( 179255 )  2024/06/10 14:58:58  
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「夏の挑戦」として東京都知事選勝利を目指す立憲民主党の蓮舫参院議員=9日午後、杉並区(奥原慎平撮影) 

 

東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に出馬表明した立憲民主党の蓮舫参院議員は9日、JR阿佐ヶ谷駅(杉並区)前で街頭演説し、多数の支援者が駆け付けるなど「蓮舫人気」の根強さを裏付けた。蓮舫氏を巡っては2日の街頭演説で、公職選挙法で禁じられる告示前の選挙運動「事前運動」に該当しかねない発言が指摘されている。この日は「都知事選の挑戦」を「夏の挑戦」と表現をぼやかすなど軌道修正が図られた形となった。 

 

【ツーショット】東京都の小池百合子知事と面会する立憲民主党の蓮舫氏 

 

■「批判ばかりでしょうか」 

 

「批判ばかりと批判されている蓮舫だ。本当にそうでしょうか。確かな実績がある」 

 

蓮舫氏は9日、同駅前でこう訴えると、国会質問で切り込んだ結果、「無駄遣い」と指摘される予算の圧縮に貢献した〝実績〟を強調した。 

 

3選出馬が有力視される小池百合子都知事を念頭に「夏の挑戦を言わせてもらった。挑戦する思いを今一度強くしている。相手はまだ声をあげていないが、自民党が支援すると決めている人に絶対に負けたくない。皆さん、助けてください」と述べるなど、対決姿勢を改めて鮮明にした。 

 

蓮舫氏の周囲には、応援弁士が「同駅前でこれほど集まったのは初めて」(長妻昭都連会長)と表現するほど多数の市民が詰めかけた。主催者が設定した「聴衆エリア」に入りきらなかった人も「蓮舫さーん」と声援を送っていた。 

 

■議員辞職の時期は告示後 

 

蓮舫氏に関しては、2日に東京・有楽町で「七夕に予定されている都知事選に蓮舫は挑戦します。みなさんの支援をよろしくお願いします」と訴えた発言が、6日の参院総務委員会で「事前運動に該当する要素がそろっている」(浜田聡参院議員)など、公選法との整合性が指摘される事態となっている。 

 

同法は選挙運動の実施期間を告示日に立候補を届け出てから、投票日前日までに限定している。公選法上の選挙運動は「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得または得させるため、直接または関節に、必要かつ有利な行為」と解釈される。 

 

問題の発言は都知事選で自身への支援を呼びかけた形となる一方、蓮舫氏は8日、記者団に「政治活動の発言だ」と主張している。 

 

 

一方、この日は2日の演説会に比べると、「都知事選に挑戦」の部分が「夏の挑戦」、「支援をよろしくお願いします」の部分は「助けてください」など、それぞれ表現がぼやかされていた。 

 

立民は蓮舫氏の追及力を最後まで国会審議で活用する考えだ。 

 

応援に立った辻元清美代表代行は、蓮舫氏について「東京を根こそぎ変えましょう。最後まで参院議員を、全うしてもらい、きちんとけじめをつけて、次のステップ、チャレンジをしてほしい」と述べると、蓮舫氏も記者団に「自動失職まで国会で頑張る」と応じ、告示される20日を前に議員辞職しない考えを明らかにした。(奥原慎平) 

 

 

 
 

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