的に清掃が入るわけですし、個人的には全然気にしません。女性用トイレだって汚い時は汚いですしね……。男性はかわいそうだなと常々思ってます」(Cさん) 

 

 ジェンダーや多様性への意識が高まる中、男女それぞれが快適に利用できるにはどんなトイレが理想的なのか、悩ましい問題だ。(了) 

 

 

 
 

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