( 187236 )  2024/07/04 01:06:03  
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合計特殊出生率が全国で最も低い「0.99」となった東京。取材すると見えてきた、東京ならではの課題に東京都知事選の候補者はどう向き合うのでしょうか? 

 

【写真を見る】「3人目は夢の夢」東京の合計特殊出生率「0.99」少子化どう解決? 都知事選挙取材で見えてきた課題【news23】 

 

■東京の「少子化対策」街の声は?「3人目とか夢の夢」 

 

23ジャーナリスト 片山薫 

「都内の公園にきています。今の子育て政策や少子化について何を考えているのか、みなさんにお聞きします」 

 

ーー東京の子育て政策で気になるものは? 

 

40歳(子どもが5歳の双子) 

「これ(月5000円支給)とか。双子なのですごく助かってます。学校のものを買ったりとか、ランドセルを買ったりとか」 

 

44歳(子どもが3歳) 

「医療費の助成がある。東京は良いんじゃないですか、子育てをするのに」 

 

一方で、“東京ならでは”の事情も。 

 

35歳(子どもが6歳、5歳、3歳) 

「家が高い。結構、みんな埼玉とかに引っ越ししている」 

 

39歳(子どもが6歳) 

「1人だったらいけるかなと思うけど、もう1人となると住環境とかも考える」 

 

36歳(子どもが6歳、2歳) 

「3人目とか夢の夢だよね」 

 

「住宅費が高い」という意見です。 

 

■高騰する住宅費「子ども3人目考えない」 

 

墨田区に住む松尾愛美さん(38)。 

 

松尾さん 

「2人も厳しいぐらい。予算的にも」 

 

2023年、都内に一軒家を建て、千葉県から引っ越してきました。5歳と6歳の子どもたちにはそれぞれの部屋も。ところが… 

 

松尾さん 

「一人一部屋は確保をして出来ればベッドと机が置けるようにと思ったが、実際に建ててみたらそんな余裕はなくて、夫婦は一緒の部屋」 

 

ーー東京で3人育てるとしたら? 

「もう1階分欲しい。億超えますね」 

 

不動産経済研究所によると、東京23区の新築マンションの平均価格は2023年度、1億円を突破。 

 

松尾さんも所得を考慮すれば、 現状で満足しているといいます。 

 

松尾さん 

「子どもをたくさん持ちたい、3人持ちたいとかだったら、東京で暮らすとか家を建てるとか、探すのも大変。3人目は考えていないです」 

 

 

■教育支出 全国の2倍「塾代月4~5万円」 

 

さらに“東京ならでは”の事情がもうひとつ。 

 

58歳(子どもが10歳・8歳) 

「大田区も給食費も取らなくなったし、それは助かるんですけど塾代が高い」 

 

ーー塾には何曜日に行っている? 

子ども「月曜と水曜と金曜」 

父親「2人あわせて(塾代が)7~8万はかかる」 

 

塾などにかかる「教育費」の問題です。 

 

東京の1世帯当たりの1か月の「教育」に関する支出は、全国平均の倍以上とされています。 

 

東京 月2万1284円 

全国 月1万446円 

(東京都生計分析調査報告(年報)令和5年) 

 

この日、ファイナンシャルプランナーの面談を受けていたのは、西東京市に住む伊勢佳弥子さん(40代)。 

 

伊勢さん(子どもが高校2年・中学3年) 

「塾代が1人4~5万円ぐらい」 

 

高校2年生と中学3年生の子ども2人にかかる、今後の塾代や進学費用を試算してみたところ…  

 

ファイナンシャルプランナー 寺澤真奈美さん 

「2人の(今後の)教育費にかかる合計が1800万円」 

 

伊勢さん 

「ちょっとした何かが買えますねこれ…。長男の方は小学校から受験して行っていたので、(周りの)環境は本当にみんな塾に行っているし、収入に対して結構な金額をかけてるという印象はある。少子化になるのもわからないではない、お金の話を聞いてしまうと」 

 

ファイナンシャルプランナー 寺澤真奈美さん 

「東京都の場合、学校だらけなので公立も私立も選ぶ選択肢が非常に多い。私立に入るには塾に行く、そうなるとどんどん費用がかさんでいく。中学から私立で入れると(1人の教育費が)2700万で試算してる方もいます」 

 

■各候補者の「少子化対策」は? 

