( 194203 )  2024/07/24 15:04:36  
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「日本代表の心臓になれる」と期待された若者の逮捕が、関係者の間で波紋を広げている。 

 

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7月14日、警視庁は30代の女性に性的暴行を加えたとして、サッカー日本代表の佐野海舟容疑者(23歳)ら3名を不同意性交容疑で逮捕した。 

 

佐野容疑者らは、女性2人と計5人で13日夜から六本木で会食した後、文京区のホテルに移動、女性1人が帰宅した後に犯行に及んだとみられている。 

 

佐野容疑者は取り調べに対して、「間違いありません」と容疑を認めていることが報じられた。共に逮捕された二人は、地元である岡山県のサッカークラブのチームメイトだったいう。 

 

佐野は'23年に代表デビューを飾り4キャップを数えるなど、日本サッカー界を背負って立つ若手選手として期待されていた。 

 

「今夏に鹿島アントラーズから、ドイツの古豪・マインツへ移籍することが内定していた。400万ユーロ(約6億円)という移籍金は、Jリーグから欧州へ直接移籍するケースとしては破格。佐野は日本人離れしたフィジカルに豊富な運動量を兼ね備え、『現代的なボランチ』として欧州からも高い評価を受けていた。 

 

それだけに日本サッカー協会も慌てふためいており、サッカー界全体に影を落とす事件になってしまった」(サッカーライター) 

 

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周辺取材をすると、佐野の人柄については、「口数が少なく真面目な子」「『根暗』ともいえるほど物静かで集団の中で一歩引いたような存在」という言葉が返ってくる。そのうえで、佐野を知る人たちが口をそろえるのは、 

 

「彼がやったとは本当に思えない」 

 

という言葉だ。 

 

佐野を知るサッカー雑誌編集者が明かす。 

 

「ボール奪取能力が高いことから、名前にかけて『佐野回収』というあだ名でファンや仲間から親しまれていました。佐野には結婚を約束した婚約者がおり、親しい関係者には近く籍を入れることも報告していた。ドイツにはお相手を連れて行く予定だったとも聞いています。それだけに、なぜ今こんな事件を起こしたのか、腑に落ちない部分が多いんです……」 

 

岡山県出身の佐野は、地元のクラブチームを経て鳥取県の米子北高校へ進んだ。1年時からレギュラーを確保すると、チームを3年連続のインターハイや選手権出場に導く原動力となった。しかし、3年冬の高校サッカー選手権では、県大会すべての試合でベンチ入りもしていない。いったい何があったのか。 

 

「サッカー部の部員複数が合コンの席で飲酒、喫煙があったことで謹慎処分となっています。その連帯責任だったと。佐野は坊主頭にした上で背番号『10』も剥奪された」(同前) 

 

 

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卒業後は、当時J2だった町田ゼルビアへ加入した。1年目から出場機会を得ると、'20年にはリーグ戦41試合に出場するなど主力として定着。町田ゼルビアの元スタッフが振り返る。 

 

「入団当時から能力は高いと感じましたが、2年目にはボール奪取力は代表クラスといえるほどに成長した。ボランチとしてまさに『チームの心臓』の役割を果たしていた。'22年6月に佐野が『オーバートレーニング症候群』で離脱すると、チームの成績が目に見えて沈むほど、主力として活躍していました。 

 

佐野の性格は一言でいうなら寡黙で、淡々とトレーニングはこなす子ですね。印象的だったのは今の若い選手には珍しく、『代表でやりたい』『海外でやりたい』ということを口に出すタイプではなく、地に足がついていた。 

 

リーダーシップをとって周りを引っ張っていくタイプではないけど、先輩からもいじられキャラで愛されていた。ただし、真面目な分、考えすぎる面があったり、繊細すぎる部分もあり、自分の世界観を人と共有したり悩みを打ち明けるような子ではなかったですね」 

 

'22年シーズンは6月以降、半年間サッカーから離れている。後に佐野自身が、オーバートレーニング症候群を患っていたことも告白した。しかし、クラブから公式な離脱理由が発表されなかったことで、様々な憶測を呼んだ面がある。「これはごく一部の人しか知らないことですが」という前置きの上で、こんな話しも聞こえてきた。 

 

「実は当時の彼は、メンタル面でかなり追い込まれており、サッカーができるような状況ではなかった。だからこそクラブ側も慎重になり、彼の佐野のキャリアを考慮して、大事にはしないよう発表も控えたんでしょう」(前出・編集者) 

 

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翌シーズンは環境を変えて、鹿島アントラーズに移籍すると一気にブレイクを果たし、日本代表へ選出されるほどの選手となった。その活躍が認められ、今季からはブンデスリーガ挑戦……そんななかで起きたのが今回の事件だったのだ。 

 

前代未聞の事件を受け、移籍先のマインツは次のような声明を発表している。 

 

「マインツは新加入の佐野海舟が母国で逮捕されたという日本のメディア報道に驚きました。情報が不足しているため、この報道についての評価やコメントはまだできません」 

 

代表の森保一監督は7月20日、「サッカーに関わる者としては、残念な行動だったかなと思う」と報道陣に話した。 

 

前出のサッカーライターは、「それでもあの真面目な海舟がやったとは、未だに信じられないんですよ……」とも心情を述べる。 

 

なぜ、佐野は犯行に及んでしまったのか。多くのサッカー関係者が捜査の行く末を見守っている。 

 

……・・ 

 

【さらに読む】『新証拠入手…!伊東純也「性加害騒動」の当事者が、涙ながらに「でっち上げ」を訴えたワケ』 

 

週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) 

 

 

 
 

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