( 198849 )  2024/08/06 02:45:19  
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バレーボール男子準々決勝 イタリアに敗れ肩を落とす日本代表(撮影・河田真司) 

 

<パリオリンピック(五輪):バレーボール>◇5日◇男子準々決勝◇パリ南アリーナ 

 

 【パリ=竹本穂乃加】72年ミュンヘン大会以来52年ぶりの金メダルを目指すバレーボール男子日本代表が、76年モントリオール大会以来48年ぶりの4強入りを逃した。 

 

【写真】客席で声をあげて応援する女子日本代表 

 

 準々決勝で同2位のイタリアと対戦。2-3(25-20、25-23、25-27、24-26、15-17)で逆転負けした。 

 

 エースの石川祐希主将(28=ペルージャ)が両チーム最多の32得点と大活躍。1次リーグ無敗の強豪相手に2セット連取し、第3セット、第5セットもマッチポイントを握りながら押し切れなかった。 

 

 大接戦だった。1次リーグでは不調にあえいでいた絶対エースが、負けられない一戦で意地を見せた。第1セット、14-12から石川のスパイクなど一気の6連続得点で20点に乗せると、西田のブロックアウトでセットポイントを奪取。最後は相手のサーブがアウトとなり25-20で先取した。第2セットは一時は4点のリードをつけられたが、石川のサーブで崩して3連続得点。さらにサービスエースで17-17と同点に追い付いた。21-23から一気の3連続得点でセットポイントを握ると、最後も石川が決めきり連取に成功した。 

 

 第3セットも日本が先行した。リベロ山本がスーパーレシーブを連発。イタリアの決定打をことごとく止め、日本の得点につなげた。17-15から高橋藍のバックアタックが決まる。追いつかれそうになってもしっかりポイントを上げる。石川が右から決めてリードを広げる。西田のスパイクも決まった。24―21とマッチポイントを握るが4連続失点。石川のスパイクで持ちこたえたが、25-27と押し切られた。 

 

 第4セット、序盤は1点を争う展開だったが日本のサーブ、レシーブが乱れる。3-6とイタリアに先行された。放されないよう我慢の展開が続いた。山本のレシーブ、石川のスパイクが勝負どころで決まる。20-20と食らいつく。22―24の土壇場から石川が決めきり、相手のアタックが外れて同点。意地を見せたものの、最後は高橋藍のバックアタックがブロックにかかって24―26で奪われた。 

 

 勝負の第5セット。1点を争う中で一進一退の白熱した攻防が続いた。イタリアのスパイクが外れ5-4とリード。西田が決めて2点差とした。粘るイタリアとポイントを取り合う大激戦。先にマッチポイントを握ったが決められず。逆にイタリアにマッチポイントを奪られると、このまま押し切られた。15-17だった。 

 

 この試合が最後の指揮となったブラン監督は胴上げされた。指揮官は涙を浮かべて「準決勝進出を夢見ていただけに悔しいし、この試合が最後になるのは寂しい。ただチームを誇りに思う」。石川は「メダルを目標としていただけに、キャプテンとしても、選手としても力不足」と敗北をかみしめた。 

 

 イタリアは、16年リオ五輪で銀メダル、22年世界選手権優勝の実力国で、過去の対戦成績は27勝41敗と負け越していた相手。21年東京五輪でも1-3で敗れていた。イタリアリーグ・セリエAで9季プレーしてきた石川は「とても強い国」と警戒しつつ「こういうチームを倒さないと次に進めない。常に攻めの姿勢をとれるようにしたい」と意気込んでコートに入っていた。 

 

 予選トップ通過の強豪撃破にあと1歩と迫ったが力及ばず。それでも優勝候補と互角以上に渡り合った。この経験は次のロサンゼルスへと生かされる。 

 

 

 
 

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