 

少子化対策をどうするのか?各候補者たちに聞いてみると。 

 

現職 小池百合子氏 

「お母さんになる人のプレコンセプションケア、不妊治療、無痛分娩(の助成)を入れた。また『018サポート』を行っている。全国の教育にかかる費用と、東京との差額を埋めるということで5000円(月の給付)としている」 

 

 

前参議院議員 蓮舫氏 

「不安定雇用になった時、その子たちは望んでも経済的環境で結婚できないとか、経済的に厳しいから子どもを諦めるとか、そういう若者が増えている。負担と不安を取り除くことで、今育っている子どもたちが社会にでるときに負担と不安を味わわないで済む、そういう東京にしたい」 

 

広島県安芸高田市 前市長 石丸伸二氏 

「人が循環していく形、回遊形の社会を目指すしかない。そうすれば過密が解消される、生活コストは必然的に下がる。教育費が高い問題は解決する」 

 

元航空幕僚長 田母神俊雄氏 

「2人、3人産んでもらうのに、1人目100万円、2人目200万円、3人目400万円。倍々で現金を給付したら良いんじゃないか。財政能力は東京にはあるはず」 

 

今回の都知事選には、過去最多となる56人が立候補していて、投開票は7日です。 

 

東京都知事選挙 立候補者(届け出順) 

 野間口翔氏、沢繁実氏、大和行男氏、木宮光喜氏、小池百合子氏 

 内海聡氏、石丸伸二氏、小野寺紘毅氏、新藤伸夫氏、竹本秀之氏 

 桜井誠氏、ドクター・中松氏、安野貴博氏、清水国明氏、AIメイヤー氏 

 桑原真理子氏、後藤輝樹氏、河合悠祐氏、福本繁幸氏、黒川敦彦氏 

 桑島康文氏、田母神俊雄氏、蓮舫氏、内藤久遠氏、内野愛里氏 

 石丸幸人氏、尾関亜弓氏、小松賢氏、加賀田卓志氏、福永活也氏 

 犬伏宏明氏、武内隆氏、遠藤信一氏、上楽宗之氏、二宮大造氏 

 中江友哉氏、舟橋夢人氏、山田信一氏、加藤英明氏、草尾敦氏 

 津村大作氏、久保田学氏、前田太一氏、南俊輔氏、福原志瑠美氏 

 木村嘉孝氏、三輪陽一氏、松尾芳治氏、穂刈仁氏、小林弘氏 

 加藤健一郎氏、ひまそらあかね氏、向後真徳氏、牛窪信雄氏、古田真氏 

 相川絹二郎氏 

 

■どう見る?七夕の首都決戦    

 

小川彩佳キャスター: 

少子化対策についての主張はそれぞれですが、都知事選をどうみていますか。 

 

プチ鹿島さん: 

私は街頭演説を見るのが好きです。それぞれの政策があって違いがあって、声や触れ合いもあって、その差を見ることができます。 

 

その上で、今回は候補者を集めた討論会が少ない、少なすぎると思います。テレビ討論会もない…なぜ出てこないんですか?有権者や視聴者のために情報を全部出して、「判断してください」という当たり前のことだと思います。 

 

アメリカ大統領選挙も「ひどい」と言う人はいますが、討論会には出てくるじゃないですか。討論会に出てくるから「ひどい」ことや人柄がわかるわけです。 

 

候補者たちがお互いに「なぜその政策?」「いつ考えた?」とぶつけ合えば、ビジョンや信念がすぐにわかるはずです 

 

「政治はあなたのために」と言いますが、政治を遠ざけてるのは候補者たちじゃないかなと思います。テレビでぜひ討論会をやってほしいです。 

 

小川キャスター: 

「news23」の4日の放送では、明治神宮外苑の再開発についてお伝えします。 

 

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<プロフィール> 

プチ鹿島さん 

時事芸人 

新聞14紙を毎日読み比べニュースを読み解く 

時事ネタを得意とする芸風 

 

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