( 181490 ) 2024/06/17 02:00:43 0 00 1枚429万円のパリ五輪 記念金貨
あと1カ月ほどに迫るパリ五輪・パラリンピック。12日には、パリオリンピックを記念した商品の発表会が都内で行われました。実は今、歴史的な円安などを背景に、パリ五輪関連の消費が高額化しています。
12日、東京・港区にある在日フランス大使館で行われた発表会。会場には卓球のオリンピックメダリスト石川佳純さんの姿がありました。
その石川さんに授与されたのが、フランスの国立造幣局がつくったパリ五輪・パラリンピックの公式記念コインです。
「(フランス国立造幣局は)パリ五輪でアスリートに授与される全てのメダルのほか、金貨、銀貨のコレクションを作成する」(フランス国立造幣局のオリヴィエ・セガラ氏)
記念コインには、棒高跳びやハンドボールなどの競技や、パリの象徴であるノートルダム大聖堂やエッフェル塔などが刻まれています。今回発表された金貨や銀貨などは合わせて10種類。17日から、全国の金融機関などで予約販売が始まります。
その目玉となるのが、直径5センチ、金155グラムを使用した大型金貨です。表面にはフランスを象徴する自由の女神「マリアンヌ」などが描かれていて、その価格は1枚429万円。日本では60枚限定での販売となります。
高額の背景にあるのは、高騰する金の価格です。究極の安全資産とされる金は、地政学的リスクの拡大を受け、5月には最高値を更新。高い水準での値動きは当面続くとみられています。ただ公式記念コインの需要は日本でも高いとみています。
「五輪はみんなの関心が高い商材。記念コインの場合は発行枚数が限られているので、その希少性に関心を持たれている。期待感はあるし、かなりの販売が見込める」(泰星コインの馬場晋作社長)
400万円を超える五輪観戦ツアーも人気
高額商品の人気はオリンピックの観戦ツアーでも。
「開会式が含まれる観戦チケット、そしてホテル、観光、こういったものがセット」(JTBスポーツ・エンタテイメント共創部の時田よしのさん)
今回JTBが販売した最も高額なパリオリンピックの観戦ツアーは2万3655ユーロ、日本円で約410万円で、航空券は含まれていません。6泊7日の滞在で5つ星ホテルに宿泊。開会式のほか、柔道やテニスなど5つの競技の観戦チケットが付きます。
歴史的な円安ユーロ高が続き、ツアー料金も高額となっていますが、JTBの時田さんによれば「発売当初から非常に問い合わせの多い商品で、約9割ほどの販売が進んでいるという状況」といいます。
4つ星ホテルに泊まる同じ6泊7日のツアーも、約235万円と高額ですが、発売直後に完売。 ツアーには競技の観戦以外にも、セーヌ川沿いの高級サロンでの食事などのプログラムが含まれていて、人気の理由だといいます。
「為替の影響がありながらも、プログラムの内容に非常に価値を感じている客も非常に多い」(時田さん)
オリンピックモデルのベッドマットレス
盛り上がりを見せる「高額」のオリンピック消費。その影響は、パリ五輪の公式ライセンス商品を販売するエアウィーヴでも。
「こちらはパリ2024オリンピックモデルのライセンス商品のベッドマットレス」(エアウィーヴ営業推進部の遠藤崇さん)
今回、選手村にも導入されるこの商品。従来のモデルではファスナーをぐるりと開けてカバーを外す必要がありましたが、パリオリンピックモデルでは、着脱が容易に。実は、従来より4万円ほど高い価格設定ですが、売れ行きは好調だといいます。
「従来型のマットレスに比べてパリオリンピック仕様のマットレスの売り上げが上回っている店舗が増えている。パリオリンピックのロゴが付いているということもあり、選手と同じ気持ちで使いたいということで(五輪仕様を)使っている人も多い」(遠藤さん)
今回のパリ五輪・パラリンピックの経済効果について、「第一生命経済研究所」首席エコノミストの永濱利廣さんは、「個人消費を2560億円程度押し上げると計算している。前回の東京オリンピックは2480億円。そのときに比べると3%強(増える)」と話します。
円安の影響を受けて、現地パリに観戦に行く人の数は減る可能性があるとみていますが、一方で高額商品の盛り上がりは続くとしています。
「実質賃金は2年以上マイナスが続いているが、家計の金融資産は2100兆円を超えていて、富めるところは富んでいる。高額消費はかなり活況になる可能性はある」(永濱さん)
※ワールドビジネスサテライト
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