( 194411 )  2024/07/25 00:45:11  
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フランスのゲーム会社が発売予定のゲーム「アサシン クリード シャドウズ」で、織田信長に仕えた黒人の弥助を主人公として描いていることがSNSなどで炎上している。

日本政府は、公序良俗に反する可能性がある場合は慎重な対応が必要との見解を示し、ゲームの史実の正確性などが問題視されている。

開発会社は忠実な描写を目指しているが、歴史と文化の忠実な表現を懸念する声を尊重し、お詫びしている。

(要約)

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ゲーム「アサシン クリード シャドウズ」で屈強な侍として描かれる主人公の弥助(ユービーアイソフト提供) 

 

織田信長に仕えた黒人の「弥助」を主人公の侍にしてフランスのゲーム会社が発売予定するソフトがSNSなどで「炎上」している問題で、政治団体「NHKから国民を守る党」の浜田聡参院議員は文部科学省などに見解を尋ね、文科省は24日までに「公序良俗に反する内容が疑われる場合は慎重な対応が求められる」などと回答した。浜田氏の秘書が公表した。ソフトは史実に関する描写の正確性などが問題視されており、発売中止を求めるオンライン署名活動に発展している。 

 

【画像】「アサシンクリードシャドウズ」開発チームより、日本の皆さまへ 

 

炎上しているのは仏ユービーアイ(UBI)ソフトが11月に発売する『アサシン クリード シャドウズ』。今年5月、2人いる主人公の1人が弥助だと公表されると、実在の人物である弥助に関して「本当に侍だったか」などと論争が起きた。弥助を巡っては、2019年に日本大学准教授のトーマス・ロックリー氏が著書で、戦国時代の日本について「アフリカ人奴隷を使うという流行が始まったようだ」と記述しており、「偽史」の拡散を懸念する声も相次いだ。 

 

浜田氏側は11日に、ロックリー氏を巡って「想像で本を書き、内容を史実として世界に広め、作り物の歴史を世界の真実にしてしまう」といった懸念や、一部公開されたゲーム内容に関して「日本文化・歴史・日本人を酷く軽視し、歪められた」といった指摘などについて、関係省庁に見解を尋ねていた。 

 

文科省は「家庭用ゲームが子供に及ぼす悪影響について、一般論として、公序良俗に反する内容が疑われる場合などには、慎重な対応が求められる」と回答。外務省は「ゲームにおける話で、外交とは関係していないことから、対応できかねる」、経済産業省は「個別のゲームにコメントすることは差し控える」とした。 

 

UBIソフトは23日、開発チームのコメントを発表し「忠実な描写に努めているものの、あくまでも歴史上の実在の出来事や人物にインスパイアされたフィクション作品」と説明した上で、「歴史と文化の忠実な表現を憂慮される皆さまのご意見は深く尊重されるとともに、懸念を生じさせたことについて、心よりお詫び申し上げます」と釈明した。(奥原慎平) 

 

 

 
 

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