( 182175 ) 2024/06/19 02:03:03 0 00 店側にも「子供がしたことだから仕方ない」という思いはあるけれど…(イメージ)
理不尽な要求やクレームを受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題化する中、子供が食べ物を落としたり、モノを壊したりした時の“親の態度”に、悩まされる店も少なくないようだ。なかには「子供がしたことだから」という“免罪符”で、横柄とも思える態度をとる親もいるという。現場の店員たちに、そうした客に対応する苦労を聞いた。
雑貨店で働く40代女性・Aさんは、「子供がしたことは諦める」と、基本的には弁償を求めない姿勢を貫いている。
「お子様が商品を振り回して遊んで汚したり、走り回った拍子にグラスを落として割れてしまったことなど、子供関連のトラブルは少なくありません。もちろん、店側としては売り物なので損失につながりますが、よっぽどわざとやったということではない限り、当店では弁償を求めることはありません。むしろ、お子様にケガがないか心配します」
ただし、そうしたAさんの「客思い」の姿勢を無下にするように、“子供がしたことだから、当然無罪”という態度の親もいるという。
「子供が壊したのを見て見ぬふりをしたり、『子供がしたことなので仕方ないですよね?』と、威圧的な態度の人もいます。せめて、『すみません』とか、もうちょっと申し訳なさそうな態度を求めてしまうのは、私の心が狭いからなのでしょうか。自分の子供がやったことに対して親の責任と捉えず、謝らない人は意外に多いです」(Aさん)
食料品を扱う現場でも悩みは尽きない。スーパー勤務の30代女性・Bさんは、「子供が未会計の商品を開封してしまうことはわりとある」というが、「親の対応の差が大きすぎる」とため息をもらす。
「開けてしまったことを報告しにきたうえで謝罪し、買い取る人もいますが、謝るどころか、子供に向かって『それは買わないって言ったでしょ!』とだけ言って、なにごともなく店を出ようとした人もいました。もう売り物にならないわけで、もはや普通に“万引き”されたのと同じです」
セルフレジを導入したことで、子供が惣菜をいじってしまうこともあるという。
「セルフレジで子供がお惣菜のパックをいじって、中身がこぼれてしまったことがありました。親はレジとスマホ操作に夢中。私が気づいて近づいてきたところで、親から『子供が落としたので、新しいものに交換してください。まだ食べてはいないので、大丈夫ですよね?』と言われてしまいました。
どう答えたものか悩んでいると、親が子供に対して『○○くん、新しいこれ持ってきて』と指示していました。新しいものへの交換を提案するのは店側の方では……」(Bさん)
最近では、外国人親子のトラブルもあるという。量販店に勤務する40代男性・Cさんは、客の報告を受けて現場に急行した時のことを振り返る。
「『外国人の子供たちが商品で遊んでいる』という、お客様からの報告があり、行ってみるとアニメのコスプレグッズで遊んでいる子供たちが……。どれもパッケージが破かれたうえ、すでにうっすら汚れ、明らかに“使用済み”となってしまっているんです。
周囲に両親は見当たらなかったのですが、数分後に別の売り場で買い物していたらしく戻ってきたところで、開封したものは買い取りになることを説明しましたが、親側の主張は、『子供たちは悪くない』『店側の管理が悪い』と繰り返すばかり。面倒でそれ以上の交渉は諦めましたが、憂鬱な気持ちになりました」
カスハラに近いケースもあり得るだけに、対応を迫られる店側の苦慮も深まっているようだ。(了)
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