( 187008 )  2024/07/03 14:50:43  
00

東京都知事選挙では、現職が出馬すると必ず勝利しており、現在の都知事である小池百合子氏が有利とされているが、立憲民主党から離党した蓮舫氏も2位を走るなど、競争が激化している。

また、広島県前安芸高田市長である石丸伸二氏も注目を浴びており、熱心な支持者やボランティアが集まっている。

報道では、石丸氏の勢いを考慮した数字も出ており、最終盤で蓮舫氏を抜く可能性も出てきたと言われている。

(要約)

( 187010 )  2024/07/03 14:50:43  
00

石丸伸二氏 

 

 東京都の知事選には「現職無敗の法則」というのがあるらしい。それは1947年以降、21回行われた選挙で誕生した知事が9人という数字が示すように、2期以上務めた人が6人。現職は出馬した際に必ず勝っている。実に12戦無敗。だからなのだろうか、報道各社の票読みは一様に小池百合子都知事(71)優勢の判断を下す。が、2位、3位が猛追しているという見方も……。7月7日の投開票まで数日、注目の候補者を追った。 

 

【写真を見る】「石丸人気ってこんなにすごいの?」 銀座の路上を聴衆で埋め尽くした石丸伸二氏 

 

 *** 

 

 70歳を過ぎた小池氏に、雨の街宣はことさら体にこたえるだろう。でも、候補者たるもの立たねばならぬ。かつて経済番組のキャスターをしていた話、大田区の地場産業の話、子育て支援、もちろん2期8年の自慢話も……わずか20分間にあらん限りの情報を詰め込んで語るのである。なにしろ今回の知事選は、2位に280万票以上の差をつけて勝利した前回とは、かなり事情が違うのだから。政治部記者が言う。 

 

「この週末に集まった報道各社の情勢調査を見比べると、2位に5ポイント差まで詰め寄られたものがあった。自身の学歴詐称疑惑に加え、支援する自民党が政治とカネの問題で足を引っ張る状況ですからね」 

 

蓮舫前参院議員 

 

 で、その2位を走るのが、立憲民主党を離党した蓮舫前参院議員(56)。小池氏が雨に濡れている頃、新宿の街頭で開かれたLGBTQの集会に顔を出した。掲載の写真はその直後の様子だ。同性婚については主要候補の中で唯一賛成の意思を示しているから、聴衆は支援者ばかり。喋っているうちに気持ちが高揚したのか、元タレントの性(さが)なのか、笑顔が崩れない。ただ、そんな笑顔も少しつつけば影がにじむ。立民の元同僚議員が言う。 

 

「たぶん蓮舫さんは無理です。共産党が表に出過ぎて支援が広がらないんです。演説会も集まるのは市民活動家系の、しかもお年寄りばかり。かつて前原誠司さんが共産党を“シロアリ”と表現したが、まさにそれ。増えたのは彼らの組織票だけで、無党派層の支持が逃げている」 

 

 小池氏に肉薄するという見方もある一方、調査によっては25ポイントの大差がつくという蓮舫氏。伸び代がないのが現状だ。しかも振り返れば広島県前安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が、すぐそこにいた。 

 

 

 6月29日午後1時からJR蒲田駅前で行われた石丸伸二氏の街頭演説。12時前ごろから紫色のTシャツを着た選挙ボランティアが集まり始めた。 

 

 最初に集まったスタッフは十数人か。次第にその数が増えていったようだが、それに応じて聴衆も集まってきて、スタッフかどうかも分からなくなる。というのも、聴衆の中にも、石丸氏のイメージカラーの“紫”のシャツやタオルを身に着けた人々が散見されるのだ。 

 

 他陣営と比べて、やはり20~30代が多い。ただ「老若男女」という言葉がピタリと当てはまるくらいに年齢層は広く、さらに言えば男女の若いカップルが多い。 

 

 また、他候補の演説は本人が現れたあと、「あ、蓮舫だ」「小池さんだ」と言って足を止めるパターンが多いが、こちらは本人が到着する前に、すでに千人規模の人たちが一群をなして本人の登場を待っているのが特徴的だ。 

 

 ボランティアスタッフの登録者数はすでに7000人を超えたという。栃木から来た50代の男性がビラを配っていたので、話を聞いてみた。 

 

「さすがに一日中まわるのは厳しいですが、今日はここを含めて2~3カ所。また明日も来ますよ。さっきいた人は岐阜から来たって言ってたし、北海道、沖縄からも来ている人がいるみたい。YouTubeで石丸さんを知って、何もしないわけにはいかないと思い、何かできることはないか、とボランティアに登録しました」 

 

 言うまでもなく彼は都知事選で一票を持つ有権者ではない。また石丸氏が市長を務めていた安芸高田市とも関係ないようだ。しかしながら石丸氏をとにかく「推したい」という熱だけをもとに、自腹を切ってやって来ている。こういう熱いスタッフが多数いるのは他候補にとっては脅威だろう。 

 

 先の記者が「石丸フィーバー」について、こう続ける。 

 

「報道各社、蓮舫と石丸の差は10ポイントぐらいと見積もっていますが、ある社だけ3ポイント差という数字を弾き出していた。彼の勢いを考慮した数字でしょう。1日に10カ所以上の街宣を重ね、それぞれで数千人を集めるという石丸は、もはやYouTuberではない。最終盤で蓮舫をまくる可能性も出てきた」 

 

 7月4日発売の「週刊新潮」では、こうしたドキュメントに加え、追う候補者たちが批判する小池都政の問題点のうち、都と三井不動産の癒着について詳しく報じている。 

 

「週刊新潮」2024年7月11日号 掲載 

 

新潮社 

 

 

 
 

IMAGE