( 184665 ) 2024/06/26 16:08:16 0 00 ゆかたまつり会場の斎藤知事(中央)
パワハラはじめ数々の疑惑で百条委員会(調査特別委員会)まで設置されてしまった斎藤元彦・兵庫県知事。その傍若無人な振る舞いは、県民が集う夏の風物詩の現場でも繰り広げられていた。
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6月22,23日に開催された、姫路ゆかたまつり。
300年近い歴史があり、浴衣姿の人たちが毎年10万人以上訪れる伝統的な地元の祭りだ。しかし、この会場に、今年は斎藤元彦知事の姿がなかった。
「これが影響しているんですかね」
竹内英明県議が記者に差し出したのは、斎藤知事が昨年のゆかたまつり(6月24日)に参加した時の写真。白地に縦じま模様の浴衣姿で挨拶している様子が写っている。この写真が斎藤知事の新たな疑惑を呼んでいる。
斎藤知事も自らの浴衣姿の写真をX(旧ツイッター)に投稿している。
〈夏の始まりを告げる『姫路ゆかたまつり』が4年ぶりに開催。“播州織”のゆかたでパレード参加。お子様づれのご家族や学生さん達など、たくさんの人で賑わってました。夏が近づいてきていますね〉
文面ではご機嫌の様子だ。しかし、この時の実際の斎藤知事はそうではなかったという。
竹内氏が得た情報によると、当日の様子はこうなる。
■「こんな場所で着替えるのか」
会場入りした斎藤知事は、着替えのため地元の公民館に案内された。すでに数人が地元婦人会のボランティアの手を借り、浴衣の着付けをしていた。斎藤知事はこう言った。
「みんなと(一緒に)着替えるのは嫌だ」
「ちゃんとしたプロの着付けの人はいないのか」
激怒ぶりにあわてた事務方が地元の和装店に連絡、その和装店で一人だけ着付けをしてもらったという。
ゆかたまつり当日の斎藤知事については、同様の情報が他にもある。姫路市関係者によると、知事はやはり着替えの場所にこだわっていたという。
「こんな場所で着替えるのか」
姫路市長をはじめ、参加者の大半はこの場所で浴衣に着替えた。
「浴衣なので着物ほど手間がかかるものではないし、文句を言ったのは斎藤知事だけです」
浴衣の着付けを手伝うボランティアの人たちにも斎藤知事の怒声は聞こえていたという。
「斎藤知事の言動は、非礼もいいこところ。不快な思いをさせてしまい、申し訳ない思いでいっぱいでした」
■着付け代は4400円
竹内県議はこのゆかたまつりで斎藤知事にかかった費用について、情報公開請求し、県議会でも追及した。県が開示した資料によると、和装店に〈和装着付 夏物和服の着付〉として4400円が支払われていた。
また姫路ゆかたまつりの翌月、神戸市内の別の和装店が、斎藤知事の浴衣姿の写真をSNSに投稿していた。〈急遽、斎藤知事の着付けを承りました〉と説明が添えられている。「急遽」という言葉がいかにも、姫路ゆかたまつりと同様に突然の来店だったことを想像させる。
斎藤知事が浴衣の着付けに、かなりこだわっているのがうかがえるが、着付け代はもちろん税金から支出されており、着用のたびのクリーニング代も同様だ。ちなみにクリーニングは1回あたり4400円だった。
兵庫県に確認すると、斎藤知事の浴衣は昨年の姫路ゆかたまつりに合わせて播州織で有名な兵庫県西脇市の商工会議所が母体の「西脇TMO推進室」から提供を受けたという。
兵庫県秘書課はこう説明する。
「イベントや行事で使っていた浴衣が、在庫として眠っていた。それをご提供いただけるということでお借りしています。地場産業の播州織のPRという観点もあります。昨年の姫路ゆかたまつりで斎藤知事が着付けで激怒したということはありません」
また西脇TMOは浴衣の経緯についてこう語った。
「かつて七夕のお祭りを開催しており、播州織の浴衣はその際につくっていた。今は祭りがなくなり、浴衣は置いてあった。斎藤知事が西脇市にお見えになった際、姫路ゆかたまつりの話が出て、PRになるならと提供した。浴衣は斎藤知事がご自身で選ばれた。厳密に考えていなかったので、契約書のようなものはなく、貸したというか、プレゼントしたというか、なんとも言いようがない」
■「厳しく指導したということはある」
斎藤知事は県の元幹部がマスコミ等に配った内部告発文書に対して説明を拒んできたが、百条委の設置後、態度を変えた。
「文書に対する私の見解を述べさせていただきたい。(パワハラについて)厳しく指導したということはありますけども、基本的な業務上必要な範囲内での指導だった」
パワハラではなく、「指導」だと繰り返し、内部告発のすべてを否定した。
姫路ゆかたまつりの「騒動」についてはどう説明するのだろうか。
竹内県議はこう話す。
「特別扱い、パワハラ、個室。これまでの内部告発と同じパターン。さらなる追及が必要です」
今西憲之
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