( 191698 )  2024/07/17 03:06:59  
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今季が3年契約の3年目となる中日・立浪和義監督 

 

 中日・立浪和義監督の去就に関して早くも議論が起こっている。今季が2021年のオフに結んだ3年契約の最終年となるが、果たして4年目以降も“ミスタードラゴンズ”がチームを指揮する可能性はあるのだろうか。 

 

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 今季のセ・リーグはここまで混戦となっており、全球団に上位進出のチャンスがある状況だ。しかし5位の中日は4位の阪神から5ゲーム差と少し差があり、最下位のヤクルトとともに厳しい状況になりつつあるのは間違いない(7月15日終了時点)。 

 

「セ・リーグは4強2弱という見方もできるでしょう。中日とヤクルトは今からギアを入れ替えないとAクラス入りがさらに遠のいてしまう雰囲気がある」(スポーツ新聞野球担当デスク) 

 

 立浪監督3年目の今季は開幕から粘り強く戦い、4月には引き分けを挟んで6連勝を記録するなど単独首位にも立った時もあった。だが、その後は苦しい戦いが続きズルズルと下位に。何とか反撃を期待したいところだが、苦しい“台所事情”もある。 

 

「故障者が出始め歯車が狂い出してしまった。特に二遊間が計算通りにいかなかったのが痛いところ」(在京球団編成担当者) 

 

 今季はロドリゲスが遊撃手、田中幹也が二塁手の開幕スタメンとなっていたが、プロ2年目の村松開人が攻守でアピールし、遊撃手の定位置を確保。田中との二遊間コンビは評価が高かったが、6月に村松が故障で長期離脱となり、現在は二軍でリハビリとなっている。 

 

「村松の怪我は痛かった。田中とのコンビでかつてのアライバ(荒木雅博、井端弘和)のような名二遊間が生まれる予感がしていたが……。ロドリゲスの身体能力は高いが荒削りでまだまだ時間がかかる選手でしょう」(中日OB) 

 

 シーズン当初は「今年は違うって言っているじゃないですか」と立浪監督が自信を口にしていた時期もあった。チームの攻守の軸でもある二遊間が固まるなど、目指す野球ができるメドが立っていたのかもしれない。だが、怪我での離脱者が出てプランの修正を余儀なくされた形だ。 

 

 

「今季も苦戦しているが立浪監督の色も出始めている。最小失点に抑えながらチャンスをものして強力ブルペン陣で勝ち切る。選手層の薄さも低迷の原因となっている中で頑張っていると評価できる部分もある」(中日OB) 

 

 立浪監督就任後は2022、23年と2年連続で最下位に沈んだ。今季もBクラスに低迷しており、ネット上を中心に「立浪監督は今季限りで……」という声が圧倒的に多い。しかし中日OBなど関係者の間での評価は決して低くないようだ。 

 

「元々チーム編成にも問題があった。積極補強を行なっているように見えたが、他球団を戦力外となった選手を獲得するケースが目立っていた。峠を過ぎた感じもある選手も含まれるので選手層が薄くなるのは当然」(スポーツ新聞野球担当デスク) 

 

 昨シーズのオフには多くの選手を迎え入れた。通算303本塁打の中田翔(前巨人)、上林誠知(前ソフトバンク)、中島宏之(前巨人)、山本泰寛(前阪神)、野手の新助っ人ディカーソンらを獲得した。中田を筆頭に名前だけ見れば豪華にうつるが、上林などは他球団を戦力外となった選手。近年の成績を見る限りでは、未知数な部分が多かった。 

 

「球団はビジネスとして利益が出ることを第一に考えているのではないか。観客動員も右肩上がりでグッズ売り上げも好調。選手補強に大金をかけてまで勝利に固執する気持ちがなさそうにも見える」(スポーツマーケティング会社関係者) 

 

 中日は昨シーズン、2年連続の最下位となったが客足が伸びていることで話題となった。勝ててはいないがビジネス的には“成功”していることから補強は予算内で行い、球団の黒字化が第一目標、「結果が出なくても仕方ない」というスタンスのようにも感じる。 

 

「“謎采配”などと、立浪監督を批判する声は多いが最善を尽くしている。また観客動員が好調なこととミスタードラゴンズが監督であるということは無関係ではない。来年も契約を結ぶというのは理にかなっている部分も多い」(スポーツマーケティング会社関係者) 

 

 

「監督を交代しても今のままでは同じことの繰り返し。それならあと数年、任せてみてはどうだろうか。まだ粗削りな部分も多いが、生え抜きの若手が頭角を現しつつある。立浪監督の色も出始めているので、もう少しチームを指揮してもらうべきではないか」(中日OB) 

 

 立浪監督就任前から得点力不足は指摘されており、その課題はいまだに解消されていない。だが、先述した村松の離脱はあったものの、昨季現役ドラフトからブレイクした細川成也、2022年にリーグ最多安打をマークした岡林勇希、大砲候補の石川昂弥、2年目の福永裕基、助っ人のカリステなど計算できそうな選手も増えてきた。投手も先発、中継ぎともに安定感のある投手も多く、立浪監督が指揮するようになってから、ようやく“戦えるメンバー”が揃ってきた印象も受ける。 

 

「野手も含めて若手のさらなる底上げが必要。今のところ誰が監督をやってもなかなか結果を求めるのは酷ではある。それならば引き続き立浪監督に任せるのが最善策かもしれない」(在京球団編成担当者) 

 

「名古屋という土地は歴史的背景もあり負けることが許されない雰囲気がある。しかし立浪政権は現役引退後、長年にわたって誰もが待ち焦がれた末に誕生した。ビジネス的にもハズレではなさそうなので契約延長の可能性はある」(スポーツ新聞野球担当デスク) 

 

 プロは勝負の世界だけに「立浪監督更迭論」が出るのは理解できる。しかしグラウンド内外をトータルで考えた時、今の中日を指揮する人物としては最適かもしれない。まだシーズンは折り返したばかりだが、残りの試合で1つでも順位を上げ、来年に期待が持てるチームを作りたいところ。そうすれば、おのずと来季も立浪監督続投という流れになるのではないか。 

 

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