( 187529 )  2024/07/05 00:12:35  
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東京都知事選では、一部の候補者陣営に対するヤジや中傷が激化しており、演説の聞き取りが難しくなるほどの大声を上げる人々が出現している。

つばさの党の「選挙妨害」を模倣した動きもあるとされており、候補者の街宣活動中にアンチの一団が現れて中傷や妨害を繰り返している状況が続いている。

一部のアクティビストは選挙カーの近くでのヤジ飛ばし行為が過激化しており、候補や聴衆に影響を与えている。

一方、別の候補は同情を示しつつ、選挙活動は互いを尊重しながら行うべきだと語っている。

(要約)

( 187531 )  2024/07/05 00:12:35  
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東京都知事選の立候補者の街宣活動を取材中、後方から飛んだヤジの方向にカメラを向ける取材陣=3日午後、東京都内(奥原慎平撮影) 

 

東京都知事選(7日投開票)を巡って、一部陣営に対するヤジや中傷行為が過熱している。6月20日の告示以降、この陣営の演説会場に批判ビラを掲げる一団が現れる場面は少なくなかったが、ここ数日は演説が聞き取りにくいほどの大声を上げている。4月の衆院東京15区補欠選挙では政治団体「つばさの党」陣営が東京地検に公選法違反(自由妨害)罪で起訴される事態となったが、都知事選でつばさの党の「選挙妨害」を模倣したとみられる動きもある。 

 

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■「落選運動をしている」 

 

3日夕、都内のある広場の一角は選挙カーに向かって柵で仕切られ、中に入る人に対してSP(セキュリティーポリス)や陣営スタッフが手荷物検査を行っていた。 

 

外側では子供連れや中学生ら通行人が行きかう中、「おい 有権者をなめるな」「一緒に中指 立てください(まま)」「落選運動 しています」と書かれたビラを掲げる人々がいる。 

 

選挙カーに候補が登壇し、演説が始まると、聴衆から散発的に声援が飛ぶ一方、「アンチ」の人々は警戒に当たる陣営スタッフを引き連れる形で、ほとんど声を上げることなく周囲を巡回していたが、終盤になると、「だいっきらいだー」と大声で繰り返す人がいた。 

 

この候補を巡っては、街宣活動を行うたびに、アンチの一団が現れては、ビラなどで誹謗中傷を繰り返している。 

 

■注意されると「中国か」 

 

2日に都内の駅前で行った街宣活動では、候補が現れる前から、候補が会場を去って仕切りで設けた柵が撤去されるまで、絶えず絶叫調でヤジが飛んでいた。 

 

中には候補の容姿を動物に例えたり、年齢を揶揄(やゆ)したりする内容も含まれている。陣営スタッフに「ほかの人もいるから静かに…」と注意されると、「寄らないで。出たー出たー、ドロボー、ふざけるなー」と声のトーンを上げる人や、「この国は中国か」と言論統制が激化する中国と重ね合わせる人もいた。聴衆の前で目を大きく開いて、ぴょんぴょん飛び跳ねて「帰れー帰れー」と候補に向かって叫ぶ人もいた。 

 

候補もヤジに影響されたのか、ヤジが飛んだ直後、言葉が詰まる場面もあり、一般の聴衆にはヤジを飛ばす一団に向かい眉をひそめる人がいた。 

 

 

6月30日にこの候補が別会場で演説した際も同じようにビラを掲げる集団が現れたが、おおむね無言で抗議の意思を示していた。投開票日が迫るにつれて、ヤジなどが過激化する傾向にある。 

 

一般の聴衆が候補の演説を聞きにくくする選挙妨害を巡っては、4月の東京15区補選で政治団体「つばさの党」の幹部が他陣営の会場に押しかけて、大音量で一方的な質問や罵声を浴びせるなどした結果、公選法違反(自由妨害)容疑で再逮捕を繰り返している。 

 

■「互いにリスペクトを」 

 

一方、今回の都知事選もつばさの党の手法に影響されたとみられる行為も確認される。 

 

ある候補が2日に都内で街頭演説した際、スマートフォンを固定した自撮り棒を持った男性が現れ、演説を終えて聴衆と握手する候補に対し、距離を取った上で「統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と関係あるんですか」「日本会議と関係あるんですか」などと大声で「質問」を繰り返していた。 

 

都知事選に立候補している別の候補は3日、一部候補に対して罵声ともとれるようなヤジが飛んでいる状況について「同じ候補者として演説を皆さんに伝えたいという思いは同じだろう。現場を見ていないが同情したい。選挙はやはり、お互いをリスペクトしながら、応援していく活動になればいいなと思う」と記者団に語った。(奥原慎平) 

 

 

 
 

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