( 187279 )  2024/07/04 01:53:53  
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JR北海道は2023年度の線区別収支を発表し、全線区が10年連続で赤字だったことが分かった。

売上高は前年比で増加したが、営業損失は60億円減少し、598億円だった。

特に札幌圏では利用が増えたが、除雪費などで年間で30億円の赤字が出た。

8線区(通称・黄色線区)は営業損失が148億円で、存続を目指すために「抜本的な改善方策」をまとめる方針だという。

国や自治体の支援を受けて地元関係者と連携して改善を進める考え。

(要約)

( 187281 )  2024/07/04 01:53:53  
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線区別収支を発表したJR北海道の萩原国彦常務=2024年7月3日午後、札幌市中央区、新田哲史撮影 

 

 JR北海道は3日、2023年度の線区別収支を発表した。公表を始めた14年度以来10年連続で全線区が営業赤字だった。新型コロナ禍からの旅客需要の回復で、全体の営業損失は前年より60億円縮小し、598億円だった。 

 

 売上高にあたる営業収益はほとんどの線区で増え、全体では前年比112億円(17.6%)増の754億円だった。ただ、電気代や軽油の高騰などで営業費用全体も前年より51億円(4.0%)増えた。 

 

 札幌圏(4線区)はインバウンド(訪日客)の増加や「エスコンフィールド北海道」(北広島市)の開業で利用が増え、営業収益が14年度以降最大の423億円となった。上半期では4年ぶりに黒字だったが、冬季に除雪費などがかさみ、年間では30億円の赤字だった。萩原国彦常務はこの日の会見で、黒字化に向けて「さまざまな取り組みをもう少ししないといけない」と語った。 

 

 国や自治体の支援を受けて存続を目指す8線区(通称・黄色線区)は営業損失が148億円と前年より9億円拡大した。コロナ禍の影響が少ない19年度と比べると、営業収益は92%にとどまり、石北線(上川―網走)での土砂災害復旧工事による費用増も響いた。 

 

 JR北は沿線自治体と黄色線区の赤字の圧縮に取り組んだうえで、維持に向けた「抜本的な改善方策」を26年度末までにまとめる方針。萩原常務は「地元の関係者としっかりと打ち合わせを進める」と語った。(新田哲史) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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