( 191293 )  2024/07/16 01:21:28  
00

TBS NEWS DIG Powered by JNN 

 

食卓に欠かせないお米の高騰が続いています。都内のおにぎり専門店でも“値上げ”を迫られる事態となっていました。 

 

【写真を見る】「このままだと再値上げ」おにぎり360円→430円に 猛暑影響“1等”のお米が高騰 2等米は“早炊き”でおいしく【Nスタ解説】 

 

■「コメ」高騰で食卓ピンチ…「コシヒカリ」は278円値上げも 

 

良原安美キャスター: 

2023年の猛暑などの影響によってお米の価格が上がっています。 

 

東京23区「コシヒカリ」小売価格(5kg) 

2023年6月:2283円 

2024年6月:2561円 

 

2023年と比べると278円も高くなっているんです。いろいろなものが値上げしていますが、お米は食卓に欠かせないので、痛いですよね。 

 

井上貴博キャスター: 

物価高や猛暑があって…全体が上がってるというより、1等米という美味しい部分の価格が上がっているということです。 

 

経営コンサルタント 坂口孝則さん:米騒動ではないですが、今すぐ米が不足するわけではありません。ただ、有明海の海苔も不作で海苔の値段が上がっているのは事実です。家計としては、いかに節約するかが重要になってきます。 

 

ホラン千秋キャスター: 

海苔も2024年特有の不作なのか、環境や気候の変化で不作になりつつある傾向なのか、どちらなのでしょうか。 

 

坂口さん: 

ここ数年間不作です。2024年は2023年に比べて、年間約10万円ほど家計負担が増加するといわれています。1週間あたりで計算すると週に2000円ほど、去年より節約しないといけないので、総合戦で考える必要があると思います。 

 

■コメ高騰で「おにぎり」専門店も値上げ 360円→430円 

 

良原キャスター: 

米の高騰で「おにぎり」も値上げしています。「戸越屋」の人気商品「卵黄+そぼろ」は70円値上げとなっています。 

 

“おにぎり専門店”「戸越屋」(東京・品川区) 

人気商品「卵黄+そぼろ」おにぎり 

360円(2023年11月)→430円(現在) 

 

戸越屋 戸越銀座本店 木本英二店長「なんとかギリギリやっている状況。このままだと再び値上げせざるを得ないかもしれない…」 

 

精米店にも影響が出ています。お米マイスターの小池理雄さんによると、「低価格帯のお米にお客さんの人気が集中している」ということです。 

 

 

価格の高騰は、米の量が減っているわけではなく、品質が下がっていることも要因にあるようです。猛暑の影響で1等米が減少しているといいます。 

 

農林水産省 担当者 

「2023年の猛暑の影響で1等米の収穫は減ったが、コメ全体の収穫量は平年並み。民間の在庫は十分にあり、ひっ迫しているわけではない」(6月時点) 

 

米には1~3等と等級があり、主に米粒の大きさや形で選定されるといいます。 

 

今、市場に出回っているお米は、2023年産ですが、農水省が見た目の評価が高いと判断した1等米の比率は60.9%と、前年から17.7ポイント減少しています。2004年以降で最低の比率だということです。 

 

■「“早炊き”がおすすめ」見えない2等米…おいしく炊く方法は? 

 

スーパーなどでは1等米などと書かれているわけではないため、判断することができないということです。味に違いはあるのでしょうか。 

 

お米マイスターの小池理雄さんは、1等と2等の味の違いについて、「そこまで味に違いはありませんが、1等米のほうが弾力が強く食べ応えがあると思います」としています。 

 

「いつも通り美味しく炊けない」「いつも通り炊いているのに、柔らかくなってしまう」という場合は、2等米を食べている可能性があるということです。 

 

2等米はどのように炊けば良いのでしょうか。 

 

【お米マイスター 小池理雄さん「2等米 おいしく炊くには?」】 

▼おすすめは“早炊き”機能を使う 

2等米は1等米に比べて柔らかい→水に浸しすぎると、柔らかくなりすぎる 

“早炊き”なら水に浸す時間も短い 

▼炊いた後のほぐしも、いつもより優しく 

 

井上キャスター: 

様々なものが値上げしていて、利益が出ない、人件費も高いという状況、経営者としてはどうやりくりしていけば良いのでしょうか。 

 

坂口さん: 

経営者と話すと、わずか10円~20円の値上げで日本の消費者は逃げていくという声が聞かれました。コメンテーターという立場だと気楽に「値上げしたらどうか」と言えますが、現場では相当難しい状況です。 

 

 

“客寄せ”価格を維持しつつ、お店の価値を理解してもらい、次はちょっと高めに…と理解を促進するしかないように思います。 

 

ホランキャスター: 

物価を価格に転嫁するためには、どんな環境が必要ですか? 

 

坂口さん: 

実質賃金が2年連続マイナスですが、これが上がることが重要です。 

 

中小企業が価格を転嫁できるよう、行政も頑張っています。この流れが浸透して数か月後に実質賃金も上がってくてば、企業間の価格にも理解が深まるのかなという期待はあります。 

 

井上キャスター: 

理論上、頭では理解できるのですが、本当に良いサイクルへ回っていくのでしょうか。 

 

坂口さん: 

国家予算も価格も上がり続けるのが通常の国ですが、日本は30年ずっとデフレだったので、“価格が上がることに慣れていない”と思います。ただ、人手不足がもっと広がると、どうしても価格を上げざるを得ないと思ういますので、期待もしたいと思います。 

 

========== 

<プロフィール> 

坂口孝則さん 

「ビジネスモデル」に詳しい経営コンサルタント  

原価・物流・調達・マーケティングが専門 

 

TBS NEWS DIG Powered by JNN 

 

 

 
 

IMAGE