( 195177 )  2024/07/27 02:29:02  
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保釈された今西被告(大阪拘置所・午後5時ごろ) 

 

 2歳の義理の娘に暴行し死なせたとして一審で実刑判決を受け、控訴審で無罪を主張している今西貴大被告(35)が、26日に保釈を認められ、午後5時前、勾留されている大阪拘置所から出てきました。 

 

【画像】保釈された今西貴大被告(35) むせび泣き弁護士と抱き合う 

 

 今西被告は、白いワイシャツ姿で笑顔を見せていましたが、支援者らの姿が見えるとむせび泣き、迎えに来た弁護士と抱き合いました。 

 

 今西被告は2017年、大阪市東淀川区のマンションで、再婚した妻の娘、希愛ちゃん(当時2)の頭に衝撃を加え死亡させた罪などに問われています。 

 

一審判決の廷内イラスト 

 

 大阪地裁で行われた一審で、今西被告は「虐待したことは一度もない」と起訴内容を否認し、弁護側は「感染症などで死亡した可能性を否定できない」として無罪を主張していました。 

 

 一方、検察側は「頭のケガは故意の暴力でしか生じない」として懲役17年を求刑。 

 

 2021年、大阪地裁は「何者かが頭部に強い力を加えたことにより死亡したと認められ、暴行を加えられるのは被告人以外に考えられない」として懲役12年の実刑判決を言い渡し、その後、今西被告側と検察側の双方が控訴していました。 

 

今西被告(2018年) 

 

 去年5月に大阪高裁で控訴審が始まり、今西被告は改めて無罪を主張していて、今年5月に結審。判決は11月28日に言い渡される予定です。 

 

 高裁によりますと、保釈の決定を出したのは23日付で、その後、検察からの異議があり検討した結果、最終的に26日に認めたということです。 

 

 午後5時前、大阪拘置所から出てきた今西被告は、白いワイシャツ姿で笑顔を見せていましたが、支援者らの姿が見えるとむせび泣き、迎えに来た弁護士と抱き合いました。その後、報道陣らに会釈して、車で拘置所を後にしました。 

 

 会見で弁護団は、被告のコメントとして「保釈されると聞いて涙がでました」「誰もが突然、逮捕され、起訴され、有罪だといわれ、処刑されうると知った5年半でした」という文を読み上げました。 

 

 

 弁護団によりますと、保釈にあたり、GPSを常に身に着け移動情報を管理することや面会した人物の氏名などは全て報告することなど14項目の条件が設定されたほか、公判や毎月義務付けられた裁判所への報告に付き添う「監督者」がつけられるということです。 

 

 「監督者制度」は今年5月に施行された制度で、今回は今西被告の実母が監督者に選任されました。 その上で、保釈保証金と監督保証金、合計1200万円を納めたということです。 

 

 弁護団は一審と控訴審で合計11回にわたり保釈請求を行っていて、勾留から約5年5か月がたち初めて保釈が認められました。会見で弁護団は「一審で懲役12年の判決が言い渡されている被告の控訴審で、保釈が認められるのは異例。今回の裁判所の決定は重要であり敬意を表したい。審理経過などと照らし合わせて無罪を確信している」と話しました。 

 

「まずは応援してくださった方々に御礼を申し上げたいと思います。勾留されたことで、僕の人生はがらりと変わってしまいました。長い間、僕は独房の中にいて、社会から排除されていました。保釈許可決定がでたことを知ったとき、うれしくて涙が出ました。でも、最後まで判断は覆るかもしれないと思い、信じたいような、あまり期待したくないような複雑な気持ちでいました。そして、さきほど保釈許可決定が確定し、保釈されると聞いて、やはりまた、涙がでました。誰もが突然、逮捕され、起訴され、有罪だといわれ、処刑されうると知った5年半でした。納得のいく理由も教えてもらえないままにです。人質司法の生存者として、今回の体験は語り継いでいきたいと思います」 

 

 

 
 

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