( 193673 )  2024/07/22 17:32:43  
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喫煙&飲酒の発覚でパリ五輪代表を辞退した宮田笙子。その処分を巡って場外バトルが勃発(写真:長田洋平/アフロスポーツ) 

 

喫煙と飲酒でパリ五輪代表を辞退した宮田笙子(19、順天堂大)の問題を巡る波紋が収まらない。SNSでは議論が沸騰。特に元大阪府知事の橋下徹氏(55)と実業家のひろゆき氏(47)がX(旧ツイッター)上で激しい場外バトルを展開させている。青学駅伝部の原晋監督(57)も“参戦”。「飲酒、喫煙に至った背景は何だったのか?」と問題提起した。所属先の順大が声明文で日本体操協会の決定に疑義を呈したが、五輪スポーツの発展のためにも、さらなる問題の原因究明が必要だろう。 

 

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 19歳の宮田の喫煙&飲酒発覚によるパリ五輪代表辞退問題が、有識者によるSNS上での“場外バトル”に発展している。 

 口火を切ったのは元大阪府知事で弁護士の橋下氏だった。 

 協会が下した決定に支持の論戦を張ったが、その持論に「時代遅れ」との批判が集まった状況を受けて、20日夜に自身のXへ「俺はシーラカンスか!?」と、皮肉をこめて反論。訴えてきた主張を改めて長文にまとめた。 

 その一部を抜粋すると「どのような分野であっても、チームで高い目標を目指して修練している場においては喫煙・飲酒が制限されることがあるだろう。特に身体を用いるスポーツの分野においては。この制限とそれに反した場合に、チームから去ってもらうことが著しく不合理だとは思わない」(原文ママ、以下同じ)という内容だった。 

 喫煙などに関する情報提供を受けた日本協会の聞き取りに対して、宮田は今年6月末から7月の間に喫煙はプライベートの場で、飲酒は東京・北区のナショナルトレーニングセンター内のアスリートビレッジの居室内で、ともに一度ずつおよんだと認めた。 

 橋下氏は特に飲酒を問題視した。 

 ポストされたXの中で、「しかし今回の宮田さんはトレーニングセンター内で禁止されている飲酒をした。この場面ではチームから外れてもらうというのも仕方がないというのが僕の感覚。この場面ではたかがタバコ・酒くらいで、という話ではない。これが許されるなら、集中しなければならない修練中に禁煙・禁酒のルールを定めることができなくなる。(中略)しつこいが修練中はチームから外れてもらわなアカンと思う」と指摘した。 

 だが、橋下氏の考えへの反対意見も少なくなかった。その代表が、自らも喫煙者である実業家のひろゆき氏。「2ちゃんねる」の創設者で、パリ在住のひろゆき氏は、“最強のディベータ―”としても知られる人物だ。 

 橋下氏のXを引用したうえで、21日の未明に自身のXを更新した。 

「未成年の飲酒・喫煙禁止は未成年を守る為のもので、罰する為のものではないと考えるおいらです。まして2ヶ月後に飲酒も喫煙もOKな成人に過大な罰を与えるのは本人の為になるのかな?、、と。本来18歳から成人なので飲酒喫煙も成人が自己判断すべきものなのに、法の不整備で飲酒喫煙禁止という謎状態」 

 日本の法律では喫煙、飲酒は20歳以上でなければ認められていないが、宮田は9月21日の誕生日で20歳になる。 

 橋下氏も21日午後に再びXを更新。投稿のなかで「やはり今回の議論の混乱の原因は①スポーツ選手が私生活上に求められる品位と②団体規律の話がごっちゃになっていること」と結論づけ、さらに品位に対して「過剰に求めるべきではないでしょう」と断りを入れた上で改めて持論を展開した。 

「しかし②はどうでしょうか?各団体には団体規律を維持するものとして様々なルールがあります。それは法律違反のレベルにならないものも禁じています。今回の体操協会の行動規範も絶対的な禁煙・禁酒を求めているのではなく『代表としての活動の場における』禁煙・禁酒です。ゆえに単純に『たかだかタバコ、酒くらいで!』という話とは異なります。未成年喫煙・飲酒ということで喫煙・飲酒がキャッチーになりましたが、ポイントは団体規律なんです」 

 

 

 19歳の宮田の行為は、日本オリンピック委員会(JOC)が定める国際総合競技大会派遣規程の「法令の遵守」に加えて、日本代表チームとして活動する場所において「20歳以上であっても喫煙は原則禁止、飲酒は禁止」と定める日本体操協会の行動規範にも違反していた。 

 さらに同日夜にはひろゆき氏の投稿を引用しながら、橋下氏は再びXを更新した。 

「団体規律の領域でなければ、俺もひろゆきさんと同意見。(中略)団体規律=団体活動の場における規律をどこまで求めるかというところでの考えの違いやね。宮田さんには奮起して欲しいし、代表選手としての活動の場以外で喫煙・飲酒して欲しい」 

 別の投稿で「ちなみに今回の件は、宮田さんが成人になったとしても代表は辞退となるでしょう」と念を押した橋下氏へ、ひろゆき氏は、そもそも日本体操協会が定めた行動規範を問題視するコメントをポストした。 

「オリンピックは、特定の団体に所属しないと参加するチャンスがないので、団体が変なルールやパワハラしても選手は逆らえない構造。世界中の人達が、スポーツの実力で争うのがオリンピックの良さであり、合理的ではないローカルルールで実力のある人が排除されるのは、選手を無駄に委縮させるかと」 

 両者の主張が、平行線をたどる中で、この問題に“参戦”したきたのが、青山学院大陸上競技部長距離ブロックの原監督だ。 

「そもそもなぜ飲酒、喫煙に至ったのか?その背景を知りたいな。体操界の問題?大学体育界の問題?友人関係?はたして個人だけの問題なんだろうか?」 

 その背景のひとつについては、日本体操協会が19日に開いた緊急会見で明らかにしている。宮田は協会の聞き取り取りに対して憔悴した様子で「競技目標に対して数々のプレッシャーがあり、そのような行為におよんでしまった」と説明したという。 

 会見に同席した宮田の担当コーチである順天堂大の原田睦巳監督(48)も涙ながらに「申し開きをするわけではないが、キャプテンとして日本代表を引っ張っていかなければいけない、結果を残さなければいけない、という思いのもとで日々努力し、プレッシャーとも戦いながら苦しんでいる姿を間近で見てきました」という話をしていた。 

 だが、原氏が指摘するように、そのプレッシャーを排除するために協会がどんなアプローチをしていたかも含めて、さらなる原因究明は必要だろう。 

 ちなみに青学の駅伝チームでは喫煙を禁止。飲酒については20歳以上の選手であっても、選手寮で飲酒できるのは箱根駅伝復路後の1月3日と、同月下旬の夜に行われる4年生を送る会の年2回と厳格に定めているという。 

 

 

 
 

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