( 199499 )  2024/08/08 02:07:52  
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(ブルームバーグ): 自民党の石破茂元幹事長は7日発行の新著で、「異次元の金融緩和」の長期化で国の財政と日銀の財務が悪化したとしてマクロ経済運営の危機に備えた新たな組織を設置すべきだとの考えを示した。 

 

金融緩和、財政出動、成長戦略を柱とした「アベノミクス」に関して「功罪についてきちんと評価すべき時期が来た」と強調した。異次元の金融緩和には円高・株安基調だった日本経済を円安・株高にシフトさせるなど一定の効果があったと指摘。10年続けたことで国や日銀の財務悪化に加え、超低金利下で企業も「やすきに流れた面があったのではないか」と疑問を呈した。 

 

新組織は経済財政諮問会議から「一歩進んだ組織」として常設し、経済安全保障とマクロ経済運営について危機に備えた体制を作っておくべきだとした。 

 

今後の経済政策の柱の一つとして「地方創生」を挙げた。中小企業や地方に「高付加価値の商品やサービスを生み出す潜在力がある」として情報技術(IT)や人工知能(AI)を利用したイノベーションや起業、移住などを進めていくべきだとの考えを明らかにした。 

 

石破氏は報道各社が実施する「次の首相にふさわしい人」に関する世論調査でトップとなっており、9月に行われる予定の自民党総裁選への出馬が取り沙汰されている。 

 

著書名は「保守政治家 わが政策、わが天命」(講談社)で、冒頭で自分がもし首相になる時があるなら、「自民党や日本国が大きく行き詰まった時なのではないか」と記している。 

 

(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Takashi Hirokawa 

 

 

 
 

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