( 194722 )  2024/07/26 00:25:04  
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スタンドに掲示された動画撮影禁止のはり紙(福井県敦賀市の市総合運動公園野球場で) 

 

 高校野球の地方大会で、スタンドでの動画撮影やSNSへの動画の投稿を禁止する動きが広がっている。選手らが特定できる動画がSNSで拡散し、トラブルが起きているためだ。8月7日に甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する全国高校野球選手権大会でも、日本高校野球連盟が投稿を控えるよう呼びかけている。 

 福井県で行われている全国高校野球選手権福井大会。スタンドの入り口に「動画の撮影は禁止」と書かれたはり紙が掲示されている。 

 

【写真】夏の高校野球 兵庫大会 

 

 県高野連は数年前から、申請があったスカウトなどを除き、スタンドでの動画撮影を禁止している。三脚が放置されるなどのマナー違反が多発したためで、球児や応援する生徒の個人情報がSNSでさらされるのを防ぐ狙いもある。中川秀樹理事長は「選手が嫌な思いをすることはあってはならない」と強調する。 

 高校野球では近年、プレーの動画やテレビ中継の転載映像がSNSで拡散し、選手らに過剰な批判が集まる事例が相次いでいる。今夏も、関東地方の大会で本塁のクロスプレーを巡り、ランナーを批判する投稿が拡散した。 

 愛知県高野連は、昨年春から動画投稿を控えるように呼びかけるアナウンスを球場で流している。投稿の中には広告収益目的も多いとみられ、鶴田賀宣理事長は「高校野球は教育の一環で、利益目的の投稿は理念にそぐわない」と説明する。京都、大阪の高野連も投稿を禁じている。 

 

 甲子園での本大会も投稿は禁止されている。日本高野連は「肖像権を巡るトラブルを避け、選手を守るための措置」と説明している。 

 

 

 
 

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