( 188718 )  2024/07/08 02:20:28  
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Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 任期満了に伴う東京都知事選挙は7日に投開票が行われ、現職の小池百合子氏が勝利宣言を行った。3回目の当選となり、任期は4年間。都選挙管理委員会によると、推定投票率は39.26%で、前回の37.32%を上回る見通しだ。 

 

NHKが午後8時からの開票速報で当選確実を報じた後、小池氏は「重責を痛感する。もっと改革を進めろ、もっと生活を支えてくれという思いを頂戴した」と語った。3期目の課題として物価高や少子化対策、デジタル化、女性活躍推進、防災などの課題を挙げ、「全身全霊で対応していきたい」と述べた。 

 

過去最多の56人が立候補した都知事選は、地域政党「都民ファーストの会」と自民、公明両党が支援する現職の小池氏に、立憲民主、共産両党が支援する蓮舫氏が挑む事実上の与野党対決の形とみられていた。ただ、NHKの出口調査では広島県安芸高田市の石丸伸二前市長が蓮舫氏を上回る2位となっている。 

 

石丸氏は「できることは全部やったと言い切れる」と支持者にあいさつした。蓮舫氏は敗因について「力不足、そこに尽きる」と語った。 

 

政治資金問題を巡る逆風を受け、自民党は4月の衆院3補選での全敗に続き、静岡県知事選でも立民などが支援した候補に敗れている。小池氏の勝利で立民躍進の流れに歯止めをかけた形だが、内閣支持率が低迷する岸田文雄首相の政権立て直しにつながるかは不透明だ。衆院解散・総選挙もにらみ、9月の総裁選に向けた同党内の駆け引きは続きそうだ。 

 

一方、立民も知名度の高かった蓮舫氏の敗退で衆院選戦略の見直しを求められることになる。 

 

ピクテ・ジャパンの市川眞一シニア・フェローは、現職の小池氏が負ければ「自民党の支持が敗因」と言われかねない状態だったと指摘。小池氏の勝利は岸田政権の支持率低迷を劇的に改善するものではないが、敗北による「強烈な打撃」を回避する効果があったと事前の取材でコメントした。 

 

都議補選 

 

都知事選と同時に9選挙区で行われた都議補選では自民党が8選挙区で候補者を擁立しており、9月の総裁選を前に同党への逆風の度合いをより直接的に測る試金石となる。 

 

 

都議補選では、自民党の茂木敏充幹事長や石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相、高市早苗経済安全保障担当相ら「ポスト岸田」候補として名前の挙がる議員が次々と候補者の応援に駆け付けた。総裁選や次期衆院選もにらみ、それぞれ自らを党の「選挙の顔」としてアピールした形だ。 

 

法政大学大学院の白鳥浩教授は事前取材で、小池氏が当選しても自民党内で岸田首相の降板を画策する動きは止まらないと述べた。同党国会議員の多くは「小池氏が自民党の力で当選したのではない」と理解しており、衆院選での惨敗回避には総裁交代が必要との考えを変えないだろうとの見方を示した。 

 

--取材協力:横山恵利香. 

 

(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Yuki Hagiwara 

 

 

 
 

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