( 195217 )  2024/07/27 14:51:17  
00

都知事選に出馬時の石丸伸二氏/編集部撮影 

 

元参院議員の田嶋陽子氏は、7月14日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)で、いま話題の石丸伸二と初めて共演した。 

 

【写真】大胆な水着姿に全米騒然…トランプ前大統領の「娘の美貌」がヤバすぎる! 

 

前編記事『「で、結局あの人は何がしたいの?」番組共演者が明かす、石丸伸二氏に覚えた「強烈な虚しさ」』では、石丸氏への強烈な違和感を語った田嶋氏だが、評価すべき点もあるという。ひとつが、都知事選でのどんでん返しだ。 

 

「開票前まで『小池さんと蓮舫さんの一騎打ちになる』なんてメディアは報道していたけど、蓋を開けてみたら蓮舫さんは3位で、2位になったのは石丸さんだったじゃない。SNSをうまく使って、フラストレーションが溜まった有権者から多くの票を集めたのは事実。これはすごいことだと思う。 

 

こんな風にSNSを駆使して、味方を増やした政治家はいままでいなかった。自分たちの馴染みのあるツールを使う石丸さんのような政治家が出てきて、特に若い有権者は『やっと自分たちの世代のことをわかってくれる人が現れた』って、うれしかったんじゃないかな」(以下、「」内は田嶋氏) 

 

田嶋氏と共演した先の番組内では、国政選挙に出馬しなかった理由について、「国会議員一人のほうができることは圧倒的に小さい」と語った石丸氏。この考えにも大いに賛同しているという。 

 

「国会議員より都知事のほうが自由にやれるのはその通り。国会は家父長制に支配された順番待ちの世界。新人議員なんて何もできないし、それこそ何か成し遂げようと思ったら相当時間がかかる。それは私も参院議員時代に嫌というほど思い知らされました。石丸さんみたいにギャンギャンやりたい人は、国会議員には向いていない気がする」 

 

ただ、石丸氏の政治家としての手腕を疑問視する声もある(詳細については関連記事『「都知事選で2位」の石丸伸二氏が出馬した「本当の理由」…安芸高田市長時代に残していた「4つのフェイク」』を参照)。 

 

安芸高田市長時代は議会と常に対立し、敵対議員をつるし上げるような行為も散見された。関連記事『支持者を取り込み、対立と分断も深まり…石丸伸二氏に猛激怒した安芸高田市議会関係者のホンネ』でも詳報しているように、石丸氏は裁判をふたつ起こされている。 

 

ひとつがポスター代の未払いをめぐる訴訟だ。 

 

石丸氏は2020年の安芸高田市長選に立候補した際、ポスター製作を依頼した印刷会社から約108万円を請求されたにもかかわらず、公費負担の上限額約35万円だけしか支払わなかったとされる。残りの約73万円の支払いを命じた1審、2審判決に納得のいかない石丸氏は上告したが、最高裁はこれを退け、7月5日付で敗訴が確定した。 

 

もうひとつが、名誉毀損による損害賠償訴訟だ。 

 

「議員から恫喝を受けた」といった石丸氏の嘘の主張で名誉を傷つけられたとして、安芸高田市議の山根温子氏が訴えを起こし、当時市長だった石丸氏に500万円、市に330万円の損害賠償を求めていたのだ。 

 

高裁は7月3日、1審に続いて「石丸氏の言動は真実とは認められない」と山根氏の主張を認め、市に33万円の賠償を命じた。この判決を受け、市は最高裁に上告しないと発表したが、市側の補助参加人だった石丸氏は上告受理の申立てをしている。決着はまだ完全についていない。 

 

 

ドナルド・トランプ前大統領/photo by gettyimages 

 

「正直、どっちもどっちだよね(笑)。おそらく石丸さんは交渉したり、調整したり、人と関係を築いたりする能力がないんでしょう。代わりに大きなビジョンを語ったり、アドバルーンを上げたりするのはすごく得意なんだと思う。 

 

でも政治家ってどちらの能力も必要じゃない? だから彼の苦手を補うような優秀な部下や右腕を見つけられたら、もしかしてバケるかもしれない」 

 

番組では「本気で政治のエンタメ化が必要」と語っていた石丸氏。「つまらないから見ない、見ないからわからない、わからないから政治が緩んできたのがこの何十年」だったと説明し、多くの有権者が興味関心を持つやり方を探したいと熱弁を振るっていた。 

 

「アメリカ前大統領のトランプさんなんて、まさにエンターテイナーだよね。彼の言動の是非は別にして、有権者の気を惹くという点ではかなり成功している。だって集まっている支持者がみんな楽しそうでしょ。 

 

それに比べると、日本にはそういう政治家は確かにいない。一番近いのは石丸さんかもしれないよね(笑)。お互いに毀誉褒貶は激しいけど、熱烈な支持者がいるし。彼は日本のトランプを目指したらいいんじゃない? じいさん政治家にはない魅力を活かしたらどお?」 

 

最後、石丸氏に向けてこうエールを送った。 

 

「彼に対しては批判的な気持ちが半分、期待する気持ちが半分。ずる賢くて、勉強していないところはバツ。一方で人を惹きつける魅力があるのは確かでしょう。でも、たとえまた政治家に戻れる日がきても、いまのままだったら絶対にうまくいかない。 

 

まだ41歳でしょう?人生折り返し地点じゃない。とりあえず知名度は上げたわけだ。あとはどれだけ素直に学べるかで将来が変わると思う」 

 

日本を変える大物になるか、単なる構文の使い手で終わるか。日本中が注目している。 

 

―――― 

 

そもそも、石丸氏が挙げた一夫多妻制は、本当に人口増加につながるのだろうか。つづく記事『石丸氏の「一夫多妻」発言はマレー系イスラム教徒からすると…複数の妻を持つムスリムが感じる「違和感」』では、その可能性について迫っています。 

 

週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) 

 

 

 
 

IMAGE