( 178395 ) 2024/06/07 17:01:34 0 00 4月から国が実施する「ライドシェア」制度が、東京や京都に続き、5月31日から大阪でも始まりました。 どのように利用できるのか。記者が実際に体験してみました。
ライドシェアの概要
大阪では、国から許可がおりた5つのタクシー事業者のうち日本交通グループ関西がいちはやく運行を始めました。 ライドシェアとは第2種免許を持たない、一般のドライバーが自家用車やタクシー事業者が貸し出す車両に客を乗せて有償で送迎することです。 自家用車を利用する場合にも、助手席側にライドシェアと書かれた灯りをつけて運行します。 主に都市部でのタクシー不足の解消が目的で、大阪府で利用できるのは大阪市とその周辺のエリアです。 時間帯は、タクシーが不足しているとされる 〇金曜・土曜の午後4時~午後8時 〇土曜の午前0時~午前4時 に限られます。 実施者はタクシー事業者で、ドライバーはタクシー事業者と雇用契約を結びます。運賃はタクシーと同じです。
(Q.ライドシェアをどう思いますか?) (20代会社員)「最初なのでちょっと怖さもありますけど、海外やったら普通やと思うんで、来たらまあ乗ってはみたいです。」 (50代夫婦)「タクシーの運転手さんだと裏道とかいろいろ知っているじゃないですか。そういう意味ではそっちの方が早く着くかなみたいな…」 (Q.同じ条件であればタクシー運転手さんと一般のドライバーさんどっちに乗りたいですか)? (50代夫婦)「タクシーですね、同じ条件だったら」
行灯のない車が到着
記者がライドシェアを体験してみました。 大阪メトロ・本町駅近くから、目的地をABCテレビの本社に設定。 料金はタクシーのようにメーター制ではなく、距離に応じてあらかじめ決まります。 数分後、やって来たのはアルファード。タクシーのように行灯はついていません。アルファードは事業者が貸し出しているものです。
助手席側に「ライドシェア」と表示された灯り
(ドライバー)「お待たせしました」 丁寧にドアを開けてもらい、出発。 ドライバーは青木雄介さん(仮名)。この日が勤務初日で、乗客は記者で3組目とのことですが、それを感じさせない順調な走り出しです。 (記者)「普段は何をされているのですか?」 (青木さん)「普段はウーバーイーツの配達をしています」 青木さんは、2,3年前に運送会社を退職しました。1日に30~35件ものウーバーイーツの配達をこなし、地理には詳しいといいます。 今回、なぜライドシェアの運転手に応募したのでしょうか? (青木さん)「配達員は冬は寒いと堪えますし。体力的な面でライドシェアの方が続けられるのかなって」「働きたいときを選べるというのも魅力でしたね。子どもの参観日とかにも積極的に参加できますし」 家族の時間を大切にしながら、長く続けられる働き方を模索しているそうです。 15分ほどでABCテレビに到着。道に迷うことなくスムーズな運行でした。 支払いはアプリ決済のみで、現金のやり取りは発生しません。
国と大阪府・市の要望には開きが
エリアや事業者など、様々な制約がある現在の「ライドシェア制度」。 その制度に対し"不十分"という声も上がっています。 大阪府の吉村洋文知事は、来年行われる大阪・関西万博の期間中、1日最大2400台のタクシーが不足すると懸念していて、ライドシェアをより推進し、台数を増やしたいと考えています。
こうしたなか、大阪府市は以下のように国に要望しました。 ・限られた時間だけではなく24時間運行できるようにしてほしい ・区域を限らず府内全域で運行したい。 ・タクシー事業者のみならず、新規事業者の参入を認めてほしい。 ・柔軟な契約の実現。個人などとも契約できるようにする ・運賃は需要と供給に応じて変動させたい
一方、タクシーの事業者からは苦言も出ています。 日本交通グループ関西の金田隆司社長は「車の台数を増やして補うという考え方は渋滞を引き起こすだけでは?」と指摘しました。 イベント開催時というのは自家用車やタクシーの利用を控えるよう呼びかけるのが一般的なのに、万博に限ってタクシーの台数を心配することへの疑問も投げかけています。
佐野ななみ記者
佐野ななみ記者 大阪府警担当を経て現在大阪市役所担当 大阪府出身 趣味はアイドル鑑賞
(『newsおかえり』2024年6月6日放送分より)
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