( 193203 )  2024/07/21 15:44:52  
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黒船なき令和の日本で、革命なき安逸の日々のなかで、激烈な政権交代は起きるのか? 

 

しかし、いま変わらなければ――かならず日本は、沈む! 

 

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百戦錬磨の戦略家、橋下徹(55歳)。時代を見定め、歴史を洞察し、日本人の本質を透徹した先に見えた悪魔的リアリズム、それが「政権変容論」だ。橋下氏は言う。 

 

「『政権変容』が劇的に新しいのは、自民党がどうであろうと関係なく、野党が腹を括って決断しさえすれば次の総選挙で実現できるところです」 

 

2024年の選挙から、グレートリセットは始まるのだ。 

 

7月19日発売の最新刊『政権変容論』(講談社刊)から、特別に内容を抜粋してお届けしていこう。 

 

『政権変容論』連載第3回 

 

『橋下徹が都知事選の結果を冷徹にリアルに総括!日本政治のキーパーソンは「無党派層」だ』より続く 

 

写真:現代ビジネス 

 

誤解しないでほしいですが、僕も本来は、政権交代可能な二大政党制が日本に根付くのが理想だと考えています。政権交代の緊張感を国会議員に持たせることが、日本の政治がシャキッとする一番の柱だと思っています。 

 

しかし今の野党の状況を見れば、いきなり政権交代が実現するとは思えません。 

 

政治の世界では、理想の夢物語を語るだけではいつまでたっても政策実行はできない。夢物語を語るだけでいいのは学者やコメンテーター、言論人までです。 

 

政治家は実行しなければならない。 

 

そのためには理想のゴールに向かって、まずは中間ポイントに到達すること。その中間ポイントに到達する力が備わって初めて、ゴールを目指すことができるのです。 

 

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政権交代が理想のゴールであれば、その中間ポイントがまさに政権変容です。 

 

これまでの政治の世界、政治評論の世界においては、自民党と社会党という与野党に分かれたいわゆる55年体制の政治を引きずり、与党が過半数割れをすれば即政権交代!を所与の前提としていました。 

 

しかし国民はいきなりの政権交代に不安を抱いています。2009年の民主党への政権交代の苦い記憶がまだ染みついています。そして今の野党の状況にも不安がある。 

 

このような状況で野党がいくら政権交代を叫んでも、たとえ国民が自民党に嫌気がさしていたとしても、国民は政権交代にまで踏み込めず、結局、自公過半数が維持される判断を繰り返してきたのだと思います。そうなることで結局、自公政権が何も変化なく続いていく。 

 

このような連鎖を断ち切るためには「政権変容」というワンステップを踏まなければならないのです。 

 

 

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自公が政権から完全に去るわけではないが、過半数割れをし、政策ごとに野党が参加することで過半数を形成していく。 

 

こうなると、過半数割れとなった自公は、野党の言うことに形だけ耳を傾けるというわけにはいきません。 

 

過半数を成立させるためには、野党のどこかと必ず合意を得なければならなくなります。その際、必ず野党の言い分を実質的に聞き入れなければならなくなる。 

 

他方、野党側も一つにまとまって過半数勢力をつくるわけではないので、過半数割れした自公に対してなんでも反対というわけにはいかないでしょう。 

 

特に日本維新の会、国民民主党などは、過半数割れした自公と過半数を成立させるための建設的な協議を行うでしょう。 

 

この協議が国会で行われれば、国会が活性化することは間違いありません。 

 

『ただ反対するだけの野党にはウンザリ…橋下徹「野党が目指すべきは政権『交代』よりも政権『変容』」』へ続く 

 

橋下 徹(元大阪府知事・元大阪市長) 

 

 

 
 

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