( 196994 )  2024/08/01 02:27:48  
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会見する日銀の植田和男総裁=31日午後、東京都中央区の日銀本店(鴨志田拓海撮影) 

 

日銀が利上げを進めることで生活にもさまざまな影響が出てきそうだ。家計に最大の逆風となりそうなのが、住宅ローン金利の引き上げ。専門家からは「金利ある世界」の本格的な到来に備え、家計全般の見直しが必要と指摘する声もあがる。 

 

【グラフで見る】住宅ローン金利の推移 

 

住宅ローンは一定期間または完済まで金利が変わらない「固定型」と、半年ごとに金利を見直す「変動型」に大別される。超低金利環境が長く続き、金利引き下げ競争が激化したことで、利用者の7割超を占める変動型は金利の下限が0・3%前後と歴史的な低水準となっている。 

 

各行は日銀の短期金利を参考に変動型住宅ローンの基準金利を決める。そこから、個人の信用情報などを基に一定の利率が引き下げられ、適用金利が決まる。 

 

住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」運営会社MFSの塩沢崇取締役は今回の利上げで9月に各行の基準金利が0・15%引き上げられると予想する。新規に借りる場合、9月以降は適用される金利も上がりそうだ。一方、現在、変動型を借りている人に新金利が適用されるのは来年1~6月と見込む。 

 

MFSの試算では元本3500万円、適用金利0・5%の変動型住宅ローンを借りている場合、仮に適用金利が0・15%上昇すると月の返済額は2340円増える。 

 

利上げが進むことによるプラス面もある。日米金利差の縮小が意識され、為替が円高方向に振れれば、輸入に頼る食料品やガソリンの価格低下が期待される。また、銀行預金の金利が上がれば、利息収入は増える。 

 

塩沢氏は今後の金利上昇を前提に「金利変動リスクに備えた家計全般の見直しも必要」と話す。(永田岳彦) 

 

 

 
 

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