( 197357 )  2024/08/02 01:41:14  
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東京の外国為替市場では、円高・ドル安が進んでおり、1ドル=149円台を示すモニターが設置された。

日銀が追加利上げを決定した一方、米国では利下げの可能性が取り沙汰されていることが要因とされる。

この金利差縮小の流れにより、円の価値が上昇しており、日米の金融政策が逆転する可能性が高まっている。

市場関係者によれば、歴史的な円安が転換する可能性もあり、円相場は大きな転換点にあるとの観測もある。

(要約)

( 197359 )  2024/08/02 01:41:14  
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1ドル=149円台を付けた円相場を示すモニター=1日午後、東京都中央区 

 

 外国為替市場で急速に円高・ドル安が進んでいる。 

 

 日銀が追加利上げを決めた一方、米国の利下げ観測が高まっているのが背景だ。金利差縮小が意識され、1日には円が一時1ドル=148円台半ばまで上昇。日米の金融政策が逆に進む方向性が鮮明になり、歴史的な円安の転換点になるとの見方もある。 

 

 日銀は7月31日の金融政策決定会合で追加利上げを決めた。植田和男総裁は会合後の記者会見で、「現在の実質金利は極めて低い水準」と指摘し、「経済・物価情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げる」と強調。市場では、「年内にもさらに利上げする」(東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト)との見方が広がった。 

 

 米国では同日、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを検討する可能性に言及。円買い・ドル売りに拍車が掛かった。 

 

 円は2022年から下落基調が強まり、今年7月3日には161円94銭と約37年半ぶりの安値を付けた。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、「日米の金融政策が逆方向に動くことで、歴史的な円安は修正局面に入る」と予想。年末に140~145円へ値を上げ、その後も年間10~15円の緩やかなペースで円が上昇するとみる。 

 

 ただ、7月中の値上がり幅は10円以上と上昇ペースは極めて速い。「円買い・ドル売りの動きは短期で終わる」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長)とみる市場関係者も少なくない。みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは、日米の金利差は市場の見通しほど縮まらないと想定し、「今後1年で140円を超える円高になるのは難しい」と話している。  

 

 

 
 

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